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仮面と面頬は厳密には違うで

面頬って鎧と一体化するもんで半首、額当、半頬、総面の4種類ある。本作はフルアーマーとしての総面を使っている。敵を脅す意味もあれば泥除けという実用的な道具でもある。ここが「仮面」との違いで面頬は完全な「武具」という点に違いがあるんだな。面頬は目の下頬と合体させることも可能。実際の合戦では目の下頬だけの方が多い。だから『暗黒竜の渇望』に出るインドラは総面頬の一部(目の下頬:つまり半頬)を外せるわけだね。「仮面」としなかったのにはちゃんと理由があるんだ。仮面は仮面の一部を外すようには出来ていないんだ。

(※半首は額と両頬を守るもので自分の顔の周辺を守る武具。首の半分という意味じゃない)

ちなみに面具とも書ける。でも面具じゃかっこ悪い。面頬は「めんぽお」と呼ぶ。面頬は剣道用具でも使うけど鉄格子の面だと本来の面頬とは全く違う。あれは西洋で言う兜だ。

仮面だとむしろ仮面舞踏会とか三銃士のイメージが強いのと甲冑と一体化するかしないのかとの違いがあるので「面頬」にしたのだ。

・面頬→鎧兜と一体化する
・仮面→鎧兜と一体化しない

・面頬→面頬は一部を外せる種類のものもある
・仮面→仮面には一部分を外すパーツが無い

・仮面→仮面は本来武具ではない
・面頬→武具として作られたもの

よって暗黒騎士や暗黒戦士が素顔を隠す仮面一体型兜、あれ本当の呼び名は面頬だ。そして面頬があったおかげで各戦国武将の顔の形まで分かるのだ。なぜなら面頬は己の顔にあわせてフィットさせるために作られているからなのだ。

なお神事で使う仮面は「覆面」だ。翁面とか般若面という奴ね。神降ろしするのだから神格という物も生じる。呪いの仮面って奴だな。神聖と呪いは紙一重だよ。今でこそ「覆面」って覆面レスラーというように「マスク」の意味に替わったけど。

『暗黒竜の渇望』でインドラが面頬の一部を外すシーン
https://kakuyomu.jp/works/16817330647877241956/episodes/16817330647882042683

こういうとこにも気が付けたら筆者として俺はうれしいな。だから『暗黒竜の渇望』は「仮面」という表記をせず『ベルダーシュの勇者』では仮面という表記になってるわけだね。

じゃーベルダーシュ達が被るのも覆面では?という人もいるだろうが神道上では覆面というのであってそれ以外の宗教では「仮面」というのだから「仮面」で正しい。

コメント

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