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『✕✕✕の✕』についての記録、あとがき

 カクヨムにて、今年の一月七日から連載を始めたモキュメンタリーホラー長編『『✕✕✕の✕』についての記録』を完結させました。
 いつもならここで長編何作目だとか、連作短編形式ではだとか、うだうだとカウントしていますが、今作はそもそも小説としての体を成しているのでしょうか。連作短編といえば連作短編ですが、作りが妙ちきなせいで、どう扱っていいものか分かりません。
 そもそも、今作は去年の夏に公開していた『『ミルナの怪』についての記録』という流行に便乗して書いたモキュメンタリーホラー形式の短編が公式からレビューを頂いたことによって、これまでにない反響を受け、「だったら、もっと拡大してみるか」という、これまた調子のいい動機の下に書き始めた作品でした。一応、『『ミルナの怪』についての記録』の時点でも発展の余地は匂わせ程度に残しておいたのですが、その時はアイデアがまとまったら似た形の短編を書いて三部作にしてみようかなあと、ぼんやり考えていました。
 そんな折、ちょうどカクヨムコンが始まったので、十万字に届けばいいかなあと思いながらぼんやりと構想していた『『ユウナの呪』についての記録』から書いてみることにしました。すると、どうにか十万字に届きそうだったので、そこからさらにタイトルだけ決めていた『『キクナの怨』についての記録』を、「ウワーッ」となりながら書き上げました。
 話を完結させずに書いては出し書いては出しの形で長編の連載をしたのは久しぶりのことでした。それも、期限があるという制約もあったので、途中からは「ウワワワワーッ」となっていました。何とかまとめたつもりですが、やはり完結させずに見切り発車で連載を開始するのはよくないですね。きっと、気が付いていないだけで、そこかしこに穴や粗があるでしょうし、もっと多くの要素を盛り込めたり、あれやこれやを繋げられたりできたと思います。
 それでも、書いている最中はとても楽しかったですね。全編に渡って、インターネットに多く生息しているファニーな人たちを題材にしたり、あちこちにホラーの小ネタをイースターエッグ的に仕込んだりするのが楽しくて、苦にはなりませんでした。多分、これまでで一番ニコニコしながら書いた作品だと思います。
 まともな文章ではなく、匿名掲示板やTwitterの再現で話を構成したのも、その一因です。書式が横書きであったことに感謝ですね。WikipediaやTwitterのTL、YouTubeのコメント欄など、インターネットのページを疑似的に再現することができました。さすがに全編これではあんまりかなと思い、三部の『『キクナの怨』についての記録』からはまともな小説の形式に戻しましたが、通して見ればまともな小説とは言えないかもしれません。

 しかし、思っていたよりも多くの方々に読んで頂けて、嬉しい限りです。流行に便乗したからだろと言われれば、それまでの話ですが、それでも僕なりに込めるものを込められたと思うので、満足しています。まあ、その込めたものは、インターネット上で繰り広げられている様々な光景を目の当たりにして吐き出したゲロだの唾だのの吐瀉物なので、ちょっと申し訳ないような気もしています。かといって、引っ込める気はありませんが。

 なんだか汚い話になってしまいましたが、最後に、今作をお読み頂いた皆様に感謝を申し上げます。僕なりのモキュメンタリーホラーにお付き合い頂き、ありがとうございました。応援やコメント、レビューを頂いた方々や、Twitterで宣伝ツイートをいいね&RTで応援して頂いた方々にも、多大なる感謝を。皆様から頂いたレスポンスが、見切り発車で始めてしまった連載の励みになっておりました。本当にありがとうございました。
























































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