第9回カクヨムWeb小説コンテストのホラー部門に応募していた拙作『オウマガの蠱惑』が、特別賞を受賞しました。
まず、何にしても、今作を応援頂いた皆様には、感謝しかありません。35万字などというふざけた文章量、約三カ月に渡る連載にお付き合い頂いた上に、評価までして頂き、本当にありがとうございました。おかげさまで、初めて中間選考を突破した上に、特別賞を受賞することができました。また、選考に携わった方々にも、多大なる感謝を。拙作を選出して頂き、本当にありがとうございました。
2018年の暮れに「このままじゃなんか嫌だなあ」と思って小説を書き始め、今まで活動を続けてきました。学も教養も無い浅はかな人間ですので、小説を書くということがどういうものなのか分かっていませんでしたし、今現在も良く分かっていませんが、とりあえず書くことはやめずに、どちらが前か後ろかも分からないまま、モゾモゾと動き続けてきました。絶望せずに諦めることなく、とでも言えば格好はつくのでしょうが、そもそも絶望して色々なことを諦めてから小説を書き始めたので、まるで格好はつきません。
椎葉伊作という人格を作ってから五年間、色々なことがありました。元々、自分の心の中にあるどろどろしたものを別の形にしようとして小説を書き始めたのに、活動を続けている内に、何故かどろどろしたものが増えていく始末でした。その上、他者と器用に交流する器量も持ち合わせていなかったので、自分が一体何をやっているのか分からなくなったこともありました。器用な人の真似事をして交流を試みたこともありましたが、ただ自分が苦しくなるだけだったので、やめてしまいました。
なので、椎葉伊作としての活動は、人の寄り付かないような僻地に留まって、その一向に減らないどろどろしたものをひたすら火にくべてドス汚い狼煙を上げ、誰か気が付くかなあと思いながら、ずっと座って待っているかのような感覚でした。
そんなどうしようもない有り様だったというのに、いつしか作品を読んでくれる方々や、応援をしてくれる方々が現れ、評価を頂けるようになりました。ロクに返せるものや得など何も無いのに、温かい交流までして頂けるようになりました。
そんな方々から頂いたありがたい励みの数々が、心の中のどろどろしたものとは別の燃焼材料になり、日々の活動の大きな糧となっていきました。
故に、今回『オウマガの蠱惑』がホラー部門の特別賞を受賞できたのは、ひとえに皆様のおかげです。付き合っても得など何もない僕のような者を応援して頂き、本当にありがとうございました。
皆様に御恩を返せるかどうかは分かりませんが、頂いたお力添えを無駄にしないように、これからも浅はかな人間なりに活動を続けて参りますので、引き続き、あの野郎まだ何かやってんなと冷ややかな目で見守って頂ければ幸いです。