もう、なんか久しぶりの投稿でした。「待っている女性(ひと)」
イケてる女ではなく、良い人で等あろうはずもない一人のオバさんの浮気のお話。
ロマンチックな出会いの男と女。だったはずなんでしたが結末は御覧の通り。
行きずりの不倫の果ての陳腐な別れ、劇的でもなく愛憎の果ての葛藤もない。
それは物語の前半と後半の落差がこのお話のミソというもの。
別に道徳や倫理にかこつける因果話ではなく、うまくいったかどうかも関係ない、
いい加減で身勝手極まりない主人公の人妻の享楽的でルーズな所業。だからといって教訓的なメロドラマではなく、そういうものにもしたくはなかった。
ただ、そういうこともあるんでしょ…で終わらせたいという気分も作者にはあった。世間というものは思いのほか放埓でデタラメなのだ、と。
彼女にも何かの勝算があったわけじゃない。その日常に風を吹かせて舞ってみただけ。ただ偶然に身を委ねてみたかったのだ。熱愛なんかとは無責任でいたかった。
一夜限りの酔いを醒ませば、何かが変わったわけもなく…落胆や幻滅なんて昔話の事だもの、と。少しばかり人生を舐めた女は、一方ではそんな自分にケリをつけたがってもいた。
そんな何かがくすぶったまま、アブナイ彼女の人生はさらなる次のステージへ…、そして物語は彼女に一言もないまま勝手に終わりを告げる。
どう考えてもカクヨムの読者向けのお話ではないと思うが、書いちまったから仕方がない。何かがモヤっとしてる、乾いた世界の不条理を記す次第の物語です。