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【魔導士物語】第三十話「魔龍」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330666384500984

そんなわけで、第三十話です。

今回はドワーフによる状況説明です。

ドワーフたちの元の世界(幻獣界)では、魔物が多数存在しています。
彼らの多くは地下深くに閉じ込められていますが、たまに地上に出て生物を捕食したり、都市を破壊して暴れます。
この被害をもろに受けるのが人間族です。
人間はユニたちの世界ほど数は多くなく、また文明もあまり発達していません。
その代わりに身体は強靭で、それなりに強い種族です。

こうした時、ドワーフは人間に武器や防具を売って、大いに儲けるのですが、魔物が地上に出る原因の多くはドワーフです。
さすがに悪いと思っているのか、ドワーフは地下を掘る時にいろいろ気を遣い、魔物を避ける努力をしています。

地下は死者の世界で、瘴気に満ちていると信じられています。
この瘴気に穢されると、理性を失って人食いの魔物に変容すると言われています。
そのため多くの生き物、特に精霊族は地下を忌避する傾向があります。
ドワーフだけは、大精霊ノームの加護のおかげで、穢れに強い抵抗力があって魔物化することはありません。

ドワーフはある程度の魔法を使えますが、いくつかの生活魔法を除くと、武器や防具に呪文を刻み、そこに魔力を封じ込める魔法に特化しています。
呪文を刻んだだけでは、そこに魔力を流し込まないと魔法効果が発揮されないので(←ここ、何気に重要)、汎用武器とするにはこの魔力封入が必須となります。
ところが、ドワーフは種族的にあまり魔力量が多くありませんので、魔法効果は限定的なものとなります。
しかも、封じ込めた魔力が尽きるとただの道具に戻ってしまうので、使用回数に制限があります。

エルフの祝福は、ドワーフの刻んだ呪文に膨大な魔力を上書きして封入するものです。
魔法効果が段違いに強力になり、使用回数も無制限に近くなります。
ただ、エルフ自身は弓を除いた武器や防具を作る技術を持っていません。
ミスリルなど希少な鉱石の存在を感知することもできるのですが、自分たちがそれを掘り出すことはしません。
前述のように、地中の穢れを忌避するためです。

そのため、エルフはドワーフを利用せざるを得ません。
エルフは地中に棲むドワーフを軽蔑し、嫌悪を抱く傾向がありますが、それが偏見であることも理解しています。
したがって、エルフとドワーフは表面的な友好関係を保っており、個人レベルでは強い友情を築くこともあります。

さて、魔龍との絶望的な消耗戦を行っているドワーフに対し、ユニとエイナ、シルヴィアの三人はどう対応するのでしょうか?
どうか次回をお楽しみに!

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