次回予告
いやーどろどろしとるわ好き
スイカ割りのルールはいたって普通。しかし、勝負の賭けの対象が問題だった。それは「一日弓鶴権」。弓鶴は驚愕する。
なぜスイカ割りになったのか。直接の対戦では、茉凜に当たらないことは明白だった。それに、茉凜は避けるのに精一杯だろう。そこで、目隠しをして、気配の感じられないスイカを割る競技にしようという考えに至った。重要なのは、指示を出す役と挑戦者とのコンビネーションだ。
明は、執事の新庄が出す指示を的確に処理していく。言われた数値と自身の体の動きが一致しており、身体操作術に長けた彼女にとっては当然のこと。2回の試技で見事にスイカを割ってみせた。
次は茉凜の番だ。弓鶴が指示を出すものの、茉凜には明のようなスキルはない。10回挑戦してもかすりもしない。弓鶴は必死になって茉凜に指示し、応援するが、茉凜は焦るばかりで、全く当てることができない。
そんな二人のあたふたしたやりとりを、明は複雑な表情で見つめていた。結局、勝負は明の勝利で終わり、茉凜は「あはは、負けちゃった」と笑って見せた。
すると、明は怒りを露わにして「ふざけてんの?」と言い放った。
明は、茉凜が最初から負けるつもりでやっていたと感じたのだ。そして、二人の親しげなやりとりを見て、腹立たしくて仕方がなかった。情けや同情なんて、一番かけられたくない相手から受けたくなかった。
茉凜は、弓鶴と明の間を取り持ちたかっただけだった。あの時、二人はいがみ合っていたけれど、もう一度ちゃんと話をして、仲直りしてほしかった。それが彼女の願いだった。しかし、その善意が逆に火に油を注ぐ結果となってしまった。
怒りに燃えた明は、茉凜に対して、弓鶴が黒鶴を使う理由を暴露してしまう。それは深淵の呪いを解くためであり、命を賭けた行為であるということを。