ただのまどマギだったので没
あらすじ
この世界では異界から襲来する恐ろしい魔獣が存在し、その脅威に立ち向かえるのは「魔法少女」だけである。
物語の主人公は、ある日魔獣の襲撃に巻き込まれて瀕死の重傷を負うが、彼女の友人である女性が不思議な姿で現れ、魔獣を倒して救ってくれる。意識を失った主人公は、死んだはずが無傷で目覚める。
その後、主人公は異常な身体能力や回復力、そして黒紫の霧が見えるという異変に悩む。友人に尋ねてもはぐらかされ、疑念を抱きつつも答えは得られない。
ある日、再び魔獣に襲われた時、友人が「コントラクト・エクスキュージョン」と叫び、派手なコスチュームを纏って戦い始める。それが魔法少女の姿だった。
彼女は必死に戦うが、相手は強大で刃が立たない。窮地に陥った友人を助けたい一心で、主人公は「力が欲しい」と強く願い、内なる声の契約を受け入れる。こうして、主人公は規格外の力を持つ魔法少女として覚醒する。しかし、その選択は元の人生に戻れない、運命的な決断となる。
ネタバレ
主人公は魔法少女としての力に喜び、仲間と共に充実した日々を過ごす。しかし、徐々に自分の感覚が人間離れしていくことに気づき、特に食べ物の味を感じなくなる。質問しても、仲間たちは「魔法少女とはそういうものだ」と答えるだけ。
戦いが激化し、ある日、仲間の一人が「完全に停止」し消滅してしまう。友人は淡々と告げる。「内包する魔力が尽きれば、私たちの身体は消え去り、親しい人たちの記憶からも消える」と。
魔法少女システムは、魔獣の核である「魔石」を身体に移植することで成立する。適合できるのは10歳から18歳の少女のみで、しかも移植に成功する確率は非常に低い。
主人公を生き延びさせるため、友人は禁忌とされる魔石を移植し、魔法少女へと変貌させた。これによって命は救われたが、果たしてその行為は正しかったのか悩むことになる。
やがて、彼女たちはこの魔法少女システムの真実に辿り着く。身体が消滅し、記憶からも消え去るという絶望的な末路。逃れる術はあるのか。彼女たちはこの運命に抗い、戦い続けることを決意する。
魔法少女システム案(補足設定)
魔獣と魔石の関係
魔獣は「システム・バルファ」という、バルファ世界から異世界に放逐されたシステムが生み出した存在であり、魔獣の本質はかつて人間だった者たちの命が変質した尖兵である。システム・バルファは、異界からこの世界に影響を与え続け、人間の魂や存在そのものを利用して魔獣を生み出し、世界を侵食しようとしている。
魔獣の中心には「魔石」と呼ばれるコアが存在し、これは魔獣の力の源であると同時に、彼らを操るシステム・バルファとの接点でもある。この魔石を身体に取り込むことで、魔法少女として覚醒することができるが、その代償は非常に大きい。魔石はかつての人間たちの魂の残滓が封じ込められたもので、これを移植することで強大な力を得るが、同時にその魂を侵食し、人間らしさを徐々に失っていく。
システム・バルファと12体の代行者
物語が進むにつれ、魔法少女たちは真実に気づく。システム・バルファを打倒するためには、単なる魔石を使った魔法では不十分であり、「12体の代行者」と呼ばれる特別な存在と結合することが唯一の方法だということを知る。これらの代行者は、システム・バルファに対抗するために選ばれた精霊の器であり、結合することで魔法少女たちは更なる力を得る。
しかし、この結合は単に力を貸してもらうというものではない。結合することで、魔法少女たちは精霊の器そのものとなり、魔法少女の姿を保ちながらも、人間としての存在を完全に失ってしまう。これは、ミツルと彼女の剣「マウザーグレイル」に似た関係であり、魔石による一時的な力ではなく、精霊そのものを宿すことで真の力を得る形だ。ミツルとは違い、彼女たちは不完全なのだ。
救いの可能性と代償
12体の代行者と結合することで、魔法少女たちはシステム・バルファを打倒する力を手に入れる可能性がある。しかし、その道は非常に困難であり、成功しても人間に戻ることはない。彼女たちはこの選択を迫られ、究極的な犠牲を伴う戦いに身を投じることとなる。
このように、魔法少女としての運命は過酷であり、たとえ敵を打倒しても、失ったものは取り戻せない。しかし、それでも彼女たちは希望を見出し、システム・バルファとの最終決戦に挑む。彼女たちの戦いの先にあるのは、人類の存続か、それとも自己犠牲による終焉か――。
主人公たちを助けるゲストキャラ、ミツル・グロンダイルの役割
ミツル・グロンダイルは、その血統によって精霊の器として覚醒した特別な存在です。彼女は他の魔法少女たちとは異なり、人間としての機能を失わず、完成された存在です。そのため、魔法少女のように肉体や精神に限界を感じることはなく、強大な力を持ちながらも、人間らしさを維持しています。
彼女の力の源は、剣「マウザーグレイル」との結合にあります。この剣は、彼女が持つ精霊の器の制御機構であり、通常の魔法少女が持つ魔石を超越した能力を発揮します。マウザーグレイルは、精霊の力を制御し、システム・バルファを打倒するための武器として機能します。このため、ミツルは物語の核となる存在であり、**魔法少女たちの「希望」として描かれます。
また、ミツルは時と世界を渡るシステムを持っており、魔法少女たちが困難に直面した時、救世主として現れます。彼女は他の魔法少女たちに未来の可能性を示し、戦うための道しるべを与える存在です。
ミツルの運命
ミツルの運命は、リーディス王家の過去と深く結びついています。彼女の一族は、かつてシステム・バルファとの戦いで追い詰められ、禁忌である精霊の力を借りる選択をしました。その結果、彼女は代々精霊の器としての力を受け継ぐこととなり、強大な存在となったのです。
彼女の力と過去
演劇「扉を開けて」に登場するメイヴィスとウォルターという二人の伝説に隠されています。実は、この物語はバルファ世界に伝わるおとぎ話であり、メイヴィスとウォルターが手にした剣こそがマウザーグレイルだったのです。この伝説が示すように、ミツルの力は長い歴史と宿命を持つものであり、彼女の存在がシステム・バルファを打倒する鍵となります。
まとめ
ミツル・グロンダイルは、物語の中で特別な力を持ち、他の魔法少女たちに希望を与える存在です。彼女はシステム・バルファとの戦いにおいて、魔法少女たちを導く救世主であり、時を超えた使命を持っています。彼女の剣「マウザーグレイル」との結合により、精霊の器としての力を発揮し、システム・バルファを打倒するための存在として描かれます。
年増のおばさんとして登場するミツル・グロンダイル、まるで過去の壮大な戦いから一歩引いて、今は何人もの子供を育てる母親となっている姿が浮かびます。かつての精霊の器でありながら、家庭生活を送るミツルが、魔法少女たちに人生の知恵や暖かい母性を注ぐ場面も考えられます。
戦いの場では伝説的な存在だった彼女が、子育てに追われつつも、決してその力を失わず、時折、かつてのような威厳を取り戻して魔法少女たちを助けるというギャップが楽しそう。彼女が、「昔は私もそうだったよね」とか言いながら、ふと強大な力を見せつけるシーンなんかも印象深くなりそう。