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『異世界巡礼』あとがき

 あまり読んでもらえなかった。
 そこで1~2章での狙いを解説する。

 ◆

 異世界転生テンプレにおける何らかの希望を手に入れる部分を絶望にした。
 そこから這い上がる主人公を読者は求めるだろう。

 だが、這い上がれないし、周囲の優しさも無碍にする。
 他人には優しくされたくないくせに、自分からは優しくする奴が主人公だ。


 また、第一の石碑を見るまでは妹が生きている認識。
 妹を探すという思いがそこまで強くないので妹について言及が少ない。

 何なら異世界に期待しているから地図なんか作ってワクワクだし。
 ゆえに失ってから妹に執着し始める。

 妹を助けられなかったのに、兄の自分だけのうのうと生きられるものか。
 そういう鬱屈さからスタートしていく。


 つまり、本作のテーマは「事故で生き残った側の呪縛」だ。
 転生は呪いなのだ。

 世界は美しく見えないし、周囲の優しさが辛く感じる。
 それでも世界や人は美しいのだ、というのが3章以降の話。

 ◆

 という話なので、2章の絶望から旅立ちの間でたくさん離脱者が出たのはしょうがない。
 話を短縮して書いて、早々と世界が美しいことを書いた方が良かったかも。

 今回は「書きたいことを書く」が目標。
 書きたいもの10割で書いた結果、腕が足らなくなった。
 体感3割は出来たけど、もう少し上手く書けたら良かった。

 これが現在の実力だと分かったので、次回の作品は難しいことに挑戦はしない。
 スタンダードなライトノベルを書こうと思う。

 次回作をお楽しみに。

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