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青年の四季についての創作報告書44

「たとえば、象が空を飛んでいるといっても、ひとは信じてくれないだろう。
 しかし、四千二百五十七頭の象が飛んでいるといえば、信じてもらえるかも知れない。(ガルシア・マルケス)」

 もちろん僕は象が空を飛んでいることを信じるよ。
 けれど、どうだろう。
 村上春樹の小説に空から魚が雨のように降ってくるシーンがあったんだけれど、その象もいつかは地面に落下するのかな?
 落下しないで欲しいと思うんだよ、僕は。

 お久しぶりです。
 小説の方はいかがですか?

 僕はなんだかんだ、アレコレやってしまって小説の進みが良くないです。小説も特別読めている訳ではなく、どうしたものかと首を捻っています。

 食事中に「バナナフィッシュ」というアニメを見ていて、エッセイを書いている時期だったら、これで一本書いたなぁと思っています。
 最初は「女の子の行き場のない気持が注がれるアッシュ(主人公)」という構図かな? と思っていたんですが、終盤に突入した現在は、村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」から読み解く「バナナフィッシュ」に見え方が変わってきました。

 村上龍の小説で僕が一番好きなのが「コインロッカー・ベイビーズ」で、ハリウッド映画的なんですよね。
 言い方は難しいんですが、村上龍文学は視覚的、映像的な部分が強くて、それが良さではあるんですけど、その結果、日本以外の言語に翻訳された時、文学作品として受け取られにくくなっている印象があります。
 中期から後期にかけて、日本がテーマの中核に置かれてしまった部分もあって、より翻訳されている印象が薄まりました。
 
 さて、本日は謝辞を述べたく、近況ノートを書きました。
 先日「西日の中でワルツを踊れ」が完結しまして、そこでレビューをいただきました。
 書いてくださった千里望さん、切り株ねむこさん、ありがとうございます。
 許可は取っていませんが、今回この二つのレビューを紹介させてください。


『もう一人の自分』

 まず自分が記憶喪失になったならどうするだろうと考えました。きっともっとパニックを起こしてたかと思いました。
 人にはもしかしたらどんな時期でも再生する力があるのかも知れません。
 是非一度でも自分を見失いそうな方がいたら読まれる事をオススメします。
 最後の描写はきっとあなたの心に響くでしょう。

 
 千里望さん、ありがとうございます。
 最後の描写やオチは個人的に気に入っていたので、ご指摘いただけて嬉しいです。

 続いて、こちらも紹介させてください。


『アイデンティティの鍵を一緒に探さずにはいられない中毒性のあるミステリー』

 郷倉四季さんの書く小説はご本人も仰っている通り、ゆるく繋がっています。
 
 そして、どの作品から読んでも大丈夫なのです。
 
 ちなみに、こちらの「西日の中でワルツを踊れ」の主人公は「南風に背中を押されて触れる」という作品の登場人物として出てきた西野ナツキです。
 
 その西野ナツキが記憶喪失の状態で始まる物語が今回の「西日の中でワルツを踊れ」なのです。
 
「テーマはアイデンティティ。
 過去と現在のアイデンティティを奪われた人間はどうなるのか?」
 
 それってどうなるんだろう……と最初からその謎を追っていく様な感覚でした。
 
 特に西野ナツキは「南風に背中を押されて触れる」に登場しているので、記憶を失ったとはいえ、そちらを読めば何か鍵を見つけられるのでは!?と思い、私は「南風に背中を押されて触れる」と今回の「西日の中でワルツを踊れ」を行ったり来たりしました。笑

 それどころか、あるシーンでは「岩田屋葛藤憚その①~俺がそばで見ててやるから~」のあの場面では!?とそちらにも飛んだりして、我ながら作者さんの思惑通りの読者だったのではないかと思いました。笑

 その位、今回の「西日の中でワルツを踊れ」は郷倉四季さんの小説の中で1番ミステリー要素が強くて、最終話の時は「え?もう終わり!?」と思ったほど、あっという間に感じました。

 でも、全78話あるんです!!

