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青年の四季についての創作報告書38

 頭がいい人はやっぱり優しい。
 
 読んでいた小説の中の一文です。
 優しさを鍛える為には、賢くなる必要があるようです。

 誰かを傷つけるよりは優しい人間でありたいと思います。

 そちらの小説の進みはいかがですか?

 実は少し前に37を深夜に数時間だけアップしていたんですが、削除してしまいました。

 酔っ払って書いていたのと、友人の同棲が駄目になった話とかを書いていて、言葉にしづらいのですが、よくない気がすると思って削除しました。
 この辺の感情や感覚が、もっと明確なものになったら、近況ノートかエッセイで書きます。

 最近、ふとした拍子に昔、書いた小説を読みなおしていました。文体が違うんですが、一部を紹介させて下さい。

『 どんなに誰かを愛したとしても、どんなに愛されたとしても。私の肉体が誰かのモノになって、誰かの肉体が私のモノになっても。
 同化してしまう程に同じ物を食べ、同じ生活をし、同じような考えをし、セックスをたくさんしたところで、私は私でしかない。
 誰かの私にはなれても、誰かになることはできない。
 煙草の箱を取り出し、一本抜き取って軽く咥えた。ライターで火をつけようとしたが、うまく火がつかない。
 かちっかちっという音だけが虚しく響く。火がつかない苛立ちから指に力が入る。力を入れれば入れる程に火はつく気配が遠のいて行く。指の先がじんじんと痛む。
 どうして、なんで、何故か焦りが湧きあがり、悔しさまでこみ上げきた。大丈夫、焦る度に私は私にそう言い聞かせた。何がかは分からない。ただ大丈夫、大丈夫だからと。
 私の思う不安、焦りなんて冷静に考えたり、他人から見たらちっぽけなものだ。
 だから、大丈夫。 』

 どういう経緯で、こんな思考に行きついたが一切分からない部分で申し訳ないです。

 多分、二十歳か二十一歳くらいの文章なんですが、当時の僕は何故か女性の視点で小説を書いていたんですよね。
 八年か七年くらい経った今、読むとめちゃくちゃ下手って思う部分と、ちょっと羨ましい部分がありました。
 今はこういう書き方はできないなぁという意味で。

 さて、またいつもの映画の話をさせてください。

「恋は雨上がりのように」

 原作の漫画は途中まで読んでいて、母親に勧めたところ実家に全巻そろっていました。けど、なぜか最後まで読んでいません。
 映画の監督は永井聡で、「ジャッジ!」や「帝一の國」の方で、ザ・エンタメって感じの作りになっています。
 小松菜奈が走っている姿が最高に良かったです。

「ボヘミアン・ラプソディ」

 クイーンの曲は親父がCDを持っていて、昔ちょくちょく聴いていた記憶があります。
 職場の先輩が映画館で四回見に行きましたって言っていたのですが、納得のエンタメ感。
 多分、現実ではもっとドロドロした、承服し難いことがあったんでしょうけど、それを力技でエンタメにしている印象でした。
 全ては最後のライブの為にあったといっても過言ではない作りで、最後のエンドロールでちょっと泣きました。

「ユリゴコロ」

 沼田まほかる原作の映画。
 実は沼田まほかるが売れはじめた頃に、この人は凄い気がすると思って、読もうとしたことがあります。
 なぜか、最後まで読めなかった為、映画も少し敬遠していたのですが、面白かったです。
 ミステリーと文学の中間と言うか。
 松坂桃李の演技も良かったですし、人を殺す幾つかのシーンで、その残虐性が印象的でした。
 
「彼女がその名を知らない鳥たち」

 こちらも、沼田まほかる原作の映画です。
「ユリゴコロ」が良かったので、つい。
 蒼井優と阿部サダヲが主演で、一緒に暮しています。
 その一緒に暮している部屋の雑多な感じが、まず良かったです。最近みた映画で言えば、「勝手にふるえてろ」や「生きているだけで、愛」の主人公たちの住む部屋のリアル感に通じるものがありました。
 ちゃんと彼らが生きていると分かる部屋が映し出されるだけで、細部がしっかりとした映画だと僕は頭から信用します。

 ちなみに、松坂桃李はこちらにも出演しているのですが、まぁ良い感じのクズを演じています。
 これを見て阿部サダヲを嫌いになる人類っているんだろうか? 僕は後半、陣冶(阿部サダヲ)! 僕は貴方のこと大好きですよ! って思っていました。

 あと、蒼井優……。
 こういう女の子いるよなぁと思います。
 即物的な快楽に弱いと言うか、ぱっと見える分かりやすい価値(例えばイケメン)に拘泥してしまう、というか。
 イケメンに好かれることで自分の価値が上がると思っている、というか。

