カクヨム最強攻略! 星を集めて成り上がれ!(真木ハヌイ・2020年10月)
「掲載期間」「話数」「フォロワー数」これらの数値が大きくなるほどPVは増大する。
カクヨムにおける人気のバロメーターは「フォロワー数」である。PVもそれに比例する。
フォロワー数を増大させることに全てがかかっている。カクヨムはとにかく★が入れば、作品が他のユーザの目にさらされやすい仕組みになっているサイトです。作品を「開いて」★を貰えばいい。★をもらえれば、フォロワーは増え、PVが伸びていく。でも、カクヨム掲載作品全体では「閉じて」いる作品の方が圧倒的に多いのです。
◎「閉じて」る作品達
⒈ ジャンルそのものが魅力的ではない。
異世界ファンタジーとラブコメ以外ほぼ全部これ。それ以外は絶望的。終わり。
負け犬不人気ジャンルなので作品を開く事はほぼ無理だと思われる。
オリジナリティーと言う幻想は捨ててください。
⒉ 完結作や続編、あるいはそれを予想させるタイトル、キャッチコピー。
この2つはフォローが入らない。新規読者は寄ってこない。
⒊ ブラバされてる。
興味持って作品をクリックしてくれても、あらすじが機能していなかったり最初の1話が残念だと、読者はフォローを入れずに高速でブラバで(すぐに表示画面を切り替える事)去っていく。一話から二話かけて、PVが激減している場合、ブラバが発生している。一話から最終話にかけてPVが少しずつ減っていくのは自然なことなので、二話でちょっと位PVが減っていても気にすることは無い。
⒋ タイトルなどにキャッチーさが足りない。
タイトル・あらすじ・キャッチコピー・タグ、そのすべてがアピール不足。読者を惹きつけるパワーワードが足りていない。タイトル・キャッチコピーでわかりやすく提示すれば、作品が「開き」フォロワーが伸びる。平凡は、マイナスワード。
一話で即切り! ブラバのチェックと対処法。
⒈ なんか冒頭から地の文みっちり。
カクヨムのメインコンテンツは、ライトノベル的なものが求められているサイトなので、こってりした作風はブラバされてしまう可能性が高い。あと、スマホだと適当に行間に空きがないと閲覧が辛いらしい。何行が書いたら適度に空行しよう。
⒉ なんか冒頭から説明みっちり。
カクヨムに求められているのは「ライトノベル」であり要は「キャラクター小説」なのだ。まずキャラを前面に出し、説明はその後からするべき。
⒊ なんかタイトルやあらすじと内容が違う。
お約束(テンプレ)が、守られてなかったり、看板に偽りあり。
4. なんか冒頭から大量にキャラ出してきた。
アニメならともかく、小説でやられるとツライ。キャラはゆっくり登場させた方が読み手も作品に入りやすい。
⒌ なんか主人公がおかしい。
主人公は、なるべく読者の視線と同一である方が好ましい。ジャンルにもよるが、なるべく読者が共感しやすい主人公で、スタートするべきだろう。どう考えても不自然な設定はいただけない。
⒍ なんか続編ぽい。
まっさらの状態から物語がスタートすると思いきや、実は続編で、前作までのキャラやら設定やらを頭に入れてないと理解できない内容だと、当然ブラバされる。
⒎ なんかもう内容全部がおかしい。
いきなり意味不明なポエムから始まってたり、いきなりセリフだけの羅列で状況が不明だったり、必要な描写説明が足りてなかったり。小説を書き慣れてない人にありがちな冒頭。書き慣れてください。
◎あらすじブラバ発生原因(タイトル・キャッチコピーは良かったが、あらすじやら、タグが残念だった)
⒈ ポエム書いちゃダメです。
⒉ 固有名詞を羅列。分かりやすくあらすじろうよ。
⒊ まず、話や設定をあらすじろう。いきなり登場人物紹介はじめてはダメ。
⒋ あらすじ書いてない。めんどくさがらないで。
⒌ 「謙虚」のふりして、セルフハンディキャッピングしないで。読者が必要としてる情報じゃない。それ失敗したときの予防線です、いらん情報です。期待値下がるだけ。
努力してないアピール(マイナス)より、一生懸命書いてをアピールしようよ。
◎カクヨム独自仕様、文字数が少ないほど評価されやすい「オレオ効果」
カクヨムでは低評価のうちに作品の文字数を増やし続けると沈む。
全ては、サービス開始4年経って何も改善されていない★編重のクソデザインのせい。
新着小説からの導線が圧倒的に弱く、小説を新規に更新しても読者があまり増えない。
