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『いつかヘリアンサスに誓って』完結

『いつかヘリアンサスに誓って』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894722551
本日完結いたしました。

8ヶ月に渡り書いた24万文字。なんとかここまで持ってこられて安堵しております。
8月末から心身の調子を崩してしまい、7章は手を抜きろくな推敲もせずに出してしまいましたが……ここはいずれ直すと割り切って(内容は変わりません)、定期更新&完結を優先させました。
その所為で有終の美とはいきませんが、最後まで楽しんでいただけたなら、作者冥利につきます。

本編はここでいったん完結となりますが、要望もあって後日譚を書くつもりでいます。
結婚し、子どもが生まれてしばらくしたあとの二人の様子を描くつもりです。
ただ、今下がっているモチベーションを持ち直してから手掛けるつもりでいますので、今しばらくお時間をいただきたく思います。


さて、魔法師学校編に続きまして、残りのキャラについて少々語りたいと思います。
結末までのネタバレ有りです。ご注意ください。

○グレアム・アクトン
原案者様のアイデアを見て、他の女性に気を取られ婚約解消の原因となる側でありながら、主人公として読者の皆様の好感を得て、ヒロインとの復縁を可能にするためには、真面目で堅物でなければ成り立たないだろう、と思いました。私の中でのキャッチコピーは「脳筋魔法師」。でも結局インテリ部分が抜けず、脳筋感は出せませんでしたが。
頭は良いですが、なんでも努力で解決しようとするところがあり(この辺が脳筋)、その所為でいっぱいになって爆発してしまった、というのが本作の序盤〜中盤の展開。不器用な生き方をすることになった子です。
でも、人となりは悪くなかったため、一部を除きますが、周囲には恵まれました。おかげで復縁もすんなり認められ、順風満帆な未来を歩んでいくことになります。

○ジュディス・ウェルシュ
病弱ゆえ溺愛された末っ子ゆえ、我儘で甘えたところがあったヒロイン。上記の通り主人公の好感を維持するため、彼女にも少なからず悪いところがないと、と思ったらこうなりました。
グレアムがらみでは足踏みしましたが、じつは結構行動力があります。病気の所為でなかなか実行にまでは至りませんでしたが、猫化を続けたことにより自分に負担が及ばない程度の魔力コントロールの術を得て、現在ではある程度克服できるようになりました。その結果、ラストでは無理無茶を通すような行動をするように……。
グレアムの抱えたものを知って、察してちゃんだったところも更生されはしましたが、それでも本質は変わりませんでした。グレアムはまだジュディスの行動に頭を抱えることになります。

○ディック・ウェルシュ
妹溺愛お兄ちゃん。作者としてはそのつもりはなかったのですが、悪役ポジションとなってしまいました。
妹を思っての行動が裏目裏目に出てしまったのが原因かと思いますが……。
でも、一部誤解はあったとはいえ、〝妹の病状を長いこと気遣う様子がなかった挙げ句、他の女にうつつを抜かした男〟と別れさせようとするのは、家族感情としては当然なのではないかなと思っています。
印象を変えることができなかった、心残りのある子です。
ところで結婚はいつするんだろう……。

○ロデリック・ディラン・クラエス
ジュディス側の当て馬として、登場した彼。最後まで報われず、不憫な立場となってしまいました。陰謀ものではないのであまり書きませんでしたが、政治面でも魔法師院の理事としても立派な王太子様です。
あまり上手に語れませんでしたが、彼がここまでジュディスに執着するようになった理由は、王太子妃シャルロットにあります。恋人と悲劇的な別れをした彼女の恋愛論に毒された結果、一度気にかけたジュディスを〝愛〟の対象として選んでしまい、そばに置こうと必死になりました。が、肝心のジュディスが行方不明となったため、気持ちを伝える機会に恵まれず、想いは一方通行のまま、グレアムに否定される最後となりました。

○トラヴィス
グレアムの親友その一。人望を失うグレアムですが、それでも悪い奴ではないのだと、それを証明するために用意した人物です。
グレアムと口喧嘩させるために、いい加減な性格になりました。その一方で、暗くなりがちな本作の雰囲気を持ち上げるムードメーカーとしても役立った彼です。
彼の会話を書くときが一番楽しかった。

○マシュー・ユラン
グレアムの親友その二。何も知らぬトラヴィスと違い、悪評を知った上で最終的にグレアムと仲良くなる人物です。
グレアムとの絡みはトラヴィスのほうが多いですが、要所要所で重要な役割を果たしてきました。
忘れがちですが、本作初の平民魔法師。魔法師学校編で出せなかった貴族と一般階級との確執を少し語ってもらいました。

○メイリン&リチャード
グレアムの監督役となる先輩方。魔の森での生活実態を語らせる役目を果たすのと同時に、グレアムが立ち直るきっかけを与えた人たちです。メイリンはお気に入り。
恋愛に絡まなかったので本作では省略しましたが、トラヴィス・マシューも交えて、魔の森での三年間はいろいろありました。


キャラ語りは以上です。

連載当初より長いことお付き合いいただきました皆様、本当に本当にありがとうございました。
特に、いただいた感想・評価は大変励みとなりました。
ここまでのお付き合い、誠に感謝いたします。

また、ご縁があればよろしくお願いいたします。


―・―・―・―・―


◎完結
『いつかヘリアンサスに誓って』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894722551

◎連載中
『天の墜ちる世界で』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891362631
毎月26日、断章(番外編)更新。

2件のコメント

  • ヘリアンサスの約束を思い出した、そして再び一緒になる約束を交わしたけれど。
    最後にきちんと形で表したグレアムの生真面目さが素敵でした。
    最初はこの生真面目さが確執を生んだというのに……絶妙です。

    この作品は恋愛物語ですが、主役二人がおままごとのような婚約関係から一度それを断ち切り(断ち切られ)、それぞれが成長して本物の番になるまでの成長物語かな、とも思えました。
    後日談もあるとのこと、楽しみにしています。
    8カ月に渡る連載、お疲れさまでした。
  • >加瀬様
    コメントありがとうございます。

    真面目であることは良い事、けれど間違わないわけではない。本作では、そういうところを盛り込みたかったというのがあります。
    でも、間違えても真面目にやっていれば救われるよ、とも。
    きちんとしていれば、意外に周りは見捨てないものです。

    今回、二人は婚約段階と結婚の一歩手前状態でいたわけですが、結婚後のマンネリ状態の夫婦をイメージして書いていました。婚約という、一見不動の状態に甘えていたらいつか関係が破綻すると、二人がそれを悟るまでの物語ですね。
    後日談では、その教訓を得た二人がどのような人生を送っているかを描きたいと思います。

    長いことお付き合いいただき、ありがとうございました。
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