昼間にバスケを見に行って、夜は人狼会に行ってました。
そんな昨夜の帰り道。駅の構内で終電を待っていると、となりのベンチでケロケロと吐いている若い男性と、そんな彼氏を介抱している女性を見かけまして。
『あらー。飲み過ぎちゃったんやなー』と思った私は構内にある自動販売機で水のペットボトルを買いました。ちょうど、そのタイミングで彼女さんは改札の方へ走って行きました。何らかの使命感のような空気をその身に纏って。
私はペットボトルを持って男性の傍らへ行き、それを彼に渡しました。「酔い過ぎた時には水を飲むのがいいですよ」と言いながら。そして、バスケの会場でグッズを買った時のビニール袋を彼に差し出して、「電車内で吐くのは不味いから、車内で吐きたくなったら、この中に吐いた方がいいよ」と言いました。
彼は「ありがとうございます」と言ってその水を飲んで、ぐったりしてました。
程なくして彼女は帰ってきて、『後で掃除するから大丈夫だって』と彼氏に報告しました。どうやら、迷惑をかけたと駅員さんに報告と相談に行ってたのでしょう。真面目で気のいいカップルに違いありません。
すると、彼女はペットボトルの水とビニール袋に気がついて、それを彼氏に尋ねます。彼氏は「となりの人にもらった」と答えます。彼女は「となりって、どっち?」と首を左右に振ります。
横目で二人を見ていた私は、おずおずと「血中アルコール濃度を下げるのに水を飲んで下さい」と、二人に言いました。
彼女は何度も頭を下げて、その水の代金を出そうと財布を開けましたが、私は「いいよいいよ」とそれを固辞しました。
「誰もが通る道だからね」と、私は彼らに笑顔を向けて「車内で吐きたくなったら、袋にするんやで」と言うと、「いえ、この駅なんです。この駅まで帰ってきて、我慢できなくなったみたいで」と返ってきました。
「ああ、それならよかった」と、『いらぬ世話だったかな』と思いながら、ちょうど来た電車に乗りました。
『それなら、そのビニール袋返せ』って言うのはダサいなと思いながら、『銭湯に行くときに、あのハンナリーズのかわいいビニール袋は重宝するねんけどな』という思いを少し生みました。小さいなー、オレ。
もちろん、そんな事はおくびにも出さずに別れましたが。