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【魔導士物語】第三十六話「憧れ」を掲載しました

そんなわけで第六話です。
いつもどおり朝に更新できませんでしたが、ひとえに家庭の事情という奴なので、どうかご勘弁ください。

吸血鬼の館は、伯爵の張った結界で守られています。
この結界は、一つには外から洞窟の入口を隠す幻影を見せる作用があります。
もう一つ、重要なのは文字どおりの結界で、魔導士が使う物理防御障壁のような存在です。

「いや、待てよ。プリシラたちがエイナを探しに来た時は、普通に入れたじゃないか」
とお思いでしょうが、それは伯爵が許可をしたからです。

伯爵は眷属たちに命じて、館の周囲を監視させており、プリシラたちの接近に気づいていました。
彼女たちがエイナの仲間であろうと予想した伯爵は、わざと結界を通したのです。
それなのに、眷属の一人に迎撃させた(というか、あれはタケミカヅチが問答無用で攻撃したせいなのですが)は、相手の戦力を確かめるための茶番です。

伯爵は生贄を提供する多くの契約者を持っていますが、その最大の得意先は帝国です。
そのため、彼は帝国の内部事情に詳しく、当然有名人であるマグス大佐のことを知っています。
もし、プリシラたちが戻ってきて、大佐がそれを追いかけてきたら……。
「あの頭のいかれた女(質が悪いことに滅茶苦茶強い)が館で暴れたら……」
賢明な伯爵が、結界を閉じてプリシラたちを拒否したのは、無理からぬことでしょう。

マグス大佐の爆裂魔法は、当初は詠唱に三十分くらいかかっていました。
それが「幻獣召喚士」の頃は十五分程度になり、さらに現在は十分を切るようになりました。
ちなみに最初の頃は、爆裂魔法を撃つと魔力切れを起こし、動けなくなりました(まさにめぐみん状態です)。
今は爆裂魔法を撃った後でも、ファイアボール程度(十分高度な魔法ですが)なら、平気で何発も撃ってみせます。

なんかエイナは、そんなマグス大佐を憧れの目で見ているようですが、危険な兆候ですねw

次回をお楽しみに!

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