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『パンダマン』投稿しました

『ツァラトゥストラはかく語りき』において自らの意思で動く者を「超人」であると定義した。
超人になるために、まず世界のありとあらゆるを価値が無いと見做さなければならない。
次に新しい価値を生み出し、その価値観に基づいて実践する。

世におけるヒーローものは超人の精神をストーリーとして構造化した。
まず、ヒーローをヒーローたらしめるものとして、世界の価値を否定する存在が敵である。
次に、ヒーローは敵を撃退し、世界の価値を再定義する。

これがヒーローものの構造だ。
初期のヒーローは民族英雄であり、自民族の理想像を掲げることで、他の集団とは異なる民族思想を確立させた。
この形式は現代のエンタメにも取り入れられ、今日の我々の帰属意識を高める役割を担っている。

ゆえにヒーローの敵というのは、我々の社会通念の破壊者である。
そして、その敵を撃退することで社会通念を新たに思想として確立するのだ。
ヒーローとはそのようにして人々の自意識を理想として象る。

エンタメにおける敵(怪人)というのがテーマに富んでいるのはそういう背景がある。
同じくヒーロー側にもテーマがあり、再定義のプロセスはテーマに即するのだ。
様々な価値を否定して最後に残ったものがヒーローの核をなす。

今回、『パンダマン』を書きながら、そんなことを考えていた。
なんて小難しいこと!

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