小説には色々な面白さがあると思っています。情景描写が見事な技術力が高いもの、登場人物の心理描写が見事な入り込みやすいもの。本作を一言で表現するのなら、ネタ感が強くて読み終えた後になんだか知識がひとつ増えたような充実感のある作品です。だからと言って小難しい理屈はまったく出てきません。例えるなら感心してしまう落ちのある漫才とか謎かけみたいなものです。読んでしまうとこの作品の落ちを明日誰かに話したくなるような気分になれるでしょう。決して王道ではないかもしれませんが、こういうお話もアリだなあと実に感心させられることでしょう。
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