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週間ライトノベルランキングトップ10からラノベがほぼ消えました

じゃなんで「ライトノベルランキング」って言ってるのかというと児童書を組み込んでるからです。
今日お伝えするのはエイプリルフールではございません。「オリコン」の厳然たる事実の発表です。辛うじて1作品だけラノベが残っています。

オリコン週間ライトノベルランキング
2024年04月01日付
(2024年03月18日~2024年03月24日)

1位 お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件9 10575部
2位以下参考
2位 星のカービィ プププ温泉はいい湯だな♪の巻 8713部
3位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅰ 7458部
4位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅶ 7724部
5位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅱ 6331部
6位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅹ 6065部
7位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅷ 6029部
8位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅲ 6016部
9位 ハイキュー!! ショーセツバン!! XI 5869部
10位 ハイキュー!! ショーセツバン!! XII 5854部

1:1位の本が無かったら「ライトノベルランキング」に見えない
2:つばさ文庫、それも小学校低学年~小学校高学年向きの星のカービィをライトノベル扱いするのはやめてくれ
3:ハイキュー!! は小中学生向きのアニメだから高校1年以上(どんなに甘く見ても高校2年以上)は見ないし読まないと思う。ちなみに劇場版ハイキュー!! は日本歴代興行成績で20位以内に達した模様

※もちろん親子連れの場合は除く。その場合は大人でも劇場版ハイキュー!! は見るよね。でもアニメノベライズは子供本人しか読まないだろ。たぶんな。

4:ライトノベルの多様性を失った。通常、本というものは商品の性格上多様性があるがほぼ1タイトル独占ランキングとなり多様性を失った
5:週間ライトノベルランキングで5800冊以下で売れてる本のかなりがたぶん「薬屋」シリーズ
6:本を買っているのは子供たちで世間からラノベは見捨てられた証拠のランキング
7:下手すると買ってもらってるのは親(子供本人ですらない)
8:公共図書館・学校図書館が大量に星のカービィと小説版ハイキュー!!を納本した可能性が極めて高い。そしてこれらの本は公共図書館の場合高確率で「児童室」にある(大人が公共図書館で1人で気軽に手に取れる状態ではない本だということ)

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』って一応2019年初刊でジャンルはラブコメです。これなかったら驚愕のランキングですよ。
この調子だといつか週間ライトノベルランキングトップ10から(本当の意味での)ラノベが消えるんだろうなと。下手すると月間ライトノベルランキングトップ10からも。
だから……2024年のライトノベル市場額ってたぶんもっと悲惨ですよ。

ということでほぼ間違いなく2026年にピーク時からラノベ市場は半減する可能性が極めて高いという事です。ミラクルでもない限りラノベは「オワコン」です。。。。
『若者のライトノベル離れ 約10年で市場半減のショック』のタイトルに偽りなし!
https://kakuyomu.jp/works/16817330659071865553

これがエイプリルフールならどれほど良かったか。でもこれが現実です。よって児童書市場額は爆上げです。逆にラノベ市場は激減です。

ラノベ界が性的過激描写を「萌え」と称して約20年も続けた結果……世間から様々な存在・組織・客(特に女性客)を敵に回した結果が「これ」なんでもうそろそろラノベ編集者もいい加減に気が付いてほしいかなと。じゃないとみんなもう児童書とライト文芸だけ買ってラノベは本気で世間は見捨てに来るしそれが今回のランキングという結果なんだろうね。

そんなことはない!これは「瞬間風速的事象だ!」とかまだ粘りますか?それではこれが先週のオリコン週間ライトノベルランキングです

オリコン週間ライトノベルランキング
2024年03月25日付
(2024年03月11日~2024年03月17日)

1位 お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件9 17258部
2位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅶ 16965部
3位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅰ 15583部
4位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅹ 13288部
5位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅱ 12812部
6位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅷ 12802部
7位 ハイキュー!! ショーセツバン!! XIII 12652部
8位 ハイキュー!! ショーセツバン!! XII 12610部
9位 ハイキュー!! ショーセツバン!! XI 12552部
10位 ハイキュー!! ショーセツバン!! Ⅲ 12337部

ということでご覧ください。実は先週の方が圧倒的にハイキュー!! ショーセツバン!!は売り上げが高いのです。7500~5800部どころじゃない。17000~12500部程度もあるんです。つまり売り上げが約半分になってもハイキュー!!は無双している。そのくらいもう既存のラノベは全く売れてないのです。

数字は嘘をつきません。これが現実です。しかも星のカービィ以外タイトルに変動がないという異様なランキングです。

もう一回言います。春休み、ですよ?春休みってラノベが売れる時期です。特に新中2はラノベに手を出すお年頃のはずです。しかし現実はラノベは見捨てられた後なのです。逆に少子化なのに何でこれだけの児童書が売れるのかもうラノベ編集者はいい加減に気が付いて気軽に書籍化確約とか言いながら爆死させる失礼な行為を慎んでいただきたく思います。ラノベの編集者たちの大半はプロじゃない。作家を爆死させるしか能がない編集者など断じてプロではない。

