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結論:『時をかける少女』はラノベには出来ない

という結論になりました。
1:ラノベレーベルの無い時代に発刊してる
コバルト文庫が1975年で朝日ソノラマも1975年ですよね。でも『時をかける少女』はそれよりもはるか前の1967年刊行。いくら中身が実質ライトノベルでも時代が早すぎる。日本ではまだ「ジュブナイル文学」という概念の無い時代にラノベ認定をするのは無理がある。
2:これをラノベと認めたら他作品も「ラノベ」になっちゃう
『百億の昼と千億の夜』(1965:光瀬龍)などのラノベ・ジュブナイル文学という概念無い時代の作品もラノベになっちゃう
3:1974年以前の『高一コース』や『中三コース』などに連載された作品が全部ラノベになる。ラノベレーベルじゃないのに。学習雑誌連載は学習雑誌連載小説と判断する。
4:まだ中卒が大量に集団就職している時代で「青春時代」が実質ない人たちがまだ大勢いる時代だから。1964年の中卒就職率は約50%です。

『若者のライトノベル離れ』にも同一の回答を記述します。
https://kakuyomu.jp/works/16817330659071865553

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ここからは報告オリジナルです。

念のために言うけど『時をかける少女』は高確率で中身ラノベです。
『ぼくらの7日間戦争』は1984年刊行だから「ラノベとみなす」と記述できたけど1967年の作品に「ラノベ認定」はできない(雑誌だと1966年)。
つまりあまりにも出すのが早すぎた。筒井氏はそこまで天才作家何だという結論に至った。
〇『時をかける少女』の歴史
・1966 学研の学習雑誌に連載
・1967 一般文芸レーベルで書籍化
・1972 NHKドラマ化
・1983 映画化
・1995 一般文芸レーベルで再々刊行
・2006 アニメ化(映画化から23年後!?)
・2009年 児童文学として再々刊行
ですので光瀬龍氏と筒井康隆氏は日本に初めて「ジュブナイル文学」という概念を米国から持ち込んできた人、とすら言える。ちなみにたしかに1964年は中卒就職率は約50%だけど集団就職した人にはかなりの割合で福利厚生として5時勤務終了で4年制の定時制高校に通わせた(夜休みは無料学校給食まで出た)という時代で実は高校卒業率/中卒就職率にはずれがあるんだ。だからちょうど時代と合致するんだ。そういう時代。

『高一コース』・『中三コース』って偉大だな

また時代が時代だけに「キ〇〇〇病院」なる表現が1967年版『時をかける少女』に出ているとのことで、とてもじゃないけどそれは「ラノベ」とはみなせないね。滅茶苦茶差別だよ。今だったら精神障碍者に対する差別として炎上するだろうし改稿したものだとたぶん消えてるはずだけど1967年の『時をかける少女』にはそういう表現があったんだ。ゆえにそういうのを「今の」子供にラノベとして見せることは出来ないな。筒井康隆氏が悪いのではなく「そういう時代だったんだ」と念のためにもう一回言う。

※なおこんな事言うと「表現の自由が~」とかいう人が居るがこの表現を使うと最悪精神病患者(特にうつ病)は自〇する。ゆえに放送禁止用語というものがあるのだ。表現の自由というのは何やってもいい「印籠」じゃない。言葉で人は殺せるのだ。そういう時代の作品は「ライト」ノベルではない。

結論:『時をかける少女』はラノベには出来ない→「大衆SF文学」

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