こんばんは。Skorcaです。
たまには作中に関わることでも書こうと浮上してまいりました。
今回は下記、メインの長編『遺形の承継者』についてになります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897780554ネタバレを含む内容となりますので、20章をまだ読まれていない方はご注意のほど、お願いいたします。
問題ない方だけ、以下お付き合いいただければと存じます。
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第3章で登場し、第10章と第20章で触れられる白い花――つまりヴィーが墓地でディルにあげた花は、チューリップです。作中では和名の鬱金香と表記し、それでは結局何の花だか伝わりにくいであろうと思い、チューリップとルビを振りました。
中近東での呼び名である、ラーレの方が響きは好きですが、一発で伝わらないルビでは意味がありませんので……ここは自分の好みは引っ込めました。
作中の全固有名詞を植物に因んだものにするという縛りのため、実際の植物を登場させた際に表記をどうするのか、という問題にぶち当たるのですが、まあそれは仕方がありません。
基本は漢字で表記し、補助的にルビを使うと決めています。
オリジナルの植物を考えて登場させる、でも良かったのですが、この作品には実在の植物の方がしっくりくる気がしたので、そのようにしています。
で、その作中のチューリップですが、近代以降広く愛好されている園芸種ではなく、原種のイメージです。
そのため、花弁が先細りで途中から反り返っている、という描写にしています。これは本当に咲き初めの状態であり、あっという間に花弁は根元からどんどん開いていきます。
20章で園丁が「昼も開ききらない今がいっとう綺麗」と語っていますが、その状態、非常に短い時間だったりします。
実は本日、我が家の花壇に植えていたものが開花したので、このノートを書くことにしたのでした。
あまりに背景が雑然としていてお恥ずかしい限りですが、ご参考までに写真を添付します。
秋に球根が売られているのを見つけて購入したものです。
私は瞬きする間に3ヶ月が過ぎてしまうため、この手の球根やら種やらは、大抵植えどきを逃して失敗するのですが、これは奇跡的にちゃんと思い出して植えたのでした。
正直植えたというより、先住のツルニチニチソウ(バックで咲いている青い花)の蔓を掻い潜って土中にぐりぐり押し込んだと言った方が正しいですが……。
そんな扱いにもめげず、きちんと芽を出して花まで咲かせてくれました。丈夫で大変よろしいですね。
ちなみに、昨年の春先にも一度開花直前の苗を買って植えたことがあるのですが、数年は咲く種と言われているのにワンシーズンで消え去りました。なぜでしょう……。
原種チューリップも種類がありますし、まったくこのままの通りのイメージでは書いていません。
写真のものは萼がピンクに色付いていますが、作中の花は白一色の想定です。一応、マドンナリリー(庭白百合)の代わりとして選ばれた花ということなので。
作中では舞台であるエルム大陸に自生しているわけではなく、別の大陸から持ち込まれたものであり、非常に珍しい花という設定です。
それにしても、この作品を書きながら現実世界で何度花開くチューリップを見ていることか……などと思いもしますが、気にしたからといって筆が進むわけではありませんので、何度でも数えてやるぜという心持ちで庭を眺めております。
とはいえ、そろそろ次の春が来る前に締めたいところではありますね……。
さて、執筆の進捗ですが、新章は8割ほど書けたところです。
あともう少し……ではあるのですが、先日久し振りに風邪をひき(現在はようやく快復してきました)、また年度末で何かと慌ただしいので、更新は来月に入ってからかな……という見通しです。
何かの拍子に筆が進んで、もっと早く公開できる可能性もゼロではありませんが、いずれにせよ、今少しお待ちくださいますようお願いいたします。
それでは、またお会いいたしましょう。