• 異世界ファンタジー
  • 詩・童話・その他

【魔導士物語】第四十三話「歓迎」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330668389281018
そんなわけで、第四十三話です。

この世界にはいくつかエルフのコロニーがあり、その中でも西の森は最大の規模となっています。
御多分に漏れず、エルフたちはたびたび怒る時空震によって、幻獣界から飛ばされてきた者の末裔です。
ただ、この世界にもオリジナルのエルフは存在していたらしく、彼らはかなり昔に滅びたとされています。

エルフは気位が高く、他種族を見下す傾向があります。
それが顕著に表れるのがドワーフに対する態度で、精霊に極めて近いエルフは異常に穢れを忌避します。
ドワーフは穢れの温床と見做される地中に暮らしているため、自然にエルフは彼らを見下しています。
ドワーフの方もそれを感じ取っているので、エルフに対する反発が大きいのです。

ただ、この二種族は互いに補完する関係にあります。
エルフは美的なもの(宝飾品)や、優れた武器を好みますが、それを造る技術を持ちません。
ドワーフはそうした技術を持っていますが、ミスリルに代表される魔力を帯びた鉱石を見つける手段を持っていません。

エルフはそうした魔法物質、金や宝石を産出する鉱脈を見つけることができ、それをドワーフに教える代わりに、彼らが生み出す武器や宝飾品を得ています。
両者は反発しながらも交流せざるを得ず、その中から個人的な付き合いを深める者が出てきます。
エルフの偏見とは裏腹に、ドワーフも精霊の加護を受けた種族なので、実際に付き合うと意気投合するする者が出てきます。
どちらの種族も善のカルマを持っているので、意外に仲良くなりやすいのです。

寂寥山脈のドワーフ族と西の森のエルフ族は、居住地が隣接していることもあって、かなり友好的な付き合いをしています。
エルフたちはドワーフ製の武具や宝飾品の他、家具や陶磁器といった生活雑貨の製造も依存しており、ドワーフ側も自分たちで対処できない病気や大けが(岩盤崩落や大火傷など)を、エルフの治癒魔法で救ってもらっています。

また、エルフもドワーフほどではありませんが、酒が好きですw
自分たちで果実酒を造るのですが、ウィスキーのような蒸留酒はお手上げです。
寂寥山脈のドワーフは人間とも交流があるので、彼らを仲介としてエルフはいろいろな酒を手にすることができます。

さて、今回からはアッシュとの謁見です。どうかお楽しみに!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する