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毎日書くこと。

小説は毎日書くようにしています。

吉本隆明が、10年毎日同じことやってれば絶対食えるようになるよ、と言っていたのを真に受けているから。
2015年9月から書き始めたので、もう7年半くらい書きつづけています。
別に小説で食っていこうとは思っていないけれど、ようするに一人前になれるということでしょう。
人生のなかでひとつかふたつは一人前と呼べるものを持てたらいいなあ、と思っています。

毎日の執筆時間自体は短いです。30分とか。忙しいときは15分くらいで済ませてしまうこともあります。
吉本さんも、1日あたりの時間は短くても問題ないよと言っていたし、良いことにしよう。
横尾忠則も、大事なのは時間ではなく回数だと言っていたし、偉人たちの言葉は自分に都合のいいように理解しよう。

似たような話で、10,000時間理論というのもありますね。10,000時間やれば必ず一流になれるとかいうやつ。
でも、ちょっとちがう話なんじゃないかなあと思っています。

毎日書いているといろんなことを考えます。
小説の傍で仕事も生活も社会情勢もちょっとずつ変化していきます。
そうした諸々の変化が小説を書くという営みに溶け込んでいって、書き方が変わっていきます。

10,000時間は毎日10時間を3年続ければ達成できるけど、毎日10時間もやってたら、小説を書くことしかできないですよね。
生活も、他の仕事もできないで、ただひたすら書くだけ。
スキルは上がるもしれない。でも、スキルばっかり向上したって、だからなんだっての? という感じはする。
ナントカ賞とかカントカ賞とかは取れるのかもしれないけど、そんなご立派な小説なんて読みたくないよ。

毎日書いてると飽きます。
小説という保守的で時代錯誤なメディアに嫌気がさすこともあります。
自分に小説の才能なんてないことはとっくの昔に気づいてます。
でも書くのです。
すると、小説とのあいだにちょうどいい距離を取ることができます。
小説なんてたいしたことない。ラムラーナの実況動画でも見てた方が楽しいよ。
でも、毎日書きます。
10年まで、あと2年半。

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