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吉屋信子の『わすれなぐさ』

読みかけて放置してた吉屋信子の『わすれなぐさ』を読んだ。
前半を忘れているのは目を瞑って読んだが、なかなかに面白かった。
最近の悪役令嬢ブームの先駆け?と思うようなキャラのたった登場人物がいて面白い。女3人の三角関係と一言で称されるこの物語だが、けっして「百合」というわけではない。
女の子って別に恋愛感情じゃなくても女友達を独占したいという気持ちを10代の頃には抱くものだ。(女同士の友情を扱ってるのも広い意味では百合文学なんだよな)
そういう意味での三角関係だ。
明治生まれで大正・昭和初期に大ブームをつくった吉屋信子。
大正と言えば、フェミニズムの嵐が吹いた時代だ。登場人物の家が、定番の「女は結婚して子供を産むことが天職」だという封建思想を振りかざす家であり、家長になる男の子のために、姉は尽くすのが当然だという親の態度に反発を感じる主要人物の描写などがある。
いや、令和になっても何ほども変わってないんじゃないの?って言いたくなったが、少なくとも、それを甘受していた女性達の意識が変わったのだから、時代は変わったのでしょう。
大正時代の言葉遣い、好きだ。。
「よくってよ!」「あら、~してよ、~なことよ」
これは、エースを狙えのお蝶婦人の言葉遣いですよ。

昭和から抜けらんないな~私。。。昭和に生まれた人だもの!
登場人物にこういう言葉遣いをさせたくて、書いたのが、『荒川が荒れなくなった訳』https://kakuyomu.jp/works/16816700427762815626
であるが、読まれませんね・・・(笑)

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