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フジミヤの話


・カニバの話

これを読んでいる人たちはカニバリズムがお好きでしょうか?

私はもちろん好きなのですが、カニバだって種類があります。そして煮干しからダシを取ったような塩ラーメンや夏のそうめんのようにのど越しつるっとしたあっさりとしたカニバは残念ながら数が少ない。世の中にあふれるカニバの多くはこってり系が多いものです。
なので書きました。めちゃくちゃ楽しかったです。書きたい描写をたんまり書いたので、なんだかカニバにしては本当にあっさりしてしまったけれどまあいいでしょう。

スーパーだとか、コンビニだとか、家の冷凍庫だとか。そういうところにカニバがあってもいいじゃないか。そんな気持ちで書きました。


・フジミヤという人間について

そんな欲だけで書き始めたので、最初は「フジミヤ」も特に性格とか背景を考えてはいませんでした。
私個人のホラーの好みはどちらかというとキャラクターを定めていないやつで、要は「ようわからん」が怖い、を楽しみたい!みたいなホラー好きなのです。逆にハッキリした怪異があるやつは怖い。怪異が定まってるホラーはジャンプスケアが多いから苦手………みたいな感じです。好きなのは前者、怖いのは後者。

なので「フジミヤ」も最終話までは「なんかようわからん肉が日常に異物混入してる」ホラーなのです。

ところが最終話を書いたらフジミヤに愛着が湧いてしまって、流れるまま「解体」「芙二宮精肉店」を書くことになりました。自分から怪異を定めているホラーにしてしまった。まあ一粒で二度味わえるのでお得かもしれません。

・こぼれ話

ちなみにフジミヤには痛覚があるので、普通に解体されりゃ痛いです。でも不死身なので、死ぬほどの激痛を味わおうが生き延びてしまいます。そういうのを繰り返しているうちに、痛みこそが生きている証になってしまった人。そこで「人」をやめてしまった化け物、それが藤宮蘇芳というものです。


・なんかいっぱい読んでくれてる
応援やレビュー、ありがとうございます。「飯テロカニバリズムホラー」ってレビューがものすごく好きで、思い出してはニッコリしています。お肉の描写が美味しく書けたんだなあと思うと嬉しく、閲覧数を見てるとだいぶ沢山の人が読んでくれてて更に嬉しい限りです。「人魚十景」といい結構ニッチだと思うのですが、好んで読んでくれるというのはありがたい限り。





フジミヤ的に一番は胃だと思うんですが、やっぱり記憶に残るのも好きだと思うんですよね。

読んでくれた頭の中にフジミヤが残ったのなら、彼も大層喜ぶと思います。沢山の人の記憶に、フジミヤが残りますよう。

コメント

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