カドカワBOOKS長編ファンタジーコンテスト(の応募要項)から思う備忘録。

 梅雨はすでに明け、夏が本気を出している。
 暑さにやられて、書くまいと思っていたのに、書いてしまう鳥頭のたわごと@断定調。いつにも増して言葉足らずで、バカ長。

 皆様、暑さにお気をつけ下さい。改めて暑中見舞い申し上げます。

(すでに★★★を入れた作品が、読者選考のあるコンテストに参加されるときの歯痒さよ)

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「カドカワBOOKS長編ファンタジーコンテスト応募要項ページ」はこちら。
https://kakuyomu.jp/contests/kadokawabooks_fantasy_2024/detail

 とても興味深い応募要項である。KADOKAWA様・編集者様からのシビアなメッセージだと思うところもある。

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>「そもそも、WEB発書籍は、編集部ではなく読者によって見出され、相互作用の中で名作としてのオーラをまとっていった作品です」とのこと。

「新文芸」を言い換えて、「WEB発書籍は」とすることで、求められる作品像が分かりやすくなった気がする。
 そして、暗に、読むプロの目に触れる前のクオリティについて言及しているように思えて怖く思う。「相互作用」という点も気になるが、これは後述。

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 カドカワBOOKSは、KADOKAWAが言うところの「新文芸」を扱うレーベル。
「新文芸」とは、これもKADOKAWAが言うところの「UGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)」の内、文章メインの書籍化作品・小説。

「UGC」とは、くだけて言ってしまえば、Web発の、文章に限らないアマチュア(将来のプロ)作品。

 門外漢だが言い切る。繰り返す。「新文芸」は「WEB発書籍」であって、それは従来の「文芸」とは切り口というか位置付けが全く違う。当然、(一見、近しい語に見える)「ライト文芸」でもない。鍵はメディアミックス。

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>「長期にわたって継続的に読者を楽しませ続ける力」とのこと。

 長期的に続くコンテンツは、ラノベ・Web小説に限らず、小説に限らないエンタメとして、常に求められてきた。供給する側からも、需要する側からも。

 さてここで、Web小説界隈の用語「エタる」が気になる。(エタるに至るパターンは捨象する。捨て置く)

 たぶん「エタる」の第一義は、ネガティヴなもの。作者が物語の収拾をつけられなくなって、続きを書くこと、完結を放棄することを揶揄する意味での「エタる」。

「エタる」の別の意義は、ネガティヴであり、ポジティヴでもある。
 それは、いわば「はてしない物語」。いつまでも続く終わらない物語。長期連載漫画や国民的アニメとも似ている。この点が、Web小説の一特徴だ。
 完結性を良しとする人にとってはネガティヴで、継続性を望む人にとってはポジティヴだ。
 長大さ、壮大さ、魅力的なキャラクターなどを整えた舞台設定でもって……延々と、永遠かのように続く物語。はてしない物語。
 読者からの応援・人気という駆動力が必要だとしても、作者の気力次第で、「場がある限り」、発信し続けることができる。

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>「読者とのコミュニケーションをアドリブ的に物語に組み込んでいく力」とのこと。

 先述の「相互作用」の具体例。ただ、作者に求められる力の一つだとしても、「WEB発書籍」に限った話だとしても、作者の負担が大きいと思う。コミュニケーションとアドリブかぁ……個人で立ち向かうには、つらいところ。将来の、編集者とのシミュレーションだとしても。
 ラノベとWeb小説との明確な違いだと思う。あとライヴ感・リアルタイムとかも。

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>「何を書き、何は書かないかといったセルフプロデュースの力」とのこと。

「何を書き、何は書かないか」とは、作品・小説自体の話ではない。
 例えばこのノートのこと。虎の尾アフォーダンス。飛んで火に入る夏の虫。雉も鳴かずば撃たれまい。能ある鷹は爪を隠す。雄弁は銀、沈黙は金。(それっぽいことわざを適当に羅列した)

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>「WEB小説の活躍の場は、書店の小説の棚を越えて、コミック、アニメへとどんどん広がっているからです」とのこと。

 そもそも、ライトノベルという語は、メディアミックスを前提として生まれた言葉だと思っている。そう思うに至った。
 そして、Web小説の一特徴は、メディアミックスを推進させるものだと思っている。

 だから、「からです」と言われると……ツッコみたくなるカラスです。因果が逆。

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