御子柴 流歌

　恋愛はよくわからないがティーンエイジャーとしては人並みの『欲』は持ち合わせている男子高校生・深沢蓮《ふかざわ・れん》は、高校デビューから1年経ってようやく合コンに誘われたものの…

　同級生に言われた一言で揺れ動き始めた恋心の行方は、きっと星空が知っている――。 　セナには小学校のころから仲良しの子たちがいる。親友のナミと、フウマとアストの男子ふたり。この…

　雪の降る海街・函咲市《かんざきし》に住む高校生・東雲夏月《しののめ・なつき》は、小雪の舞う日曜日の夕方に海を望む教会の近くでいつものその時分ならば鳴るはずのない鐘の音を聞き、そ…

小さなズレからすれ違いを生んでしまった春海《はるか》と夏純《かすみ》。 「別れ」というひとつの結論を出すことにしたふたりは、恋人同士としての最後の時間を過ごしていた。

大切な人の門出には、素敵な花束を贈ろう。 楽しいことも哀しいことも全部ひっくるめた、今までの人生を包み込むような、胸いっぱいの花束を贈ろう。 優羽花は大切な人へ、2度花束を贈っ…

【2023年7月28日 24時 第一部、完】 天使のようで悪魔のような少女は、冷たい夜空を見上げて涙を流す。 そしてごくごくふつうの少年は、夏の始まりを高らかに宣言するような陽…

とくに考えも無く、下書きも無く。 読まれることを一切企図していない、粗製濫造された文字列リスト。　 読む価値ですか？ それはみなさんが勝手に見出せば良いんじゃないですかね。…

ちょっとイイところにデートの予定。 でもウチの会社は服装自由。 さて、どうする。

草津孝介《くさつ・こうすけ》は、元カノの元カレの今カノである女・上野海結《うえの・みゆう》とオープンカフェで張り込みのようなことをしていた。そのワケとは、元カノと、その元カレの待…

徳大寺貴理華《とくだいじ・きりか》は普段は清楚可憐なお嬢様を装うが、その実態はただの恋多きワガママ娘。トラブルメーカーであり、周辺の男子達を巻き込んで仲間割れを引き起こす、サーク…

『7』。 5番目のトリボナッチ数、4番目のリュカ数、3番目のメルセンヌ数、2番目の七角数。 そして、正七角形は、折り紙による作図はできるが定規とコンパスでの作図ができない最小の正…

20XX年、突如現れたUFOによってすべての地球人は叛乱を受ける。 そう、『自らの中からの叛乱』を。

深夜のコンビニへの道中、待っていたのは和装の麗人。 しかもカノジョは「恩返しをしたい」と言ってきて――。 ――お持ち帰りは大事です。

整理されているように見えても、所詮は見せかけ。

※同題異話３月号「六花とけて、君よ来い」参加作品 URL: https://kakuyomu.jp/user_events/16817330653848994876

前時代的なネーミングセンスで『ハイパープレイクスルー』と名付けられた技術革新はこの世界を大きく変えた。 もちろん便利で安全になったとは言えるのだが、それは別の側面から見れば不便で…

大通沿いにあるこの古書店にはいつもコーヒーの香りが漂っている。 口数は多くないものの、人当たり自体は悪くない店主が煎れるコーヒーを飲みながら、今日も相談に来る人がいる。 そんな風…

堀島絢香は妹の香那美とともに、『夢』のようでいてそうではないような不思議な世界にいた。 ただただ真っ白な世界かと思いきや、突然現れたマリノと名乗る赤髪の青年が言う。 「ここは、…

白鳥鷲介はすっかり日課となっていたカノジョ・早乙女琴音との通話で、琴音の母親が再婚――というか復縁をすることと、その相手にもコドモが居て、しかも双子であることを知らされる。 さす…

――これは突拍子もない言葉から始まった物語。 いつもならどんなメッセージも既読無視する少女がスタンプを返してきた。 そんな事実が『会いたい気持ち』を増幅させる。 少女と知り合…

※2022.12.01 第1部・完！ ――『モテ期』は人生で3回訪れる。 そんな話を信じるのならば、俺――難波遼成の人生にはあと1回しかモテ期はやってこないことになる。 幼稚園…

