その文章を読んだ時、あまりの熱量に身体が呼応した。
熱い。熱いぞ。
むんとした空気が漂っているのを感じられるほどに熱い。
いきなり出てきたのは、朝倉海の名前だった。
最近売り出し中の格闘家として、名の知れている男だ。
ただ、朝倉海の名前など格闘技に興味のある人でなければ、なかなか出てこない名前だ。
下手したら男性でも、朝倉海の名前は知らないかもしれない。
そして、ブルース・リー。
こちらは武術家であり、映画俳優でもあった伝説的な人だ。
こちらは男性であれば、一度は聞いたことがあるはず(もしかしたら、若い人は知らないかも……)。
だが、レビューを書いてくれた朝吹さんは女性だ。
女性から朝倉海やブルース・リーの名前が聞けることなどは、ほとんどない。
しかも、おっさんが殴り合うだけの拙作「拳王伝」をしっかりと読んでくれているのだ。
他の作品に比べて、この作品は完全に女性を無視した形の小説である。
登場人物は漢。漢と書いてオトコと読むのだ。
出てくるシーンも、肉体労働者たちが食事を取るような昭和感丸出しの食堂だったり、夜中の建設現場だったりと汗臭さしか感じない。そんな場所で、おっさん同士が血と汗を流しながら殴り合う小説。
それが「拳王伝」なのだ。
そんな小説のレビューを朝吹さんは熱い言葉で書いてくれた。
もう感謝しかない。
私は、いろいろなジャンルの小説を書いたりしているが、この「拳王伝」だけは本当に自己満足で書いている小説だった。あまり読者を意識せず、書きたいように書く。そんな小説にも関わらず、熱いレビューをいただけたことが本当に嬉しいです。
この場をお借りして、お礼申し上げます。
ありがとうございました。