こんにちは、桜部遥です!
今回は新しく書いた物語、『覗く世界は雨模様』の小咄を出来たらなと。
ここからはネタバレを含むので、もしよろしければ本編を見終えてから御愛読頂ければ嬉しいです。
この物語の主軸となる人物は、春樹と佳乃。
佳乃の外見的特徴は既に本編でも明かされていますが、春樹の外見的特徴はあまり書かれていないんです。
軽く、『黒髪である』という事くらいですかね。
これには少しこだわりがあって、佳乃は春樹の脳を利用して、アクタという新たな人格を生み出そうとしていた。
人格は佳乃の造り上げた世界の中で生成出来たとしても、見た目はそう簡単に変わりません。
春樹の中にアクタが生まれ、自分自身の姿を見た時、きっと彼は自分の容姿に困惑するでしょう。
自分はアクタなのに、外見は見知らぬ青年なのですから、当然ですけれどね(笑)
佳乃は世界を造る時、予め鏡みたいな自分の外見を写す道具は排除していました。
けれど、雨によって出来る水溜まりはどう頑張っても光の反射で、自分の顔が映ってしまいますよね。
だから佳乃は、水溜まりを現実の世界と繋いだんです。
まあ、そんな決定的な事を忘れる佳乃も佳乃ですよね。
頭が良いのか、少し抜けているのかは分かりません(笑)
それからもう一つ。
佳乃と春樹の会話にも注目して頂きたいです。
佳乃が春樹の中にあるアクタと話をする時には彼を『君』と呼んでいるのに、春樹本人に対して話をする時は『貴方』と呼んでいるんですよね。
佳乃の中の距離感が分かる場所だと思います。
細かい設定なので、本編には組み込めませんでしたが、佳乃は意外にも引っ込み思案なんです。
アクタには気兼ねなく話せても、それ以外の人間には割と距離があるんです。
アクタに対する呼び方と、春樹に対する呼び方。
そこで佳乃という人間の本質が分かるような気がします。
元々、『覗く世界は雨模様』は短編として書いたものなので、桜部にしてはかなり少ない文字数で詰め込んでいます。
少ない時間で読めるようにと、考えながら書くのも良い勉強になりましたね!
いつか、佳乃の未来を書けたらいいな、なんて考えたりしてます。
と、いうわけでここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あまり更新しない近況ノートも、こうして沢山の裏設定なんかをお話出来たらいいなと、思ってます!
では、また次の機会にでも。