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ホストみたいななんでも全肯定してくれる男に救われたいという人間は嫌

 わたしは甘々な台詞で包んでくれる男が嫌いです。

 全肯定してくれる男性に頼ることで救われたい、という姿勢は、表面的には優しさに包まれているように見えても、逆に自分自身の力や独自性を見失ってしまいそうな感じがします。

 自分の意思や感情を大切にし、自己成長や内面の強さを重視する。相手に対しても、ただ甘やかされるよりも、時に本音でぶつかり合ったり、時に厳しくても真摯な態度で接してくれる存在の方が、心の深い部分で繋がれる感じがします。そういった関係性こそが、より豊かで成熟したものだと思います。

 ミツルとヴィルの関係は、そんな感じです。もっともヴィルにとっての彼女は、最初は親友が残した大切な娘で、年齢差もあり、親のような目で見るしかありません。けれど、彼女の中に混在する大人の部分も感じ取っていて、酒を酌み交わしながら楽しめる相手でした。身体が成長するとともに、彼の意識も変わっていてきます。「そのうち、いい女になるさ」と冗談めかして言っていましたが、まさにその通りになります。

 身体と精神のバランスが取れてきて、ヴィルの意識も確実に変わっていきます。もっとも、その頃には、ミツルは世界を救った英雄として、グロンダイル家の復権と引き換えに爵位を受領してしまい、身分の差という壁が出来てしまうのですけど。

 辛い過去があっても、ホスト狂いや夢のような世界に逃げ込むことは、根本的な解決にはなりません。そういった現実逃避は一時的な慰めにはなるかもしれませんが、本当に大切なのは、自分と向き合い、困難に立ち向かうことだと思います。夢や幻想にしがみつくことより、問題と正面からぶつかって、自分を強くすることが大切。

 まあ、物語世界に一時的に浸るのは低コストで迷惑もかけないし、いいんじゃないけ? わたしは物語の中でも、そうそううまくいかねぇぞ、にしたいけどw

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