script:
https://kakuyomu.jp/works/16816452220093672224
目を開けたまま見る、泡沫《うたかた》の夢。
そんな|幻想《ファンタジー》を現実世界に実在する要素で描きたいと思い、通貨と、現代情報技術と、実在するスパイの示しうるすべての表情、つまり混沌でつなぎ合わせ、先生と学生をめぐる星を繋ぐ物語として完成させたのが、このscriptです。ちゃんとオチがあるのか不安であとがきから読む私のようなタイプの人。安心してください。きっと気に入ると思います。すでに読んでからここにやってきた人。お疲れ様でした。きっと満足いただけるものだったと思います。なぜなら、私がこういう先生と学生をめぐる作品をずっと探し、そして楽しんできたからです。
引用されたものやシーンに見覚えを感じたのなら、それがこの物語のなかでこれまでとは違った形へ変わっていくのに気づいてくれたのなら、とても嬉しく思います。この作品をつくることにしてから、多くの努力を要求されました。完全に専門外だった金融関連の本のかなりをポケットマネーで買い漁り、私の本来の仕事であるITシステムに対する知識は、スパイとしての挙動を現実的なものにするためにさらに深化させなければなりませんでした。さらに、この作品で立派な先生になるために学ばねばならないことがたくさんありました。教育学、心理学、語学、政治、民主主義……なにもかもが、理系で、まったく文系としての知見のない私にはまばゆく、重いものでした。
だから私はその知識を自らのものにするまで、必死に現実を奔走していました。
このすべての努力に意味はあったと、著者である私はいま、確信しています。
虚構でしかないはずの脚本《スクリプト》に学生となって没入する中で、現実の世界のみえかたを、生きかたを学び、変えていける。先生のもとへ目指すなかで、自分の欠点を克服していける。そういう作品になったと、本気で考えているからです。
私はいつも執筆が終わると、穏やかなクリスマスを迎えます。そして、空を見上げ、星に思いを馳せます。
私にとってのクリスマスとは、季節ではありません。奇跡を見届けた時に訪れる、心理的な状態なのです。それは、クリスマスの星の元となったベツレヘムの星が、神の子の誕生の時に輝いていたことを、私が知るからなのでしょう。
私の地元であり、今再び暮らし始めたこの浦安。映画館に向かうために歩く日比谷。いまやはるか遠い、シンガポールのマリーナベイ・サンズ。
そこで広がる光たちは、希望の卒塔婆であってもなお、とても美しいです。この作品の学生と先生がその光り輝く場所で過ごしていたと思えば、たとえいま姿がどこにも見えなかったとしても、どこか救われた気持ちになれるです。
いつか、この虚構が現実のものになるほどに平和に、そして発展した未来の到達を願って。そこに広がる、先生と学生たちによってつくりだされる、幻想のような美しい星の景色を願って。