「ユリゴコロ」と「彼女がその名を知らない鳥たち」を比べてみると、沼田まほかるが何に救いを見出し、何を罪として描いているかが分かって面白かったです。

 あと、陣冶(阿部サダヲ)が作る食事は決して綺麗じゃないし、おそらくそこまで美味しい訳じゃないんだろうけど、食べたくなりました。


 さてさて、では今回の宣伝は、「顔のない獣 その② とどのつまりを知っている」です。
 本日の更新からの展開が個人的に好きなもので、良ければ読んでみてください。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891861473

 個人的に「顔のない獣 その①」のコトリってキャラは好きじゃなかったんですが、その②から「あれ? この子のポテンシャル高くない?」ってなりました。笑

2件のコメント

  • 青年郷倉くんへ。

    こんにちは。

    なんですか!その小説は!!
    読みたいーー!!
    読みたいが過ぎて困ります!!

    私、その一部だけで既に大好きです。
    気持ち分かりますし!!

    読みたいなぁ。(しつこい)


    そして、今回も沢山の映画が!!

    「恋は雨上がりのように」観たい映画の一つでした!楽しく観れそう〜と!
    そして、お母さま素敵過ぎます。
    郷倉さんとお母様の関係を私も息子と目指します!!

    「ボヘミアン・ラプソディ」
    は人気でしたね。
    私観てないんですけどやっぱりいいんですね〜。


    そして、沼田まほかるさん原作の2つ!!

    「ユリゴコロ」もそうだったんですね〜。
    知らなかった。

    「彼女がその名を知らない鳥たち」は
    忘れられない映画です。
    愛するってそういう事…?って考えさせられたというか…陣冶に泣きました。

    出来ない。そういう愛し方出来ないよー!!って。

    蒼井優の役は松坂桃李の役よりタチ悪いなぁと
    思いつつ、依存しないと生きていけないんだろうなぁと悲しくなりました。
    (郷倉さんがこの役を好きでは無いのだろうなとひしひしと伝わってきます。笑)

    でも、分からなくもない…それが怖くもあります。
    ちょっぴり植本一子さんに近いものを感じました。

    「顔のない獣」
    里菜さんかっこいい!

    今日も郷倉さんにとって
    ゆるく優しく楽しい1日になりますように。
  •  ねむこさんへ。

     こんにちは。
     コメントありがとうございます。

     読みたいと言ってくださって、ありがとうございます。
     嬉しいです。

     僕も読み返して、この部分の気持ちは分かるなぁと思った次第です。笑
     すごく下手な部分もあるので、ちょっと手直しするというドーピングができたら、アップするか考えます。笑

    「恋は雨上がりのように」
     は気軽に見れる映画になっていましたので、ぜひぜひ。
     疲れてる時とか、何も考えたくない時とかに。

     そういえば、昨日の夜にねむこさんは息子さんに勧められた「鬼滅の刃」を読んでいたんですよね。
     親子で物語を共有できるって素敵なことだと思います。
     個人的に「King Gnu」を息子さんと、どちらが先に好きになったかって話で盛り上がれる部分とか、羨ましいです。

     漫画や音楽って、そういう意味で尊いものですよね。

    「彼女がその名を知らない鳥たち」
     はねむこさんが、エッセイでおっしゃっていたので、観たいと思ってはいたんです。
     ただ、それより以前に観た予告編で、これは辛い気持になる気がすると身構えてしまって、少し敬遠していました。

    「ユリゴコロ」を観た勢いで、「彼女がその名を知らない鳥たち」が観れる気がして、手に取って良かったです。

     陣冶みたいな愛し方は僕もできませんね。
     自己犠牲さえ超えていて、なんでしょうね。一種の宗教の行き着く先なのかな? とさえ、思いました。

     十和子はそうですね、好きではないですね。
     ただ、十和子のような女の子が望む幸せと実際の幸せのギャップをどのように、埋めれば良いのだろう? とかは考えるので、好き嫌いは置いて、興味は強くあります。

     今回の十和子で言うと、正しい発言や行動が先に立つ姉の存在は、十和子にとっての不幸の始まりだったんだろうなぁと思ったりします。
     時計屋やレンタル店でのクレーマー的な行動をする十和子は、姉の行動のトレース(正しいことを言って相手を責める)に見えたので。

     でも、じゃあどうすれば良いのか分からないんですけど。笑

     今回もわざわざコメント本当にありがとうございます。
     もう夕方ですが、ねむこさんもゆるく素敵な1日を過ごしてください。
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