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「読め」について

ちょっと読了感を損なってしまうのですが、感想で哀しい誤解も生まれてしまったので、一応ここでも弁明しておこうと思います。


まず結論から言ってしまうと、


この作品の主人公=作者 ではありません。


また、


この作品の思想=作者の思想 でもありません。


確かに発想の元には、自分が実際書いてる長編のことだとか、現状の寂しいことは念頭にはないわけではありません。

ただこれはそういう、書き手なら誰しも持ってしまうような、ちょっとした愚痴みたいなことを、もっと克明に切り出して醜く生々しく、けれどどこかアツい(気がする)ように描いてみたらどういう表現になるだろうかという「作品」です。

あくまで「そういう作品」なので、これを元に私の人格がどうこう言われてもちょっと困ってしまうのですね。

せっかくなので私のリアルスタンスも表明しておくと、まず私はプロフィールではっきり書いてあるように、そもそも趣味のためにやっています。

第一に自分の愉しみのために書いていて、読者の方はそもそもあまり意識して書いていません。売れるためにやっているのではありません。

あくまで私こういうの好きだけど、よかったらあなたもどうですかと。ここに置いときますよと。そのくらいのノリです。

ですので、そもそも読者に対してあのような過大な要求はしないです。シンプルに読んでもらったら嬉しいだけの人です。

またここが大事なところですが、作品と作者は常に切り離して考えるタイプです。これは作者自身と書きぶりや思想が最も接近するエッセイですら、そのように考えています。

ですから作品自体には、作者自身のリアルに考える「正しさ」や「主張」をあまり込めないことを大切にしています。

はっきり言ってしまうと、私自身に物語を通じて伝えたい主張はありません。描きたいことはあるのですが、「そうであるべき」「そうでなければならない」とは一切思っていません。

そう思っているのはすべて、キャラクターです。
この作品であれば、主人公です。私ではありません。

なんか嫌なんです。そもそも私自身の思想や正しさみたいなものを小説で押し付けることが。あまりにおこがましいので。

なぜならば。一度世に出してしまえば、本質的に私が読み方を指定することはできないからです。受け取り手がどう捉えるかは、すべて受け取り手の自由に委ねられています。それはあなたの権利ですから。

なので、ただ何がしかを感じて頂ければ。少しでも心を揺さぶり、人生において何かを感じてもらえることがあれば。その時点で、私の狙いはもう成功しています。

ただ何かを感じて欲しくて、私は物語を書いています。「読め」もです。

読者一人一人の感じてもらったことに、読者一人一人にとっての「真実」や「正解」があると、そう考えています。物書きなんて高尚じゃなし、そんなものでいいんだと思っています。

つまり究極のところは、私が「ここの主人公みたいな人」だと思われることもまた立派な一つの感想なのです。
私にそれを止める術はありませんが、まあ私も人間ですので、一応意思表明はしておきましょう。

もちろんこの文章自体、どう捉えて頂くかは自由です(オチ)。

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