@sakamono

日常から地続きの異界へ。一話完結ですので、どこからでもお読みください。 ※2023/2/4 第1話「冬ごもり」改稿。別にある、もう1つの「冬ごもり」と同じ内容にしました。

「海を見たい」とミノリが言った。その海は、かつて栄え、今は廃市となった街の、小さな港湾のよどんだ海だ。そんな海が見たいのかと、イチカは不思議に思いながらも、幼なじみのミノリを案内…

日々起こる些細な出来事に、思うこと。一話完結ですので、どこからでもお読みください。 ※2022/8/31 諸事情により、第7話「冬休み」を一旦非公開にしました。 ご覧くださった…

年に一度初冬の頃、お役目を果たしに川を下ってくるミクリ。 私はそのお役目に立ち会うことになった。

この春、史朗はハウスキーパーとして由乃と同居を始めた。ゆるゆると流れる、野川のほとりの由乃の家で、史朗は日々家事を行う。時間の止まったような家で。

僕の住むアパートの近所にある「おくだ」という店。最近通い始めたその店で、出会ったハルと過ごした夜。

サヤ姉が亡くなって二ヵ月が過ぎた。ずっと一人で暮らしていた彼女の家に今は誰も住まない。僕は様子を見に、その家に一晩泊まった。ひさしぶりのことだった。

雪降りの日。男が迷い込んだ山の中に、粗末な小屋で酒を飲ませる女がいた。男は魅入られたようにイノシシの臓物を食べ、酒を飲み続ける。 ※「夜を拾いに」第1話「冬ごもり」（2018/4…

夏休みも終わり近く、僕が出会ったのは、カラスとサギと「ミケ」だった。

祐平君と草子さんの、いつもの日曜日の朝のひとコマ。

カヤはバイト仲間の佐崎君との帰り道、入り組んだ路地に入り込み、迷った末に行きついた先で、カモノハシに厄介な頼み事をされる。彼らはミソサザイと争っていて、巻き込まれたカヤは……。 …

馴染みの居酒屋で、言葉を交わすようになった草子さんと、僕は観梅に出かけることに。僕より10も年上の草子さんは、どこかズレているようで。 2021/1/16 改稿

宗一朗の住むアパートに毎晩のように夕飯を食べに来る加世と旧い友人の耕作。三人は宗一朗の家で、居酒屋で、スナックで、公園で、酒を飲んでは実のない話に興じる。 ただ酒を飲むだけの何も…