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【幻獣召喚士3】第四十七話の補足

 昨日、無事完結した「幻獣召喚士」シリーズですが、完結効果でアクセスがぐんと伸びていますw

■レテイシア女王が、マリウスを参謀副総長の首席に据える人事に協力する引き換えに、彼の身柄を要求したというのは、当然ですが表向きの話で出来レースです。
 帝国人で、しかも若く、これまで軍人ですらなかったマリウスですから、当然軍の反発を招くことは必至です。
 四帝はある程度マリウスのことを知っているので、そう心配はいらないのですが、各軍の古参将官たちにとっては、ほとんど未知の人物です。
 ですから彼らを納得させるには、マリウスと直接会わせることが最も効果的だと、アリストアとレテイシアは考えました。

 魔導士は頭がよくなくてはなれない存在です。常人離れした記憶力、理解力、計算能力を持っています。
 マリウスはその中でも「天才」と呼ばれた男ですから、ある程度人を見抜く能力がある者なら、会って話をするだけで「こいつはただものではない」と気づくだろうということです。
 単純にマリウスが新米の参謀として反対者を訪ねても、そもそも会ってもらえるか保証がありませんが、女王の使者という体裁を取れば、絶対に会わなければなりませんし、ぞんざいな扱いができなくなります。それを考えての「女王付き」だったのです。

 おまけに、マリウスは自分が軍を掌握した暁には、女王と手を組んで軍を今の倍の規模に拡大する――という〝餌〟をちらつかすことができます。
 あらゆるお役所は、自分たちの勢力範囲を拡大することに対し、異常な執着を持っており、それは軍であっても変わりありません。これは大きな説得材料となります。

 一方、マリウスと女王が目論むもう一つの改革、軍に魔導士部隊を導入する件は、平時であれば抵抗が大きかったと思います。
 しかし、運がいいと言っては不謹慎ですが、ちょうどマグス大佐の帝国軍が侵攻し、黒城市が落とされるという大事件が起きてしまいました。
 この際の帝国魔導士の威力、特に物理防御魔法を使われた場合、王国軍は手も足も出ない状態でした。
 これは王国軍にとって衝撃的な出来事で、各軍団でも一気に危機感が高まっていたところでした。
 そのため、この魔導士部隊創設の話も、交渉材料の一つとして有効に使えたのです。

 マリウスはずる賢いので、将官や佐官といった軍団幹部に対し、
「帝国軍では、一般兵に比べて指揮官級の将校の生存率が、異常に高いことをご存知ですか?
 あれは、各大隊に配属された魔導士に、指揮官を魔法で守らせているからなんですよ」
と囁くことを忘れませんでした。

■アスカの娘・セシルは、エマとゴードンの願いも虚しく、母を凌ぐ大女に成長します。
 二メートルを超す身長と分厚い胸板、母から譲り受けたプレートメイルを着装し、「王国の怪女」として恐れられる存在となります。
 一方、ロゼッタの息子・アレクも、父親譲りの才能を発揮し、新興のボルゾフ家に押されていたファン・パッセル家を、王国最大の豪商に復活させます。
 この二人は、次世代の王国の中心人物として活躍するのですが、果たしてそこまで書けるかどうかw
 ちなみにフェイは、蒼城市で医師として開業しますが、軍の嘱託医も務めることになります。

■長くなりましたので、今回はここまで。
 次回は今後の予定について、今時点で決まっていることをお知らせします。

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