 それで「あっという間」と思えるのは、ミステリー特有の次が気になる展開と郷倉四季さんの書く文章の読みやすさなのだと思います。

 すぐに「次は?」「次もあるんですか?」と聞きたくなってしまうほど、読み終わった今もまだ西野ナツキについて考えてしまう私がいます。

 こちらを読むとあちらも読みたくなって、あちらを読むとまたこちらを読みたくなる。

 そんな中毒性が更に深まった作品でした。
 
 
 そして、私には気になることがあります。
 
 こちらの「西日の中でワルツを踊れ」から読んだ方は、次にどの作品を読むのでしょう。
 
 そこまで知りたくなってしまう作品です。


 切り株ねむこさん、ありがとうございます。
「南風に背中を押されて触れる」や「岩田屋葛藤憚その①~俺がそばで見ててやるから~」まで絡めてくださって、有難いです。
「西日の中でワルツを踊れ」と「南風に背中を押されて触れる」と「岩田屋葛藤憚その①~俺がそばで見ててやるから~」はすべて同じ時系列で物語が起こっているんですよね。

 あくまで予定ですが、続く「岩田屋葛藤憚その②」を近い内に連載できればと考えています。
 こちらは西野ナツキの友人が主人公です。
「南風~」でも、ちょっと出てきたフジくんです。やくざです。

「西日~」「南風~」「葛藤憚その①」はやくざ同士の抗争が中心にあって、その周辺で物語が起こっていた話なのですが、「葛藤憚その②」では、ようやく何が起きているのかが分かってきます。
 火種になった、川島疾風や中谷優子、中谷勇次や守田裕がどうなったのかも。
 よろしくお願いいたします。

 ひとまず、今回完結した「西日の中でワルツを踊れ」のURLを貼らせてください。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894472526


 ではでは、最後にまったく関係のない話題を書いて終わりたいと思います。
 本日、火曜日なのですが、朝方のツイッターのトレンドに「菅田将暉を許すな」とあって、あ、ラジオかな? と思って調べたら、ラジオでした。
 そして、思った以上にしようもない理由(エロ漫画はカラーよりモノクロの方が良い)でトレンド入りしているようでした。

 最近、noteの日記で菅田将暉の曲は「7.1oz(ナナテンイチオンス)」と「ピンクのアフロにカザールかけて」が好きだと書きました。

「7.1oz」はTシャツを自分に例えて、恋人との関係性の変化を歌っている曲なんですが……

 ――「もう夜も遅いし迷惑だよね」って君は また僕を気遣って
 いつまでも待ってる僕のこといつまでも 見つめてくれないよね

 という歌詞とか、もう本当に切なくて好きなんです。
 全然、気遣わずに夜とかも関係なく、連絡してきて欲しいよね。というか、待ってるんだよな、待ってるんだけど、なんかそういうのって上手く伝えられないんだよね。
 そして、見つめてくれない時とかに、まともに相手の顔を見ちゃうんだよなぁ。
 で、改めて、この子って可愛いなぁとか思う訳でしょ?
 
 いや、もう辛いって。
 菅田将暉、やめて。まじで。
 と、僕はなりました。

 何にしてもです。
 男の子の恋愛の情けなさって色々あると思うんですが、別れ間際というか、もうダメだって分かっているけれど、自分から言い出せない時が一番情けなくて、格好悪い気がするんです。

 そういう小説を書く作家として、僕は伊藤たかみに期待してたなぁ、そういえば。
「八月の路上に捨てる」とか良かったんだよ。
 けど、そっちには行ってくれなかったんだよなぁ。
 
 話が修正不可能な方向へ飛んでいってしまいました。
 すみません。いろいろ書きたかったんですが、うまくまとまりませんでした。

 ひとまず小説書いたり、noteで日記を書いたりして僕は元気です。木曜日には往復書簡集を更新しますので、よろしくお願いいたします。
 今週は「はじめての小説」について書きました。

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