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カクヨムコンテスト9でホラーを書きたいひとに向けて参考文献

今回のカクヨムコンテストに参加できるかわかりませんが、特別審査員にも任命いただいたので、第7回受賞者として何か手助けになればと思い、いい感じの参考文献を並べました。
一応入門向きのものなはずです。

☆とりあえず
・東雅夫『怪談文芸ハンドブック:愉しく読む、書く、蒐める』
もうこれさえあればみたいな本。怪談とホラーこ違いから和洋中の妖怪話の特徴比較まで。

・平山夢明『恐怖の構造』
有名作家が心理からホラー映画のお約束まで解剖する本。たまにヤバ怖い実話がドッカンドッカン挟まるのもいい。

・小松 和彦『異界と日本人:日本妖怪異聞録』
ホラーを書くために大事な舞台設定と時代による怪談の場の変化がわかる。小松和彦はどの著作もお勧め。

・春日 武彦「恐怖の正体:トラウマ・恐怖症からホラーまで』
ド新刊! ピエロや集合体などの恐怖症や恐怖がもたらす反応まで精神科医が徹底分析。ホラー演出に助かる。


☆和風なやつ
・吉田悠軌『禁足地巡礼 』
今も昔も変わらないタブーの意識とアングラへの欲求を読み解く本。ネットロアの時系列まとめもあってありがたい。

・筒井功『村の奇譚 里の遺風』
つい最近まであったと思えない日本各所の異文化の実地調査。因習村扱いせず敬意を持とうねという気になる。

・六車 由実『神、人を喰う:人身御供の民俗学』
村ホラーといえば人身御供!食人や生贄の儀式などの根底は現代の推し文化にもちょっと通じるような。

・佐藤弘夫『日本人と神』
日本の信仰といえば仏教と神道。じゃあ、水子供養は? 天狗の伝説は? 神仏だけでは説明できない信仰のルーツや移り変わりに対して大まかに網羅できるし、いろんな例も知ることができるありがたい一冊。

・朝里樹『創作のための呪術用語辞典』
大元やけど古典文献はアカン。素人はくずし字を読めへん。その点本書は立派やね。同じ用語、同じ伝承、情報量は濃いけど書き方が初心者の入門書やと心底理解しとる。



☆洋風とか海外のやつ

・コリン・ディッキー『ゴーストランド: 幽霊のいるアメリカ史』
米国各地の心霊スポットを負の歴史と共に巡るので、年表としても助かる。「幽霊話の根幹は罪と罰」だとか。

・リチャード・ギャラガー『精神科医の悪魔祓い: デーモンと闘いつづけた医学者の手記』
精神科医でエクソシストという漫画みたいな著者の記録。科学的で冷静だけど悪魔憑きが生まれる背景を否定しないとこがいい。

・大谷亨『中国の死神』
近いようで案外違う中国の死生観。知らないうちに現代日本のサブカル文化の元ネタだったりして楽しい。

・伊藤 龍平『現代台湾鬼譚:海を渡った「学校の怪談」』
台湾ホラーが熱い今こそ!意外と影響してる日本と台湾の怪談の関係や、厨二的に嬉しい邪眼とかの話も。


☆あと何か面白いやつ

・カール・ホフマン『人喰い: ロックフェラー失踪事件』
御曹司が首狩り族に殺された実際の事件を紐解くノンフィクション。自分の常識は時と場所が変われば非常識になる、ホラーに欠かせない視点。

・松閣オルタ『オカルト・クロニクル』
バチクソに軽い文体と裏腹に実地調査まで行う特異なオカルトサイトの書籍版。魔女裁判からUMAまで嘘みたいな話がぼこぼこ出てひたすら楽しい。

・フィリップ・アサンズ 『モンスターを書く:創作者のための怪物創造マニュアル』
あらゆるモンスターの造形や出す意義まで、テンプレでは終わらせない。フィクションでの書き方まで手伝ってくれる優しい先生。

・上出遼平『ハイパーハードボイルドグルメリポート』
最果ての内戦地でもカルト教団でも行って飯を食う! ホラー映画より刺激的だけど、異文化圏でも相手を対等に尊重する態度の大事さもわかる。


いっぱいホラーを書いて俺に読ませてくれよな!

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