※これは先月サポーター限定ノートとして公開したものです。
領怪神犯3の重版ありがとうございます。コミカライズ最終巻も7/10に発売です。第二部の内容もやってほしいとのお声を多くいただいており、自分からは何とも言えませんが、作画の足鷹さん宛にファンレター等送っていただければ少し目に留まりやすくなるんじゃないかと……。
現在4、5本ほど原稿が並行しており、更新激減して申し訳ないです。全部が告知に時間を要するものなので、修羅場なのにTwitterでは少年ジャンプを読んでいるだけのひとになっている。極東ネクロマンスお勧めです。
こちらは本編で使わなかった没ネタ領怪神犯の設定資料です。
そのうち番外編等で使うかもしれないので、ネタバレが気になる方は見ない方がいいかもしれない。
本編の神々の設定資料はいずれまとめます。
・行き止まりの神
観音開きの扉がついた小型の納骨堂を模した神。
事故や事件、儀式の生贄など、生命の危機に追い詰められた人間の前に現れ、命を救ってくれる。
しかし、ひとりの人間を救う代償に、近い未来に多くの人々を救うはずだった技術を人知れず消滅させる権能を持つ。
昭和百四年に通信技術が存在しなかったのは、この神が暗躍していたため。
消されたものの中には調査員・梅村衛の父の死因となったポロニア=バイパー症候群の特効薬もあった。
没理由:作中の根幹に関わる神なので終盤まで出せないものの、絵的に派手さがない上にクライマックスで消された技術の話をする時間もなく、今更見せても仕方がないので。この神の代わりに白長の神の話に変わりました。
・庭取る神
巨大な鶏の姿をした神。
民家の庭に出現し、鎮座し続けるだけの無害な神に見える。実態は半径四キロ以内の時間を止め、その神の領域に変える。要はbackrooms。
過疎化した村に定住を望む村人の祈りから変質した神。神託を受けるための「清庭」が大元。
没理由:劇場版のような形で同じ一日を繰り返し続ける村の話をやりたかったが、思いついたのが第三部で、余談に時間を割ける状況でなかったので。烏有&切間のバディでやるのが一番面白かったと思う。
・天使う神
ある村の公衆電話ボックスに現れる、白い羽が生えた中世的な児童の姿の神。
恋人や伴侶と死に別れた者に限り、その電話を使うと故人と通信ができる。そして、電話で指示された場所に赴くと再会できるという。
その実態は人間を攫い、このまま食わせるか、電話で誘き寄せた近しい人物を身代わりにして生き延びるか選ばせる悪神。
キューピット様や怪人アンサーなどの都市伝説が元ネタ。
没理由:まどろむ神と若干かぶるので。都市伝説的要素が強いため、作中の雰囲気に合う純和風のまどろむ神が採用された。
・施餓喜の神
おさげ髪で赤い割烹着を着た、女中や女将風の女神。体長は二メートル近く、片目が潰れている。
幸せの絶頂にある者にも、反対に不幸の渦中にある者の前に現れる。共通条件は対象者が突然死の直前にあること。
対象者は好物又は思い出の味の料理を大量に振る舞われ、恍惚のまま死に至る。
実のところ対象者の突然死はこの神によるもので、遭遇と同時に満腹中枢が破壊され、血糖値スパイクで死亡するまで食事を続けることが原因。強制ドカ食い気絶部。
この神は「美味しいものをたくさん食べて満腹の状態で死ぬのが幸せ」という思想のもと人間に干渉し続ける。
万一逃れられたとしても、余生は幸せの絶頂が終わったものとされ不幸の連続になる。
没理由:死ぬか、人生が壊れるかの二択でネームド調査員ではやり辛く、村の被害者を見て終わるだけだと悲惨すぎるので。
思いついたときには真相に迫るべき段階だったので、やるなら1、2巻で終えるべきだった。
この神は相手の好物を死ぬまで振る舞う性質上、食人嗜好の神に対しては自身を食わせることで一定時間足止めできるというバグ技を持つ。つまり、豊穣の神の天敵。
白長の神のあたりで挟もうと思ったけど、子連れ→豊穣←施餓喜で、苦手な女サンドは面白くなってしまうため没。(豊穣は勝手に山に入り込んで迷子を探しに来る子連れの神も苦手)
・曳手の神
杖をついた長い黒髪の男神。喪服のようなスーツと革靴、コートを纏い、顔には死斑に似た黒子が多数ある。
この神の権限に居合わせた人間はいかなる理由であれ必ず死亡する。行動は対象者の顔を覗き込み続けるのみで、絶命と同時にこの神も消える。
対象者の周囲に人間がいないときのみ出現する。尚、あくまで人間がひとりでいることが条件で、神は頭数に含まれず、領怪神犯による死が引き起こされた現場でも目撃されるため、神々の間での都市伝説的な存在。
実態は人間の死を見守るためだけにいる死神のような神。対象者を死から救う権能も意志もないため、救助を求める声には答えないが、それ以外の会話は可能。
対象者から求められたときのために煙草と飴玉を持ち歩いているが、殆ど求められないため使ったことは数えるほどしかない。
元は棺桶を引く人員が不足したときに出現する神だったが、土葬の文化が消えて今の形になった。死の概念の具現化で、最古参に近い領怪神犯。
没理由:とにかく遭遇者は確実に死亡し、第三者が観測できないので。穐津を使えば何とか話を作れても、あきつ神の正体が判明した後、この神の話をやる時間はなかった。
バーサス映画時空なら出せると思う。豊穣の神より年上の数少ない神で、死→人身御供の上位互換なので、二柱は系譜的に遠い兄弟くらいの感覚かもしれない。
・こごめる神
直径五メートル、水温三十九度の池型の神。
不妊に悩む女性が子宝に恵まれる温泉として知られる。
実態はアメーバに似た分身を人体に寄生させ、腹部から栄養を奪って成長した後体外に排出させることで眷属を増やし続ける悪神。
女性しか入湯しなかったため判明しなかったことだが、この神は男性にも分身を寄生させることが可能。村人はそのとき初めて神の本質を知ることとなる。
没理由:これ売るとしたらKADOKAWAじゃなくFANZAかDMMじゃねえかな……。
番外編も少しずつ更新していきます。よろしくどうぞ。