日銀ETFパワー炸裂案件…(๑¯ω¯๑)

“築地市場跡地に多機能型スタジアム”再開発事業者が提案説明
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240501/k10014438061000.html

読売新聞社+三井不動産+TOYOTAの三社で築地の再開発をする。この時、築地に巨人軍用のドーム球場を新設する…程度の内容ですが、まさにこれが日銀のETF介入の結果といえる「成功例」かと思われます。

国債を大量に抱え込んだ日銀が、この国債+償還金(+政府からの利払い金)とを活用する「国債整理基金特別会計」というドンガラを使って広く国内外で資産運用しているという話を本編で繰り返してきました。この運用方法の一つにETFがあり、日銀が東証の買い支えを目的としてだいたい日経平均15000円くらいの時から「特定銘柄」を大量に購入。この効果で株価を下支えしてきた…という内容ですが、この「特定銘柄」の一つが「東京ドーム」でした。

東京ドームのある一等地(水道橋)は都内でも有数の「未開発地」の一つで、古くから東京ドーム+遊園地があった広大な場所です。んで、三菱地所と激しい鍔迫り合いをしていた三井不動産が喉から欲しがっていた場所でもあります。

その事を当然、日銀は知っていたのでこのドーム管理会社の株式をETF銘柄として繰り込み、せっせと購入していました。んで、ついに去年、三井が念願のTOBで買収に成功します。つまり日銀が売却したということです。この時、日経平均株価は3.5万台以上。よってこの差額分程度の利益が日銀に転がり込んできたということです。三井は高値づかみに近いのかもしれませんが、この10年の世界経済および日本経済の順調な成長に合わせての株価上昇であり(株価は長期的には常に上昇)、今後の利益を考えれば「買って得した」物件でしょう。

これが日銀ETFのパワーです。株価が低い時に下支えの目的でETFを始め、高値になったら売る。そのためにはじめから成長が期待でき、しかも売却先がいるような大型物件を物色していたということです。似たような案件がファミリーマートで伊藤忠が欲しがっているのを知っていたので、ファミマも日銀ETF銘柄として購入していたのでしょう。

こうして三井はドーム跡地を再開発し、同時に三井と読売が組んで築地の再開発にも乗り出したということです。手狭になった巨人軍の本拠地を築地に移すは既定路線でしょうし、東京都からも補助金が出るのでしょう。地価も高くて既に資産価値があり、丸の内からも近いだけでなく人気の臨海部にも道路+鉄道が整備されてアクセスしやすく、外国人が殺到していることからも「有望」と踏んだわけです。おまけに両地を開拓できれば、憎きライバルの三菱地所を一気に引き離し、それまで課題だった収益性が悪いというポートフォリオの改善も期待できます。

こうした「最後、みんな得する」というのが日銀ETFのパワーです。現在の計算では30兆円以上の含み益があり、売却すれば(株価が低い時に買っているので)必ず利益が出ます。損が出る元本割れ(≒損益分岐点)はだいたい日経平均で1.7万円まで下がった時…といわれていますが、現在の3.8万円台はこの二倍のボリュームであり、リーマンショック級でも無い限りはここまでは下がらないでしょう。仮に下がったとしても再び上昇する事が予想されているので、基本的には損のないスキームです。

ETFは経済における20世紀三大発明の一つとされ(残り2つは自社株買いとIPO)、世界経済が順調に伸びれば失敗はないとされる手法です。今回も大成功というわけです。日銀ETFは失敗して大損する…と言っていた評論家は、いまなんか言わねばならないんじゃないでしょうかね?(←挑発

まあ、最後の「元気玉」は言うまでもなくユニクロです。柳井がくたばったら売却して、日本国民にボーナスとしてばらまくという話もあるようですが…(^m^)

7件のコメント

  • いずれ増補して本編の中に繰り込むつもりでいます…m(_ _)m
  • いつも拝読もといバイブルとして活用しております。
    今回の投稿と関係ないのですが1点質問があります。

    財政政策と金融政策用いた際、固定相場制と変動相場制どちらのほうが効果が滞留し易いでしょうか?
    諸外国をみてみると経済を立て直したりテコ入れする際は金融政策が先に行われてるのでどちらかと言うと変動相場制のが効果が残るのかな?と思うんですがどうでしょうか?
    ぶっちゃけ財政政策(公共投資)をすると金利が上がり、金融政策を行うと通貨安&金利が下がるのでそれが関係しているのかな?
    とぼんやり思うのですが先生の考えをお聞かせお願いします。

    PS いつも勉強になります。GWはしっかりお体を休ませてまた執筆お願いします😁
  • 19870728SA様…m(_ _)m
    勿体ないお言葉、むしろ恐縮です。いつもご来訪ありがとうございます。
    この話、本編の何処かで出したはずだったのですが、該当話数が何処にあるのかわからなくなってしまい(汗)、こちらに別途、UPいたしました。日銀のETFはリーマンショック級が来ない限りは赤字になることはなく、また1930年代のような大恐慌が延々と続く…という状況にならない限りは元本割れはしない仕組みです。似たような話はファミリーマートがそうで、伊藤忠が狙っていたのを感づいた日銀がETFかけていた銘柄…と言われています。他にもあるらしいですが、なかなかしっぽを出さないので困っていますね(笑)←政府日銀

