作者のsaidaです。いつも作品に付き合ってくださっている皆様、本当にありがとうございます。
今回は、「作品の修正」についてお伝えしたいことがあり、近況ノートを作成しました。
全作品共通の内容ですので、saidaの作品を読まれている方で、興味のある方にお読みいただければと思います。
今回お伝えしたいのは、以下の1点についてです。
・連載中の作品の内容(及び表記)の修正は、基本的に行いません。
結論は以上なのですが、以下に詳しい事情と理由について書かせていただきます。
ご興味ある方は、目を通していただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
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【作品の修正を行わない理由について】
ありがたいことに、現在、多くの方に作品を読んでいただけております。
カクヨムランキングに掲載されたためか、進行形で多くの方の流入があり、更新の大きな励みになっております。
さてそのような状況で、作品のコメント欄に「内容及び表記に関するご指摘」を幾つか頂くようになりました。
「この部分はこうした方がよいのでは?」
「この書き方(文章表現、呼称など)は分かりにくいから、こっちに直した方がよいのではないか?」
というようなコメントです。
最初にお伝えしておきたいのは、
「ご指摘くださった方、本当にありがとうございました」ということです。
コメントの返信を現在停止しているのですが(理由については、以前の近況ノートに書かせていただきました)、頂いたコメントは全て読ませていただいておりますので、作者には間違いなく届いております。
作者としては、「読者の方がどういう風に思われているのか」を知る貴重な機会なので、こうしたコメントで反応を頂けるのは、作品制作の参考になり、とてもありがたいです。
また、「内容の修正に関するコメント」をくださる方の中には、「作品面白いです」とか「個人的になのですが」と前置きしてくださる方もいらっしゃって、短い文章からも作者に対する配慮をしてくださっていることが伝わってきます。
本当にありがとうございます。
さて、ここからが本題なのですが、
「連載中の作品の内容(表記)の修正は、できる限り避けたい」という考えを作者は持っています。
明らかな誤字・脱字、文章表現の誤りなどは修正するかもしれませんが、それ以外は基本的にしない考えです。
せっかく読者の方から意見を頂いたにも関わらず、なぜそれを反映しないのかという理由についてですが、大きな理由は以下の3つです。
①リアルタイムで読んでくださっている他の読者様を混乱させる恐れがあるから。
②作者の実力不足(限界)。
③作者の小説観によるもの。
ひとつずつ、説明させていただきます。
①リアルタイムで読んでくださっている他の読者様を混乱させる恐れがあるから。
コメントで幾つか頂いた内容に、「Aという呼び方は分かりにくいので、Bという呼び方にしてみてはいかがでしょうか?」というものがあります。
このコメントについて何度も考えたのですが、これまでAと呼んでいたものを、突然Bに置き換えてしまうと、他の読者様を混乱させてしまう恐れがありますので、控えさせていただきたいという結論に達しました。
ご不快に思われる方もいらっしゃるかとは思うのですが、ご理解いただけますと幸いです。
②作者の実力不足及び限界。
現在、作者は一人で作品の執筆・修正・更新作業を行っております。
誤字や前後の内容との不一致が現れないよう、公開前に何度も見直し作業を行っているのですが、それでも一人の作業ですので、公開前に「こうした方がよいのでは?」という他の方の意見を聞くことができません。
意見を頂けるのは、常に公開した後、多くの方の目に触れてしまった後ということになります。
しかし公開した後ですと、「既に公開してしまった」という状態にあり、容易には修正することができないというジレンマを抱えています。
もし、現在カクヨム上で連載している作品が書籍化していただけることになった場合、こういったジレンマは解消されると思います。
多くの読者様の目に触れる出版の前に、出版社の方々に、細かい内容・表記・表現についての指摘を頂けて、直す機会が与えられるからです。