7件のコメント

  • 多分、ラノベがオワコンということが本音ではなくて、ラノベって、もっといろんな可能性を持っていたはずだよね。その可能性を閉ざしたままだと、ラノベ自体がダメになってしまうよ、というお話の一環なのだと思って読んでおります。

    その上で、『ハイキュー!! ショーセツバン!!』を一旦、ラノベの一種である、という立場からも、上記のお話は言えそうですね。(ラノベの定義も人によって異なるでしょうし)

    こちらは、原作のファン層から考えると、もっと上の年代の女性が購入されていらっしゃるかな、とも想像しました。
    となると、それこそ、「性的過激描写」がなくても、ラノベは成立しうる、ということかなあ、と。薬屋を例に出していらっしゃいますが、多様な層にちゃんと届く作品の方が「売れる」し、作品としても良くなりそうだ、ということだと思うんですよね。

    例えば、マーケティング。商売ですからマーケティング自体は悪いことではないと思うんですよね。
    でも、例えば基本属性として、性別、年齢とわけてしまう。この段階で「特定の人に向けた作品」の傾向に枠組みが引っ張られてしまうのかもしれません。
    そうなったときに「薬屋は素晴らしいけど、全てが薬屋になれるわけじゃない。よく買ってくれる性別年齢層に特化したものを」という分析をしちゃうかもしれません。

    でも、ライトノベルの可能性を考えるなら、もっと違うデータの分類方法がありそうですよね。ラノベを分類するための枠組みこそが大事なのかもしれませんね。
  • そうよ?本当にそうよ。まあ『ハイキュー!! ショーセツバン!!』がラノベか?と言ったら前回「近況ノート」でも書いたように「ノー」ですけど(読者対象年齢が9~14・15歳のため)。
    薬屋は本当に「ザ・ラノベ」だからロングで売れているうえに全世界でも売れている。読者が求めているのは中華系ファンタジーの場合まさに薬屋なんだということが分かってないんですよね。
    ここで疑問なんですが王道ファンタジーラノベをなぜ売らないのでしょうね。00年代前半まで普通にあったラノベがふっとこの時代に消えて「萌え」一色にされて自爆したんですよね。その自爆の対抗手段がさらなる萌えの深化である「異世界転生」だった。同時に30代以上の女性読者層を取り込もうとした「異世界恋愛」だった。結果は2009年のラノベ市場額のピークにさえ届かず2018年以降は爆死してよりラノベ市場を激減していった。しょせん異世界転生ブームはバブルだったのですがまだ出版社側は「異世界転生」の敗北をまだ認めてないのです。

    >それこそ、「性的過激描写」がなくても、ラノベは成立しうる、ということかなあ、と

    そりゃそうよ。ここ約20年のラノベがおかしかっただけで。

    >多様な層にちゃんと届く作品の方が「売れる」し、作品としても良くなりそうだ、ということだと思うんですよね。

    そりゃそうよ。それが「王道」って奴だし

    もうねラノベのタイトルが「社畜」とか「婚約破棄」とか痛いのよ。それ中高生がもっとも馬鹿にするポイントですからね。だからラノベは見捨てられたのです。
  • 『ハイキュー!! ショーセツバン!!』は読めば分かりますよ「合宿」という漢字にすらふりがなを振ってあるんですよ。確実に高校1年……いや中3以上でも読むのはきついな。ちなみにWEBでも試し読み出来ます。
    ※個人の感想です。
  • 多分、今、ライトノベルの「王道」が見えないんでしょうね。まんがだとフリーレンとか出てますし。

    なんか、これは「異世界転生したいおっさんは薬屋の良き読み手になれるのか」問題なのかもしれません。

    というのも、今、気づいたんですが、薬屋は売上の問題ではなく、普通に新しい王道の1つの形を提示している作品なんですよね。
    薬屋は、ポリコレバリバリじゃないけど、「こんな関係性は嫌だよ」とか「こういう関係性が良いよね」ということをやんわりと描いていたりするわけですよね。

    人と人との関係性の理想を見せてる、と言っても良いのかもしれません。これは個人の夢とは別で。みんなで共有できる価値観を示せてるんですよね。それが「王道」ってことなのかなって思ったりするんです。
    王道ファンタジーラノベって、そういうところがあったと思うんですよね。コメディでも、何を笑いにするか、というところでいろんな考えがあったと思うんですよ。

    で、現状なんですが、僕ら40代のおっさん読み手たちはうまくこの理想を語れない。自分のことで手一杯なんですよね。「こんな関係性は嫌だよ」まではいけるんですけど(きっと異世界転生ものはそういう風に読まれてると思う)、そこから先がなかなか出せない。

