藤咲 沙久

  • 現代ドラマ
  • 恋愛
saku_fujisaki
9作品

仄かな暗さと、潜む温もり。

文体や雰囲気は落ち着きがあり、どちらかというと少し暗い印象を受けます。でも、それだけじゃない。
主人公たちが何を感じ、どう変化の兆しを見せるのか知って欲しい。そんなお話を集めました。
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作者のおすすめ順
#1

誰が為の舞台／
藤咲 沙久

劇団sparkには看板作品がある。主人公が友と恋人を失う悲劇『誰が為』だ。ウィリアム役を演じる緒方と、その役を演じたい穂村。それぞれに感じ、考え、己の道を見定めた。これは、二人の…
心の中で幕が上がる。役者は胸の裡を燃やす。そして、二人は──
藤咲 沙久
“ならば、誰が彼を殺したというのか！”
あさぎかな＠電子書籍／コミカライズ決定
#2

月下、唆すは猫。／
藤咲 沙久

──時子と向き合うことから、俺は逃げた。 「チェシャ猫の笑うような月ね」 胸を埋める不安と自虐から目を背けたい一心でやってきた旅先で、クスクスと笑う不思議な少女に声をかけられる…
アリスならアリスらしく、きちんとウサギを追いなさい。
藤咲 沙久
彼の背中を押したのは、きっとチェシャ猫のように笑う月の精霊
那智　風太郎
#3

幾分か美しい蒼／
藤咲 沙久

左手で筆を握る。キャンバスの中で猫が鳴く。悲しみに囚われた男の描く絵を眺め、少女は問い掛けた。 「どうしてそんなにも蒼いの？」 答える前と、答えた後。その両方で男は蒼色の絵の…
男の描く絵は、物も、背景も、すべて蒼かった。
藤咲 沙久
#4

哀すべきボクらの世界／
藤咲 沙久

──あたしがいなくなったら、あんたは壊れてくれる？ 赤いチューリップが揺れる。屋上から落ちたあの日、ボクは彼女の誘いに乗った。
「嘘でも、壊れるって、言うところだよ。ばーか」
藤咲 沙久
#5

月の照らす愛しい夜に／
藤咲 沙久

──夜は、嫌いだ。 理紀と琴音が同棲を始めて半年ほどが経つ。それぞれ昼と夜に働く二人の生活は常にすれ違っていた。寂しさが募り、宥めてくれる言葉にすら不安を感じる琴音。その頬を優し…
  • ★16
  • 恋愛
  • 完結済 1話
  • 2,271文字
  • 更新
笑顔を浮かべてもなお、瞳を濡らすあなた。
藤咲 沙久
#6

君は海月の出会う骨／
藤咲 沙久

「命あれば海月も骨に出会う」ということわざがある。長く生きていれば、海月も骨に出会い、骨の有る身になるかもしれない。そんな滅多にない幸運があるかもしれない、そう言う意味だ。 僕…
僕の骨は、脆い。
藤咲 沙久
骨に出会えたその海月は、いつか深海に潜れる魚となるのかもしれない
那智　風太郎
#7

明日キネマを観に行こう／
藤咲 沙久

なんとなく出会い、なんとなく別れる。友達なんてそういうものだ。だけど私は映画を観るたびに、キネマのことを思い出していた。 あれは高校二年の夏だった。 私は初めて、キネマの声を聞…
猫じゃないし。カバだし。
藤咲 沙久
#8

桜が咲くのは誰のため／
藤咲 沙久

私が祖父の住んでいた家に着いたのは、通夜も葬式も終えた後のことだった。もっと会っていればよかったと後悔する私のことを、片付けに来ていた伯父が迎えてくれる。 「吉野も八重ちゃんも、…
もし祖父が寂しくなかったとしたら、それはあなたのお陰です。
藤咲 沙久
#9

涙の海を金魚は泳ぐ／
藤咲 沙久

ここは歓楽街の片隅。金魚のオブジェを前にして、“私”と“弘子”さんは出会った。 マイノリティを生きてきた私たちは、少しずつ少しずつ、お互いの過去を語り合う。“私”が話す父の思い出…
父たちの中でも、私は彼のことが大好きでした。
藤咲 沙久
出会えて良かったと思う小説のひとつ
舘花 縫