    >固定相場制と変動相場制
    この件に関しては既に答えが出ています。国際金融のトリレンマという話で、「固定相場制」「自由なヒトとモノとカネの多国籍間の移動」「自国の金融政策の独自性」の3つが同時に成立することは「ない」という理論です。

    国際金融のトリレンマ(国際通貨研究所)
    https://www.iima.or.jp/abc/ka/21.html

    なので日本を始め、ほぼ全ての先進国は固定相場制を捨て、変動相場制に移行しました。「金融政策の独自性」というのは政策上の金利を上げたりなどの様々な日銀(≒政府財務省)による金融政策のことです。金融政策の独自性と自由貿易のために固定相場制を捨てた…ということなので、もはや固定相場制が現実的ではない…というのが正解のように思います…m(_ _)m

    どうぞ、これからもよろしくお願いいたします…m(_ _)m
  • ありがとうm(_ _)m
    これからも本編を拝読します。
    よろしくお願いします∠(`・ω・´)
  • 大変申し訳ありません。
    もう1点質問宜しいでしょうか。
    先生が書いた本文に「国債特会」について記述した章を読んだとき、「運用して得た利益が20数兆あり内3兆円は貯金(繰入)している」とありました。
    これは政府が出す歳入予算における「公債金(借金)」という記述が上記運用的に当たるのでしょうか?
    もしそうなら何故わざわざ(借金)にしてるのか..
  • こちらこそいつもありがとうございます(`・ω・´)ゞ

    >「運用して得た利益が20数兆あり内3兆円は貯金(繰入)している」
    …このセリフですが、蓮舫が言った言葉をそのままコピった(はず)ものでした。つまり彼女がそういったのです。いわゆる「打出の小槌」論争の時でした。
    なぜ政治家の言うことをそのまま書いたかと言われれば「ワイには国債特会の中身が全くわからない」から「政治家なら国の機関について精査できるだろう」ということから「なら政治家が言ったのなら、そういうこと」という「だけ」の内容です。
    つまり、そのぐらいわからないことをやっているのです。日本国は…(恐怖

    「公債金」ですが、これは国債残の総額のことだと思われます。長短期国債の他にTビル(←金利の付いてない割引つなぎ国債)のような、政府系が発行している債権のなかで現在も償還期限が来ていないものの総額と思われます。この数字は地方債は含んでいないように思います。ちな日本の地方債総額はだいたい250兆円前後と言われています。地方債の方が遥かに少ないのですが、金利は遥かに高いです。だいたい下手すれば50倍くらい高いかもしれません(詳細未確認

    国債特会は本当に謎組織で、解説がたった一枚の紙切れで終わりです。しかも全て事後報告で、メカニズムの詳細な検討を(おそらくは)財務省が「させない」のだろうと思われます。
    そりゃそうでしょう。日本国が日本国の債権を国内外で超大規模資産運用しているなんてのは、今日現在では「やっちゃだめ」的な内容だからです。いずれ世界がカネに困ってやり始めた時、しれっと「昔からやってたYO-」とでもいう気かもしれませんが(爆

    んで、本編でも述べたように「ワイが思う国債特会」は国債を使って資産運用しているということなので「政府の借金を政府(日銀財務省など)が国内外で手広く資産運用している」してるのですから、誰かの借金は誰かの資産。よって日本の国債特会というドンガラは「政府の借金は政府の資産」になるということです…m(_ _)m

    んで、こんなのバレたら殺されるんじゃないですかね?(爆
    これだったら国債刷りまくった方の勝ちですから。国家破綻しなければ…ですが(爆

    なので、もしワイの推測が正しいのならば「政府」にとってはやはり「借金」です。国債の発行体が政府だから…ただそれだけです。そして「国債特会」にとっては「資産」ということになるのでしょう。国債特会は政府の機関ではあっても政府とは違う別の組織…ということにしてるのではないでしょうか?

    しかし「カネがない」「増税だ!」と騒いでいる国が、なんで地震や天変地異、子育て支援や防衛費にバンバン即座にカネが出せるんですか? 経済成長だってしてないじゃないですか??…という謎に、どうやって答えるのか? と言われた時、この国債特会の役割を推測しないともはや回答不能です。

    一般には「地震や天変地異や子育て支援や防衛費を次々と特別予算・臨時予算で出すから借金が減らないんだ」とみんな考えているようです。しかしそんな訳はないのです。「政府資産が約730-750兆円」という、たったこの一文で「人類史上、やったことのないことやっとる」というカネの嗅覚がうずくというわけです。無い袖は振れない。なら「はじめから準備している」と考えるべきで、それが国債特会だろうということです。気づかないようにごまかす必要もあるのでしょう。なら、会計上の問題として「借金」と記述すればよく、「実はそれ、国債特会で資産として運用してるYO-」などと余計なことを書かなければいいだけのことですから…
  • 確か「日本の公的部門全体の資産総額は、金融資産が1647兆円、非金融資産が627兆円で、計2274兆円(名目GDPの4.4倍)に上る」
    ってありますね...🐵

    しかも、借金ガーーーーって言ってる割には毎年債務償還費という謎ルールで17兆円も消化してるしこの17兆円はどこからきてるの?って話ですよね(-_-;)
    この国債特会の債務償還費が肝なわけですね。
    先生の小説を拝見したあとちょっと気になって財務の方に確認したらすごい剣幕で「国債整理基金特別会計を他に繰り入れたら国債が暴落するから駄目だ!!」って言われました(-_-;)
    スゲーコワカッタ
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