こんにちは、三浦常春です。
改めてこれまでに投稿してきた作品を紹介しようと思います。
第1弾は『竜の瞳の行く末は』。
魔族の少年がゆくハイファンタジー冒険譚です。
Web投稿初期から長らく連載を続けている作品で、2022年2月で4周年を迎えました。
三浦は『デルトラ・クエスト』(作:エミリー・ロッダ)が大好きなもので、かなり参考にした部分があります。
『デルトラ・クエスト』は、8巻(第2,第3シリーズを含めると計15巻)から構成されている作品です。
簡単に言ってしまえば、ぶっ壊された聖なるベルトを治して悪の大王を倒すぞ~~!!! というお話なんですけど、これのおもしろいところが、
・各巻ごとに舞台となる町(もしくは地方)が異なる
・舞台とともに登場人物(主要キャラ以外)もほぼ一新される
・各巻ごとにテーマがあり、当該巻内において解決される
という点です。
なかなかイメージがしづらいかと思いますし三浦の説明下手感が否めないのですが、各巻ごとに「締め」が設けられている点は、大長編を連載するにあたって参考になりました。
各町(もしくは地方)を舞台に問題を解決していく。その結果、物語全体の「目標」への手掛かりを見つける……。
こうして書き出してみるとよくあるパターンですよね。
冒険ものやファンタジーに限らず、さまざまな「物語」が連想されると思います。
大長編となると、『デルトラ・クエスト』のような形がめちゃくちゃに合っていて、物語の目的を見失うことがない上にさまざまな場所を訪れるので、景色に“飽き”がこないという強みがあります。
また、「もっと続けたいな~~!!!!!!!」ってなった場合に修正しやすいのも、Web小説ではメリットかも……?
◆◆あらすじ◆◆
「世界を救う神器〈兵器〉を探せ」
一国の王から命じられた魔族の少年リオは、相棒のカーンとともに世界をめぐる旅に出る。
砂漠の港に始まり、魚人族の住まう海底の王国、工業の盛んな都市、魔術士を育てる学園……。
さまざまな場所を巡りながら、仲間と〈兵器〉への手掛かりを集めていくリオたち。
その中で、リオは過去の因縁と出会う。
人神戦争。
50年前、人間族と神族との間に巻き起こった、策略に満ちた戦。
あるものは言う。「再び50年前がやって来る」
あるものは言う。「祖父の、英雄の仇」
あるものは言う。「ともに覇権を取り戻そう」
旅の終焉にあるのは戦か、それとも平和か。
神器は『救い』をもたらすのか。
◆◆登場人物◆◆
●リオ
種族:魔族
・主人公
・希望をもたらすとされる神器〈兵器〉捜索のために旅に出た。
・魔術の知識が豊富で、魔術専門の学校で教鞭を執ることも
「見た目は10歳かそこら。魔術を成すにはあまりにも若すぎる。けれどもそれは『見た目』の話。彼はよく似ているんですよ。50年前、かの戦争で我々を救った魔界の王に」―砂漠の港に住まう老婆の話
●カーン
種族:魔族
・リオの「従者」を名乗る男
・真面目な性格で、リオの安全を第一に考えている
・リオ様しか勝たん
「あれほど主人思いな従者もおるまい。朝から晩まで、なんて騒ぎじゃない。四六時中、一秒一寸絶えず気を張っているんだ、いつかプツリと切れてしまわないか心配で仕方ないよ。いったいあれは何に怯えているんだろうね?」―赤髪の戦士の話
●ニーナ
種族:獣人(オオカミ族)
・労働力もしくは毛皮(※)として売りに出されていたところをリオたちに保護される
・故郷に戻ることを夢見ているが、種族の秘匿性と彼女自身の地理のなさゆえに頭を抱える結果となっている。曰く、「煙を吹く山」と「変なにおいのする川」が近くなのだとか。
※オオカミ族をはじめ、一部の獣人がまとう毛皮は「毛皮」として取引されているようだ。
「獣人の連中はいいぞ。獣と違ってちゃんと話を聞いてくれる。座れと言えば座るし、動くなと言えば動かない。声だって抑えてくれる。命を奪われない上に金だって貰えるんだ、向こうにとっても悪くない話だろう」―とある善良な商人の話
●オルティラ・クレヴィング
