折り返し地点をようやく過ぎましたね。
とはいえ、次のお題も出したことですし、残るお題はあと一つ。
長かったような、早かったような。
あらためて今回のハーフ&ハーフは思ったより大変ではないでしょうか。
お題作るのも大変ではありますが、それ以上に回答書くのは意外と苦労しました。
書いたことのないキャラクターを想像する、それが思ったより大変だったし、思ったよりもキャラクターに肉付けができなかったな、これまではそんな感じでした。
あとは連作短編にしていく難しさ、人の意志がはいっさたストーリーをアレンジする難しさ、そんな難しさがごろごろ転がっていたように思います。
でもね、書いてて思いましたが、これはけっこういい執筆経験になったと思っています。
自分の作風に変化をもたらすのって、実は結構難しいし、なかなかきっかけがないものだと思うんです。
そういう意味でけっこうなにかの手ごたえを感じてもらえたなら、この企画は成功だったのではないかなと。
(これに関しては通しで書いても、単品参加でも同じことです)
それからキャラクター提示は男女半々、年代ごとでおおきく割り振ってました。
1子供・男性
2老人・女性
3中年・男性
4子供・女性
5老人・男性
残るは
6中年・女性となってます。
少年・青年期はわりとみんな書きますからね、それ以外ということで。
ということで次回のテーマです。
次回『威厳はあるが軽薄な爺さん』
「人間は誰しも平等に歳をとっていくものです……」
天使の笑みを浮かべて上役はこう告げた。
「……人生経験を積み、他人の良いところ、悪いところを理解し、人としての器が大きくなっていくものです」
それから目の奥に悪魔の炎をちらつかせて続けた。
「……でも現実は必ずそうではありません。むしろ歳をとることで意固地がすぎたり、わがままになったり、威張り散らしたり」
たしかに言うとおりだ。優しい老人がいる一方で『老害』をまき散らす者もいる。
「歳をとったからこそ魅力的になる、そんな歳の取り方をしたいものですね」
歳をとることはなんとなくネガティブにとらえられるものだ。
外見だってそうだ。しわが増えたり、白髪になったり、髪が薄くなったり。
だがそういうものを差し引いても魅力的な老人はいる。
話が面白かったり、的確なアドバイスをくれたり、優しく怒ってくれたり。
年月を重ねることでしか生まれない、ワインのように熟成した精神とでもいえばいいだろうか。
(そうか、今日はあの人の集金日ってわけか)
今日の回収先はまさにその老人。
しかし熟成とは無縁の、なんとも軽薄な感じの爺さんなのだ。
いつまでも気が若い、と言えばそうなのだが、それ以上になんかまったく重みがない人なのだ。
むしろ子供がえりでもしているような……
かくしてわたしは憂鬱をずるずると引きずりながら、今日も顧客のもとに足を運ぶのだった。
~お題ここまで~
平たく言うなら亀仙人ですね(笑)