【あとがき】
AIと人間の共生、という言葉は便利です。
けれど、共生とは、ただAIを導入することでも、人間がAIを使いこなすことでもないのだと思います。
どこまでをAIに任せるのか。
どこから先を、人間の判断として残すのか。
そして、その判断を支えるだけの余白を、現場に残せるのか。
この話で描きたかったのは、そこでした。
AIの判定は、同じように画面へ表示されます。
けれど、それを「閉じる理由」にするのか、「開ける合図」にするのかは、AIだけでは決まりません。
制度が決めます。
組織が決めます。
そして最後には、人間が決めます。
不明なことを、患者側の不足として扱うのか。
それとも、支援が必要な状態として扱うのか。
その違いだけで、同じ入口は閉じもするし、開きもする。
近い将来、こういう分岐は、医療現場だけでなく、いろいろな場所で起こるのだと思います。
そのとき、私たちは効率だけでなく、余白をどう守るかも考えなければならない。
そんなことを考えながら、この話を書きました。