種族:人間族
・旅の途中に出会った女戦士で、背丈ほどの大剣を振り回す
・カーンにちょっかいを出しては冷たくあしらわれている。全くもって解せないがオルティラ本人は楽しんでいる様子
・万病を治す秘薬〈天使の羊水〉を探している
「一見すると乱暴ですが、彼女はよく考えておられる。いかに敵の目を奪い、いかに欺くか。一対一以上に、団体戦において彼女の真価は発揮されることでしょう。……見習わなければ」―槍使いの傭兵の話
●エギル・ザックハート
種族:人間族
・魔術士を育てる学校「ツィンクス魔術特育校」に通う学生
・故郷に古くから根付く弱視を患っているが、学校入学に際して故郷の村から贈られた眼鏡で補強しつつ暮らしている
・悪魔信奉者
「ただの人間族。舐めてかかった者が戻るところを、我は見たことがない。この青年も、きっとその類なのだろう。見紛うはずがない。半濁の瞳に宿る野心、あれはかつて『偉業』を成し遂げた少女のそれだ」―傾国の男
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物語全体を通すと、もっとたくさんの登場人物がいますが、今回は主要人物の紹介に留めておこうかと思います。
要望があれば全キャラクター一覧みたいなものを作ってみてもいいかもしれませんね(世界観含めて資料集を作ろうとして頓挫した人)。
「キャラ多すぎて覚えきれん!!!!!」という方にも安心してお読みいただけるよう工夫をしていますが、配慮の届かない場所もあるかと思いますので……( ;∀;)
◆◆コンセプトとかなんかその辺の話◆◆
『竜の瞳の行く末は』は、もともと「魔族の王」と「人間族の勇者」の二人がくり広げる冒険ギャグファンタジーでした。
『戦勇。』(作:春風ロビンソン)をご存知の方は、あんな感じをイメージしていただければだいたい合ってます。
四コマ漫画風のテンポで、不謹慎ながら愉快な話がポンポン続く……そんな構想でした。
しかしながら三浦の戦場が「小説」であったことから、あまり向いていないのでは? と思い、まずは「ギャグ>冒険」から「ギャグ<冒険」へとシフト。
次いで、「人間族の勇者」の「子供」と旅路をともにするのも「魔族の王」からしてみれば意味分からなくて導入としては悪くないのでは? という発想が生まれ……。
紆余曲折の末、「魔族の王」だけが旅に出て、「人間族の勇者」は思い出の中に取り残されることになるのでした。
ちなみに、構想初期から練り練りされたいくつかの要素も『竜の瞳の行く末は』には受け継がれています。
「人間族の勇者」は英雄ユリウス・ルットマン。
「人間族の勇者」の「子供」は、少し関係性が変わってアロイス・ルットマンへ。
そして、「魔族の王」はリオへ。
初期からほとんど立ち位置が変わっていないのは「魔族の王」だけですね。改めてびっくりしちゃいました。
物語自体のコンセプトは、ギャグ要素がポロリしたくらいであまり変わっていないですね。
どちらかといえば現在はシリアス路線? 真面目なお話? がそこそこ続きますが、リオ自身にちょっとだけお茶目な部分が残っているのは、前世(最初期)の名残かもしれませんね。
◆◆構造の話◆◆
さて。『竜の瞳の行く末は』が『デルトラ・クエスト』に影響を受けていることを冒頭でもお話しましたが、それについてももう少し触れさせていただこうと思います。
『デルトラ・クエスト』は各巻ごとに舞台となる町や地方が異なるのですが、『竜の瞳の行く末は』では各章ごとに変化していきます。
第1章 ヴァーゲ交易港
第2章 海中都市オロペディオ
第3章 工業都市グラナト
第4章 ツィンクス魔術特育校
第5章 人形の町(※執筆中につき未公開)
それぞれが書籍1冊分(10万文字くらい)になるように書けているので、書籍になる場合には各章ごとにまとまる予定です。推敲や後日談や短編などを収録すれば、何となくいい感じになるんじゃないかな~と思っています。
