年末には少しだけ早いですが、振り返ってみたいと思います。
まず何より一番大きいのは、フェバル第一部が無事完結したことですね。12年も連載してきて、話数としても700話以上。自分でも本当によくやったよなと思います。
1章からは想像を絶するほど遠いところまできました。最初はほぼ一般人の強さで「いいこ」だったユウが酸いも甘いも嚙み分けて、世界を真に救えるような英雄になるまでをきっちり描き切りました。
ネット小説において、これほどのスケールでじっくり丁寧に成長過程を描くことは本当に珍しいのではないかと思います。おそらくは初期の読者の誰も想定していなかったところまで、旅は向かっていったのではないかと。驚いたでしょう?(ふふふ)
こういう仕掛けとか驚きを与えるのが物書きとしての醍醐味の一つだったりはしますよね。
まあ私自身、4章までの構想はそれとなく頭には描いてから書き始めたのですが、もちろんすべてが想定通りとはまったくいきませんでした。実際書き出してみると形にするのが本当に大変で、納得いくまで悩んだりもして、結局12年もかかってしまいましたね。
創作活動を通じてやっぱり嬉しかったのは、時間をかけて苦しみながら少しずつですが、自分の描ける表現が増えてきたことと、それに伴う小説としての深化であると思います。
現在は第二部である『青の旅人』も書き始めていますが、元々ああいう味のある話をメインにやりたかったのです。ですが、第一部を書き始めたばかりの頃では筆力が足りず、おそらく思うようには描けなかっただろうなと。なので比較的オーソドックスな話から始めて、ユウの成長と並べる形で自分自身も鍛えながら取り組んでいきました。
自分のように文才のない人でも、10年以上脳に汗を掻いて取り組めばそれなりにはなるようですね。もちろんまだまだ足りないところがあるので、これからも力を付けていきたいところです。
私生活の話をすると、マジで仕事が鬼のように大変でした。詳しくは言えないんですが、まだ出来上がってない業務を創り上げていくようなもので、色々な調整やら何やらでてんやわんやでした。
来年から同じ職場ですが新しい仕事に移る予定なので、そこでどうなるかわかりませんが、少しは楽になることを期待しています。
フェバルの話に戻しましょう。第二部では短編集『青の旅人』の雰囲気で物語が進行しています。しばらくは短編・中編集ということで、エピソードごとにキャラが切り替わったりで、どこからでも気軽に読める話が続くと思います(内容は気楽じゃないかもですが)
なんかねー、どうも作家性といいますか、能天気な話よりも重めな話を書きがちというところはあります。そういう要素が混じっちゃいますね。人生というものを戦いに見立てている部分があるのかもしれない。そこは味ということでご勘弁を。
第一部で散々苦労してきたこともあってか、当作者比でユウが滅茶苦茶強くてかっこいいです。これは描いていてテンション上がるし嬉しいですね。やっとここまで来たかと。今後の話も色々あるんですが、ここの強さとかっこよさに関しては裏切らないと思います。もうボロ負けする時代は終わったんだ。
で、おそらく向こう何年かはこの形式が続きまして、十分やったなと思ったタイミングで次のエレリア編に移ろうかなと考えています。
エレリアというのは最新話でもちらっと出てきましたが、ユウが一から立ち上げた星であり、組織のことです。ここの創世記みたいなものをやりまして、それから5章(畳むための話)に入る予定です。エレリアの話をやりつつ、従来の短編も気が向いたら挟んでいく形で続けていきます。
ところでお気づきかもしれませんが、このスタイルだと設定上、宇宙の星々は無数にあるので、いつまでも書けてしまいます。実際、私もいいネタができる限りは書き続けようかと思っています。
どこかで全体として一区切りは付けたいですが、マジで20~30年くらいは平気で連載続けているかもしれません。たくさん読めるね。やったね。
あとは、そうですね。第一部も終わったので、フェバルとは離れた新作もいつかやってみたいなとも思っており、たまに裏でひっそり考えたりはしています。これも何年先かわかりませんが形にできたらと。
創作期間も長くなってくると、どうしても読者も入れ替わったり離れたりしていきます。それは仕方のないことですが、やはり寂しいものですね。私は続けていきますし、ここにいますので、いつでもお待ちしております。
そして同じように寂しいのは、物書き仲間もどんどんいなくなってしまうこと。10年を超えて、この基本的には報われない厳しい創作の世界で、たくさんの時間をかけて書き続けていくことのいかに困難かということをしみじみと感じます。
数少ないですが、当たり前のように更新を続けている人を見ると「私も負けてられないな」と思えるし、何より安心できます。誰かにとって、私もそのような励みになる物書きでありたいと思います。
マジで一生ものの趣味として死ぬまでやっていくつもりなので、私の作品が楽しみだよって方、本当にいつ更新するのか不安定でそこは申し訳ありませんが、ぜひ気長に、人生の片隅に置いておいてやるかくらいの気持ちで付き合って下されば幸いです。来年もしっかり物書きしていきます。今年もありがとうございました!