• 現代ドラマ
  • 現代ファンタジー

アトランティスのつまようじ進行ノート⑨ と『入れ子と箱庭』

アトランティスのつまようじもいよいよクラマックスに突入中です。
今回で九幕までの公開が終わりました。残りはあと三幕。
ちなみに次回はちょっと順番が入れ替わります。まぁこれはもう構成上仕方のないことでして(笑)

ちなみにこの物語、連載で読んでいただけるとより楽しめると思ってるんですよね。それは長さのせいもありますが、ラストの『引き』なんかにもこだわってましたので。連載の面白さって、いいところでまた次回! にあると思うんですよね。漫画しかりアニメしかり。アトランティスもそんな気持ちで構成してました。
だから読んでくれている人が少しでもそんな楽しい気持ちになってくれたらなと、思っております。

さて。今回は『入れ子』と『箱庭』です。
この二つは私が特に好きな物語の構造です。

『入れ子』は単純に言ってしまうと、メインの物語の中に、別の物語が入り込んでいる構成ですね。もちろんまったく無関係のモノではなく、関連性を持っているのが大事ですね。フィクションの中に、さらにフィクションを詰め込むことで、よりフィクションになるという感じですかね。
で、この二つの別種のストーリーが共鳴というか、関連づいていくとなんかいい感じに盛り上がってくるんですよ。

もう一つの『箱庭』というのは小さくても完結している世界観で書かれる構造ですね。世界が広がらないぶん、詳細に深く、マニアックにちいさな世界を構築できるんですね。そこでは世間の常識すら必要ないんです。だってそれだけで成り立つ完璧な世界が出来上がっているから。
そんな世界をジオラマ的に楽しめるのが箱庭構造の面白さだと思うんです。

ただね、この二つは本当に難しいんですよ、書こうと思うと。入れ子はメインストーリーとの関連付けが難しく、箱庭は詳細な設定が必要になります。
ええ、ええ、そうですとも。アトランティスはそれに挑戦した物語だったんです。例によってその効果は定かではありませんが、少なくとも自分が読んで面白かった、こういう話が読みたかった、というのを自分なりに作ってみたのがアトランティスだったのです。

で、物語を書く人には、この入れ子とか、箱庭とか好きな人が結構多いんじゃないのかなぁと思ってます。どうなんでしょう、実際のところ。
またこんな構造、構成もあるよ、なんてのがありましたら是非教えてください!

ということで今回はこの辺で。

そうそう、この二つがたのしめる物語あったらぜひ教えてください。カクヨム作品でも出版作品でも構いません、そういうのに飢えているんですよね……

9件のコメント

  • ジオラマといわれると、「箱庭」構造を書いてみたくなりました。
  • こんばんは😊 アトランティスこっそり読み進めてます。
    じつはアトランティス拝読して、この入れ子どうやったんだろうと思ってたんです。
    どういう順でプロット設計されたんですか?
    三つのストーリー別々にか、同時進行か……
    すごすぎて聞いてみたかったり。
  • こんばんは(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ。:.゚。入れ子で、ちっぱいエルフの話を書いたら、違うところで叶さんに受けて(笑って)いただけました。笑
    それは置いといて、面白そうですね。
  • 琥珀さん、こんばんは!
    琥珀さんの作品はスケールが大きいけれど、舞台が限定的という点で箱庭的な面白さを感じます。
    そう、舞台劇みたいな感じもありますよね。
    ジオラマ的な世界観はいろんな角度から眺められる楽しさがありますよね!
  • 奥森さん、こんばんは!
    次はSF作品に挑戦するとのこと、応援しております!

    さて、アトランティスのプロット設計ですね。

    基本的に本編の脱獄物語を最初に大まかに組み立ててありました。
    しかし舞台はずっと塀の中。しかも一人称。ほとんど状況の説明ができないシチュエーションです。

    その中でキャラクターと小道具のバラマキが必要になりまして、過去編で登場キャラクターの説明、スケイプ編で小道具の説明、という伏線をばらまいていきました。

    それから全体を12で分けて、本編の進行に合わせてキャラクターと小道具を登場させるタイミングを決めました。

    それから過去編、スケイプ編、ともに単独でも話がつながるようにプロットを組み立てていきました。

    たしかそんな感じだったと思います。
    そういう意味では、同時進行に近いですかね。まぁ書いているうちにいろいろと不思議とつながっていった、そんな感じで書いておりました。
  • いすみさん、こんばんは!
    意外と入れ子の話って面白いものが多いんですよね。なんというか作中作って肩の力が抜けて書きやすいのかも(笑)
  • 関川さん、温かいお言葉をありがとうございます!
    返信をありがとうございます。
    そういう風に設計されたのですね。
    構想する段階からもう楽しそうだなあと。そのように脳髄を刺激する作品をわたしも書いてみたくありますが😊 SFの醍醐味ですよね。
    そしてエッセイを除いて初めて触れた関川作品でして、とても思い入れがあります。ワクワクしながら読んだことを昨日のように覚えております✨
  • 奥森さん、こんばんは!

    こんな話で良ければいつでも披露します。

    ライトなSFって個人的にすごく好きなんですよ。ハードなものももちろん好きなんですが、あまり難解な世界観のモノは苦手ですね(笑)
    ひと昔前のSFなんかがやっぱりいいなぁと。

    奥森さんの作風はシオドア・スタージョンあたりを思い浮かべますね、テーマがクッキリしている感じとか。
  • 関川さん、こんにちは!
    恥ずかしながらSFにあまり詳しくなくて、とても嬉しいお話しでした。
    今ちょっと雰囲気からと、アニメから入っているのですがやっぱりハードなものは難しいですね。
    昔のSFアニメの方が感触に馴染むなあと初心者は思っておりました。
    書籍も読みたいです。
    ご紹介頂いたシオドア・スタージョン手に入れて読んでみようと思います!
    ありがとうございます🙇‍♀️
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する