えー、なにを始めるかと言えば、ちと恥ずかしいのですが過去作品の自薦です。
要は完結作品の宣伝ですね。
しかしながらそれだけではつまらないので、コンセプトやテーマなんかも明かしていこうと。
すでに読んだ方は「ああ、そんなこと考えて書いてたんだ」と思っていただけるかと。
読んでいない方であれば「どれどれ、読んでようかな?」なんて気持ちになっていただければ嬉しいなと。
とはいえこのコンセプトなんかを披露するのはそれなりに恥ずかしいわけですね。
「あー、出来てないわ」とか「なんか自分で言ってて痛い感じ」と思われるかもしれませんので。
でもまぁ、そういう心配はさておき。
まずはちょっと始めてみようかと。
ハイ、長い前置きでしたね。
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ということで、初回は『モノノ怪クリニック』です。
これのコンセプトはずばり『連作短編』への挑戦でした。
実はこれまで短篇というのを書いたことがなかったんですね。
なんかコンパクトに物語をまとめる、というのがどうも苦手でして。
しかしカクヨムではけっこう短編から読まれる傾向があるようでして、これはやってみないといけないな、と思ったわけです。
とはいえ、ここで長編思考が頭をもたげまして……
「なんかシリーズ化した方が面白そう」
「せっかくだからアメリカのコメディドラマみたいに毎度同じパターンでやってみたらどうだろう?」
「それならわらしべ長者みたいな展開にすれば、次の話へのつなぎになるんじゃなかろうか?」
「短編だからオチは大事だよな。一話目が決まったから毎度コトワザオチを仕込んでみようか?」
などと制約を設けるようになりまして、やたらとハードルが高くなった作品でもありました。
しかも当時は連載と季節を連動させてまして、クリスマス編、正月篇と番外編的なものも書きました。
これがまた、短編単独で見ると納得の出来ではありましたが、長編のリズムを狂わせまして……
修正するのがホント大変でした。
しかしまぁ、苦労した甲斐があったのは確かです。
特に最終話の構成というか大団円エピソードではこれまで積んできたモノを一気にまとめることが出来ました。
なんというか構成の神が降りてきたというか、無意識に積み上げてきたものが組みあがっていく感覚というか。
最初からここを目指して無意識に積んでいたのかな? なんて思いました。
自分的にもお気に入りのエピソードの一つです。
ということで構成的にはなかなか面白いものが書けたのではないかな、と思っております。
それともう一つのテーマは『キャラクター』でした。
キャラクターに関しては『若君は吸血鬼』あたりから、意識して書くようにしていたのですが、ここではかなりパターンを試してから書き出しましたね。
山吹先生とクロコちゃんはその甲斐あって、なかなか皆さんに愛されるキャラクターになったのではないかと。
ということで『モノノ怪クリニック』
ワンパターン展開からの妙な長編構成、そして山吹先生とクロコちゃんの掛け合いの面白さ。
そんなところを楽しんでもらえるといいな、と思いつつ。
未読の方は是非読んでみてくださいね!