ですので、細かい内容・表記が気になる方には大変申し訳ないのですが、現在連載中のsaidaの作品は、「無料で読めるWeb版(作者の書き下ろし版)」であると理解していただけますとありがたいです。
現在カクヨムで掲載している作品が出版社の方に拾っていただけるかどうかはまだ全く分かりませんが、もしそのような機会が頂けるようであれば、より多くの方に納得していただけるような作品内容・文章を目指す所存です。
どうぞよろしくお願いいたします。
③作者の小説観によるもの。
最後は、作者であるsaida自身がどういう風に「小説」というものを考えているかについてです。
もしかすると、読んでくださっている方に「わがままな考え方の作者だ」と思われてしまう可能性があるとは感じたのですが、正直な気持ちなので、書かせていただきます。
まず、僕の好きな小説の一つに、「うわさのベーコン」という作品があります。
作者は猫田道子さんという小説家さんです。
タイトルだけでも、もうワクワクするような作品なのですが、
どういう小説かと一言でいえば、「誤字脱字」のオンパレード、「(一般的には)間違った日本語の使い方」で書かれた小説です。
僕がなぜこの小説が好きなのかといえば、「読んでいて面白かったから」です。
今までに自分が読んだ小説とは全く異なる読書体験であり、無茶苦茶な文章やストーリー展開に、驚きや笑い、奇妙なカタルシスを得ました。
もしかするとカクヨムを利用されている多くのユーザーの方とは違う小説観なのかもしれませんが、
僕自身が読み手の場合、「読んでいて自分が面白ければ、それでいい」という風に他者の小説を受けてとめています。
「うわさのベーコン」は極端な例かもしれませんが、
有名なところでいえば、
造語・新語を積極的に活用したと言われる(所説あるようですが)夏目漱石、
海外文学に影響を受け独特な文体を生み出した村上春樹など、
初めて読んだ際には「ん?」と引っ掛かるところが多々ある文章表現であっても、
それがなぜか癖になり、どんどんと読み進めてしまう……という小説作品、小説家の文章は、この世に数限りなく存在すると思います。
そのような大きな影響力を持つ方々や作品と、自分及び自分の作品が肩を並べているとは全く思いません。
ですが小説を書く者の端くれとして、「小説(世界)には、とても大きな自由がある」という希望を持っています。
インターネットに小説を投稿し、読んでいる方のリアクションが直接頂けるのは、とてもありがたく、楽しいものです。
ですが小説を書く世界に身を置く一人の若輩者として、
もし頂いたコメントを受けて、
「これを書いたら、読者の方に否定されるかな?」
「本当はこう書きたいけれど、読者の方に批判されないかな」
と、そんなことばかり考えるようになったら、こんなに寂しいことはないなと思ったのです。
(もちろん、投稿サイトの規約に反するような過激な作品を載せたいということではありません。
もし万が一そういう作品が書きたくなったとしたら、然るべき場所を選びます。
「徒にルールを破ること」と「自由に表現すること」は、一見似ているようですが、全くの別物だと考えています)
ですので、僕の作品を細かく読んでくださることは大変ありがたいことですし、コメントを頂けることは個人的にとても喜ばしいことなのですが、
「どうしてもこれを直して欲しい!」
「なんでこっちが親切に教えてやってるのに、この作者は一切直さないんだ!!」
と強く思われる方がおられましたら、お互いにちょっと苦しい思いをしてしまうかな、と思っています。
saidaという作者は、小説をとても懐の広い分野だと考えており、そこでは多様な文章が許されるのだという希望を持っているからです。
長々と書かせて頂きましたが、少しでもここに書き残した文章で、
「ああ、なるほど。この作者はそういう考えなのね」と感じていただくことができたなら、ありがたいなと思います。
お伝えしたかったことは以上です。
非常に偏った考えを持つ作者ですが、「こんな奴も悪くないかな」と思っていただける方がいらっしゃいましたら、
これからも作品にお付き合いいただけると嬉しいです。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。