    僕なんかも楽しく薬屋を読んでるわけなんですけど、若い人たちとか女性たちからしたら浅い読み方をしてる可能性があるわけですよ。「なんか面白いなあ」くらい。実際、ついさっきまでそんな感じでしたし。

    よく考えてみたら、薬屋がどんな文体で書いているのか、2つのコミカライズやアニメがどんな演出をしているのかとか、内容についても、単純なシンデレラストーリーでなく、例えば、本好きとの比較で読んでみる(どちらが良いというお話ではなく)とかできたり、「考えてみりゃ、ちゃんと読みとるべきことがいっぱいあったよね」と思ったりしているところです。

    カクヨムとかの作品とかで、エタってるのとかでも「あれ?これ、新しい王道になれそうだったじゃん」とか見かけるわけですよ。でも、多分、感度が低い。そのせいで星がつかず、星とエタってるんだと思います。

    つまり、良い作品が出版される可能性を僕らおっさん読み手が作れてない。きっとたくさんの芽を僕らが育てられなかったってことなのかもしれないな、と。これはカクヨムだけではなく、商品としてのラノベも同じで。自ら読みたい本をなくしていく、という……。

    そして、そんな状況にも関わらず、おっさんたちには、多分、「頑張って自分が変わる」みたいなものは期待できないです。「ソースは俺」ってやつですが。
    編集者さんの問題もあるかもしれませんが、読み手の問題だよなあ、などと我がこととして考えた次第です。

    ……ハイキューは、なんというか、コレクター的に買われてるんじゃないか疑惑があるだけで、確かにラノベじゃなさそうですね。しかも、11位以降も児童書とかブルーライト文芸って感じだろうな、と思うんで……。と、まあ、ここは深掘りするとこじゃないですね。
  • >僕ら40代のおっさん読み手たちはうまくこの理想を語れない。自分のことで手一杯なんですよね。

    というか氷河期世代って自分の事しか考えてないのでしょうね。ゆえに年収1000万円(手取り700万円)の人と年収400万円(手取り300万円)と年収200万円(手取り130万円)の3つに分かれた。じゃあ額面年収1000万円の人は安泰かというとそうじゃなくて早期退職でジ・エンドという運命の人が多く居てそれこそ「王道ファンタジー」作品が言う「自分の事ばかり考えたら自分が破滅する」というメッセージを受け止められなかった人なんだと思いますね。幼少期から偏差値教育で他人を蹴落とす事しか考えられなかった。新自由主義に完全に染まって「自己責任」などとうそぶく人はもう王道ファンタジーなんて読めないんですよ。自分の事しか考えられないから連帯も出来なかったし家庭構築も出来なかった。「公民」として失格です。失われた30年のうち後半10年を作ったのは被害者であるはずの氷河期世代です。
    氷河期世代は「人と人との関係性の理想」どころか「今だけ・金だけ・自分だけ」ですからね。就職活動中に完全に人間性を破壊されたんですよ。氷河期の勝ち組でさえも。だから実はこの世代こそが「萌え」と「異世界転生ブーム」を作ったのです。絶対に後世から馬鹿にされ恨まれるはずですし人望が無いから45前後で少数精鋭採用・高収入人材という優秀な人材のはずなのに会社追放ざまぁをリアルで食らっているのです。つまり人間性・協調性が無いのです。この世代の女性の場合は「離婚」ですかね。非正規雇用の自分を救う3K夫をゲットするだけのための人生。ATMと結婚するつもりだったのでしょう。そりゃ見捨てられますよね。残ったのは高額な住宅ローンの残高だけ。だから任意売却だらけの世なのです。そして一度転落したら日本の場合高確率で再起不能です。これに対しZ世代は「協調性」第一主義です。価値観が全然違うのです。

    >つまり、良い作品が出版される可能性を僕らおっさん読み手が作れてない。

    そりゃ感性が壊れた人にスコッパーは無理でしょうね。「自ら読みたい本をなくしていく」張本人なのだから。

    >ハイキューは、なんというか、コレクター的に買われてるんじゃないか疑惑があるだけ

    たぶん図書館が「箱買い」(シリーズ一括買い上げ)してるんだと思いますよ。今の子供ってもう碌にお小遣いがないから図書館が読書の生命線のはずです。
  • 興味深く拝見させて頂いています。
    話がずれるかもしれませんが、アニメ二期が決まった「シャングリラ・フロンティア」とかは、明らかなラノベで人気もあるけど、作者が書籍化に乗り気じゃないので書籍化されないという変わったケースですね。
    理由は色々考えられますが、書籍化して爆死すると、WEBで連載中の本編も共倒れする危険があるので、あえて書籍化しないとか、そういう判断をする人もいるかもしれないです。
  • シャングリラ・フロンティアって変わったケースですよね。でも賢いですよね。
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