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キャラの欠点に関して

 なにについて話すのかについてですが。
 キャラクターの欠点、不完全性とか。

 最初に考えたのは。
 私は覚悟が決まっているキャラが好きです。
 一つの望み・理想・目的のために自分の全てを懸けて、永い時を重ねてやり遂げる精神力を持った存在。

 ただ、こういう系のキャラって実際は弱さを抱えていたり、素は普通の人間であることが多いのです。
 どうせなら完璧であるほうがいいと思いながらも、そこを含めてのキャラだから仕方がないと割り切ってはいます。

 実際のところは、どうなんでしょうか。
 精神的に強いように見えるキャラ、意志の強いキャラ。それが弱さだとか色々と切り捨てた結果、覚悟が決まったように感じるだけとか。
 弱いからこそ強いみたいな雰囲気もあります。

 それで、どうして弱さを植え付けるのかといえば。
 そちらのほうがいいからだと思われるのですが。
 具体的な理由を考えるとなると。

・変わる前と、変わった後のギャップで映える。
・素の性格が現在と異なるものであった場合、その過程を想像できて、深みが出る。
・人間味が増して、共感できる。見方が変わる。
・変わる前から変わってしまったことに対する悲哀が感じられる。

 要は覚悟が決まり切ったキャラって、なにも言わずに実行を移すわけで。
 そこからなにも本人に対する情報が伺えない。
 その状態だとなにも分からないから、なんだこいつという印象になるのです。
 でも、掘り下げて人間味が現れると、この人も人間だったんだと分かって、印象が変わるとか。
 こう……土台があるのとないのとじゃ、だいぶ違います。


 ときに私が嫌いなキャラの特徴は清廉潔白なキャラだと言ったのですが。
 これは言い換えると欠点がないキャラ、完璧なキャラです。
 要は常に正しく、間違いを犯さない存在。

 完璧なキャラは間違えないので、他のキャラのその役割があるし、仮に間違った行動を取ったとしても、間違えていないことになります。そういう設定だから。だからそう呑み込まずにはいられず、周りのキャラだけが負の一面を背負わなければならない。そんな状態になるのです。
 一人だけきれいなキャラともいえますね。
 好きになるキャラならそれでいいのですが、私は好きにはならないので、どうしようもないと。

 キャラクターには欠点を植え付けたほうがいいとは、よく聞きます。弱点こそが個性になって、魅力にも繋がると。

 ただ、同時に次のようにも考えました。
 成長させる前提でキャラクターを欠点まみれにしたら、魅力がなにもなく、なんでこんなのが主人公なの? とならないのかと。
 これは私が実際に書いていて思いました。成長をさせることを前提にして書くと、人としてダメなキャラにしかならないな、と。
 欠点を反転させてよく見える(頑固→意志が強いとか、おとなしい→控えめで空気を読む、とか)ようにするのはありですが、それは結局長所を付け加えているのと同じです。
 だから、結局なにかしらのいいところは必要なのではないかと。


 一方、悪役に対して魅力がないとは、よく聞きます。
 プレイアブル前のキャラクターについても。
 これ、ストーリーの序盤でヘイトを集めたキャラによく言われるんですよね。まだなにも分かっていない段階から、なんとなく嫌われて、実装後は何事もなかったかのように魅力的だと言われたり。
 それってどうなんだと思わなくもない、が。
 ここからキャラの魅力って本体ではなく、ストーリーから紡がれる感はあります。

 また、悪役として魅力がないってなんだよ、と。
 別に魅力がないわけじゃなくない? と思いつつ、どんなところが魅力かと言われると、なんともいえない。なぜなら、なにも分からないから。それでも、なにかがある、描いていないところがあるという段階で、魅力を勝手に作り出してしまえるものです。実際になにかあるかどうかはさておき。

 ちなみに魅力のある悪役はこうなります。

・信念がある
・思いを背負って戦っている人
・人間味がある
・強さとかっこよさ。格がある。
・大物、武人系。
・こちらにも正しさがある。
・義理を果たす。
・美学と美点。
・仲間思い。

 反対に魅力がないと言われるのはこんなやつ。

・自分勝手な底が浅い理由で巻き込み、被害を与えようとする
・同情できない
・格下だと分かり切っている
・小物
・場違いかつ、浮いている
・崇高な目的とかなにもなく、ただ暴れたいだけ
・中身赤ちゃん

 まあ、こんな感じの。
 個人的には魅力がない=いいところがない、嫌いを、それっぽく言い換えただけではないかと。
 そうでなければ全てが終わった後に「悪役としては好きだった、魅力があった」と手のひら返しが起きないと思いますし。


 つまるところ欠点まみれのキャラって、魅力がない悪役と同列になりかねないんですよね。
 そのままお出しすると荒れるといいますか。
 それをいいキャラのように持ち上げてしまうと、ひどいことになりそう。
 だから、なにも考えずにじゃあ「欠点つけて書こう」というのは難しいかもしれません。

 では、どうすればよいのかに関しては。
 経験則(見た限りだと)、表面上の欠点を裏返して、よいところに変える描写をするとか。
 事実を変えずに結果だけ変える。どんでん返しに近い手法です。
 正直伝えるのが難しいので、魔神任務のフリーナみたいなものだと考えてください。
 ミスリードに近いのでしょうか。
 あとは、序盤に悪いところを強調して、それが例外だと示してから、素の人格を描写するとか。
 どちらにせよ、本当はいいところはあるという面に関して、長所は必要ですかね。



 あと、悪役を魅力的に描くことに関して。
 一般的には悪役って嫌う対象で、むしろ人気が出ること自体、レアケースで不思議な状態だと思うのです。
 それで、ちょっと思ったのですが。
 少し違った言い方をして、「本来男キャラを嫌っている層が、好きになれる男キャラ」と似た考え方をして、穴埋めでもしたらどうなるのかと。
 悪役が嫌い→なぜ嫌いか。
 そこから導き出し、裏返すとなにか起こりそうな感じがします。

 個人的には同性キャラを好きになるタイミングは、男女ではなく一人のキャラクターとして見ることができた瞬間、だと思うのです。
 だから悪役=敵だけど、一人のキャラクターだと認識させることができれば、見方も変わるのではないでしょうか。
 過去の断片において共感できる、感情を揺さぶられるところがあるのなら、魅力がある存在として受け入れられる気がします。

 いうて、悲しき過去をやれというものではありません。ただ、その動機、背負っているもの、見たもの、軌跡の中に感じ入るものがあればいいのです。それが正しい・そうなると分かるのなら、納得はいきますし。
 私としては同情を引くよりかは、どうしてもそうしなければならないという中身を描いてほしい感はあります。熱情、情念の類。

 だから自分はこれを成し遂げたいのだと。
 それに対する努力、頑張っているところを見せられたのなら、普通に応援したくなりし、感銘も受けます。

 まあ、そんな感じで。







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