でもせっかく作るならB6とかのサイズがいいから、それだと文字数が足りないかもしれないな……厚いの作りたい……。
話が逸れました。
上に並べた章の名前を見ていただけるとお察しいただけるかと思うのですが、各章ごとに舞台が一新されています。それと一緒にテーマや登場人物も変わっていく、という構造になっているので、どこからお手に取っていただいても楽しめる内容になっているんじゃないかな~と思います。
簡単あらすじも記載しておきますので、こちらもよければ参考にしてみてください。
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・第1章 ヴァーゲ交易港
砂漠の貿易港が舞台。心優しい一家に一晩世話になるリオ一行。早朝に飛び込んできたのは、家主の知り合いが砂漠に行ったきり戻らないという知らせだった。
・第2章 海中都市オロペディオ
上半身は人間、下半身は魚という容姿を持つ魚人族と、彼らが住まう住まう海底都市が舞台。海の神を復活させてほしい――王の懇願を快く受け入れるリオ。しかし王の思惑を是としない者たちが現れ、あわや内戦へと発達する。
・第3章 工業都市グラナト
魔術が蔓延する世界で工業技術の発展した都市が舞台。そこでは古代の技術を基盤に、可愛らしい「人形」づくりが進められていた。積み重なる事件に頭を痛める一行の前に、英雄の孫を名乗る少女と主人公の同族である魔族が立ち塞がる。
・第4章 ツィンクス魔術特育校
魔術士の卵を育てる学び舎が舞台を訪ねた主人公一行。そこではどうやら生徒が行方不明になる事件が発生しているようで…? さらに宿敵「神族」との遭遇もあって、事態はさらに混迷を極める。
・第5章 人形の町(※執筆中につき未公開)
ヴィッケルン魔術高等大学院に向けて歩み続けるリオ一行は、厳しい山越えへと挑む。〈竜骨の峰〉――激しい岩肌と傾斜が特徴の山脈。ある時、赤髪の戦士が言った。
「この山のどこかにある遺跡に〈天使の羊水〉があるらしい」
万病を癒すといわれる〈天使の羊水〉。それはオルティラが旅へ出た目的の一つであった。
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現段階では第7章~第8章まで続く予定です。「現段階」なので増減はすると思いますが、改めて見てみるともう折り返しなんだなぁとしみじみ……。三浦としては全くそんな気はしませんが。
第1章は4年以上前に書いたということもあり、拙い部分が多いのでちょっと恥ずかしいのですが……興味の湧いた部分からお手に取っていただけるととてもありがたいです。
時々三浦自身も読み返すことがあるのですが、そのたびについワクワクしてしまって……やはりあの世界は面白いんだなぁとニコニコしてしまいます。
もっと掘り下げて、もっともっと彼らの人生を現世に残していきたいですね。
ちなみに三浦が一番好きな章は「第2章 海中都市オロペディオ」です。幻想的でありながら愛憎うずまくドロドロした感じが三浦心をくすぐります。
彼らの後日談もいつか追ってみたいですね。
それでは急ハンドルで大変申し訳ありませんが、いい加減スクロールバーが短くなってきたので今回はこの辺りにしておこうかと思います。
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それでは~~~~~~(∩´∀`)∩
◆◆作品はこちら◆◆
『竜の瞳の行く末は』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885122556「魔族の王」や「人間の勇者」であった英雄ユリウス・ルットマンはこちらの作品にも登場しています。
『のちに砂漠の魔女と呼ばれるじゃじゃ馬の話』
https://kakuyomu.jp/works/16816927862407977502==========
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