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茉凜の好きな台詞

「わたしはただ、死ぬなんてまっぴらごめん、ってだけ。弓鶴くんやみんなと、楽しい毎日を過ごしたいだけ。そのためなら、わたしはできることならなんでもする。それだけなの」

 茉凜の「死ぬなんてまっぴらごめん、ってだけ」という台詞には、彼女らしい天真爛漫さと、純粋で率直な生命力が強く表れています。彼女は深い考えを巡らせるというよりも、今この瞬間の幸せを求め、それを守るために何ができるかを直感的に理解しているキャラクターです。彼女の中で最も重要なのは、自分自身の生を守りながら、弓鶴や仲間たちと楽しい日々を過ごすこと。これは彼女の生存本能に根ざした、自然で素直な願いです。
 
 「できることならなんでもする」という言葉には、自己犠牲というよりも、積極的な生存意志と行動力が垣間見えます。茉凜はただ守られる存在ではなく、自分も何かを成し遂げ、仲間たちのために力を尽くそうとする強い意志を持っています。彼女は大きな責任を感じているわけではないにしても、彼女なりの方法で仲間を守ることが彼女自身の幸せにつながると感じているのです。

 茉凜にとって、自分が生き延びることは、弓鶴たちとの絆を続けるための必然です。彼女の生き方はポジティブで、何も考えずに突き進むように見えるかもしれませんが、そこには深い仲間への愛情と、幸せな未来を守りたいという純粋な願いが秘められています。


 つまり過去に囚われ、今を生きる事に価値を見いだせない、前向きにもなれない弓鶴と真逆の価値観の人物で、それゆえに茉凜は不思議な存在として映り、だんだんと惹かれていったということです。

 彼女は過去に囚われることなく、今この瞬間を大切にして生きることに意味を見出している。彼女の純粋な生き方は、過去の苦しみや悩みに縛られ、未来に希望を持てない弓鶴にとってはまさに「不思議な存在」と映ったのでしょう。

 茉凜の「今を生きる」という価値観は、弓鶴にとっては新鮮で理解しがたいものだったかもしれません。しかし、彼女が常に明るく、何事も前向きに捉える姿を見るうちに、弓鶴は少しずつその魅力に惹かれていったのだと思います。彼女の存在は、弓鶴にとって暗い世界の中で一筋の光のように映り、茉凜の天真爛漫さと無垢な生き方が、弓鶴の心をゆっくりと解きほぐしていったのではないでしょうか。

 また、茉凜の言動や価値観が弓鶴にとって心の支えになる一方で、彼自身が持つ影や葛藤は、彼女にとっても新しい刺激や学びをもたらしているのかもしれません。この対照的な二人の関係性が、互いにとって欠けている部分を埋め合うような魅力を形成していったのです。

「過去にとらわれるのではなく、今を大切に精一杯生きよう。希望を抱いて前を向こう」これがこの作品のテーマかも知れません。

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