※5月23日は『恋文の日』、そして『キスの日』。

自分とどこか似た匂いのする同級生と話したとき、少女はこのセカイから出て行きたいと思った。 当然とも言えるように、その口数の少ない同級生も話に乗る。 そうして迎えた決行の日の、その…

異世界で便利屋稼業のようなモノをする青年、リューギ（＝斯波竜義）。 彼の側には無愛想な猫がいる。 今回の依頼は政府機関も関わるネタ、しかも担当者が事務所まで来てくれるということで…

待ち合わせの場所は、駅前広場。 イルミネーションが光り輝く、人々が集う場所。 三者三様、待ち人たちの姿を雪は見ている。

発生からちょうど5年を迎えた事件の現場に訪れた警察官2名。 今更何が判ろうか――という気持ちも無いわけでは無いが、『ヤメ刑』の探偵ともアポを取って一応は調査を開始。 そんなとき、…

月と地球との間を往復する連絡船。一週間近くの長旅を支えるクルーのひとりとして船内バーで働く花岡小恋《はなおか・ここ》は、学生時代からの付き合いでひとつ年下の後輩である朝倉陽咲《あ…

きつねのなにかさん主催の令和二年十月企画（https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054922749492）に参加した作品です。 ※過去作…

波にたゆたうような感覚に身を任せている内に、目の前に現れたのは――。

街のスーパーの片隅に設置された証明写真撮影の機械。 大きな撮影機械の毒々しい見た目に吸い寄せられるようにやってきた人たちには、それぞれの命の証がある。

ともに帰路についている高校生のソウスケとカスミ。 雨上がりの水たまりを避けながら歩いていると、ふいにカスミが言う。 「この水たまりには、あなたの願望が映し出されるのです」 ど…

彼女には好きな風景があった。 自分をつくった原風景とも言えるその場所が大好きだった。 けれど、ある別離を経て、その原風景は色を盗られてしまった。 それ以来、彼女は。

　寂しげな顔をして部屋を出て行った彼女を、青年は追いかけることができなかった。 　部屋の窓辺ではサボテンがそんな光景を見つめている。 『KAC2020 ～カクヨム・アニバーサ…

いっしょに「船」に乗り込んだはずのアキラが不意にいなくなり、周囲を探すミツキ。 しばらくしてからようやく見つけたアキラは、窓の外を見つめていた。

恋人たちの願いを叶えるのも、同じように職人のお仕事……なんですけども。 やはりイベントには職人たちもガンバりたくなるらしいです。

「重大な発表がある」ということで大勢の記者が集められたのは、人里離れたところにある研究施設だった。 どうにも怪しげな黒服に身を包んだ研究者と名乗る男は、会見場に現れるなり、こう言…

片想い歴は2年と少し。想いが通じ合って3週間。 ちょっといい雰囲気になったところで、はじめてのキスを交わすふたり。 だけど、彼女は少しだけ微笑みを返して、呟いた。 「……レモンね…

アマチュアカメラマンである「ボク」は、この街最大の花火大会を写真に収めるために今年も空に向かってカメラを構える。 だけど、カメラを向けているのは、ただ空と花火とを撮るためだけでは…

気が付けば真っ白な空間に、たったひとり。 夢なのか、現なのか。 それさえもよくわからない、延々続いているような真っ白な世界。 ……一体何が始まるというのか。 いや、まさか。…

見慣れた仲間。見慣れた街。どれもが、見慣れた風景。 何でも、『3周年』なのだそうだが。 それにしてもそんな実感は、残念なことに湧いてこないのだ。 ……みなさんは、「積んで」いま…

少年は机に向かい、いつものようにペンを取る。 練り上げた言の葉を便箋に綴って……。 ※『カクヨム3周年記念選手権～Kakuyomu 3rd Anniversary Champi…

「そもそもな話だけど」と話を切り出した彼は、少し――いや、けっこう変わった人。 今日もまた妙な話を私に振ってくる。 そんな彼のことを私は……。 とか言う設定のお話って、どうでし…

僕は、密かに恋をしている。 いつも始発から2番目の駅から乗ってくるやや怜悧な雰囲気を持った女性に。 だけれど声を掛けられるだけの度胸も無い。またこのまま終わっていく恋なのだろう、…

「我らが演劇部には、少し変わった『台本』が受け継がれているんだ」―――― 入部まもなくの説明会で、たしかにそう教えられていたが……。

言の葉が導く、少し不思議な関係性。