カクヨムには、「小説家になろう」とちがい、各エピソードごとに星を入れるボタンが設置されているわけではない。最新話が一話から遠のくほどに★が入りにくくなる。
長編になるにつれ、一話から入って読み始めた新規読者は最終話に到達するまで時間がかかってしまう。最新話まで読み進められるのは、ごく一部の先鋭読者だけ。多くは途中で脱落していく。そして読んでいる途中に評価を入れるボタンは読者の目には入らない。(少なくともスマホで閲覧すると一切ないらしい)小説本文を読んでいるときに、直感的に★が入れられるデザインにはなっていないのだ。そして何百話と言う大長編になったことで★があまりもらえなくなると言う事は、導線の少ないカクヨムではほぼ死ぬことを意味する。
更新を続けていくうちに後からじわじわ上がってくる作品は他のサイトだとちょくちょくあるが、カクヨムにはありえない。「多い文字数で面白い」より、「少ない文字数で面白い」方が、新規読者を増やすのに圧倒的に有利なのだ。「多い文字数で序盤から面白い」では、ダメなのだ。「多い文字数で最後まで読むと面白い」なんて問題外。それで評価されないのがカクヨムのクソさである。
だから、カクヨムオンリーの作品で読者を大きく増やすためにはどうすればいいかと言うと、少ない文字数(ファンタジー6万字以内、ラブコメ3万字以内?)のうちに★をたくさんもらってランキング上位に張り付く方法しかない。そこから落ちるまでは更新を控えめ(千字程度の少ない文字数で間隔日更新するとか)して、新規読者がすぐ最終話まで読み進めて★を入れてくれる環境を作る。毎日コンスタントに★が入り続ければ、ランキング上位にはいられる。注目の作品にも毎日載る。太い導線ができるわけだ。そしてフォロワーを一気に増やした後に、大長編に向けてバリバリ更新していく。
そして「オレオ効果」(カクヨムは★が、入らないと読まれないデザインになってるのに、作品の話数が増えると★を入れるボタンが遠のく)により、他の文字数の多い作品に比べて相対的に「文字数の少ないラブコメ」に★が入るので、おのずとそれらばかりがカクヨムユーザの目にさらされ続けることになる。
つまり、カクヨムではラブコメが人気、ではなくて、オレオ効果により「文字数の少ないラブコメ」が圧倒的に目立ちやすく有利なため、人気のように見えるだけなのだ。
ラブコメにプロットは多分いらない。物語開始から、美少女が主人公とイチャイチャしているシーンを毎回書けば、一万字なくても、星がジャンジャン入る。そういうジャンルである。書籍化の打診が来る事もあるだろう。しかし実際はそこまで文字数を増やせずに終わる(エタる)作者が多いようだ。更新を続けていくうちに、「オレオ効果」により、その勢いは落ちていく。書き手の「なんだか最近伸び悩んでいるなぁ。もしかして飽きられてる?」モチベーションの低下につながり、「このままラブコメをダラダラ続けるより新作書いたほうがいい」となる。
なのでカクヨムでは、文字数の少ないラブコメが量産され、★を集めてランキングに上がっては、すぐ散る流れが続いている。(打ち上げ花火か、流星か)
しかしこの「文字数の少ないラブコメ」ばかりが評価されると言う仕様は、角川と言う出版社が直接運営している小説投稿サイトとしては、非常に問題がある気がする。
出版社の立場から書籍化する作品を選ぶなら、文字数(ストック)は多い方が良いに決まっているからである。(なんか打ってて虚しくなってきた……)
★をもらったり、フォロワーが増えると続きを待っていてくれる人がいる! と思って毎日投下しちゃったら、実は逆効果なわけ。こんなこと知ったら、誰だってモチベーション下がるよ。(でも、野良PVみたいなのはないサイトらしい)
「大手の角川が、こんなやり方してるから魅力ある本が世に出ないし、紙の本が売れなくなるような気がします」とのコメントもありました。
「執筆ツールとしてのデザインは、使いやすくてかなり気に入っているんですけど、発表の場としては、自己満足よりなんですよね。私の場合は読者がいなくてもいいやって思える作品限定の置き場所になっちゃってます」のコメントも。(実は、私もです)
コレでいいのかー?カクヨムの皆さん。隠れた名作たくさんあるのに、カクヨムじゃ探す術が無いんだよ、私読みたいよ。カクヨムに目安箱はないの?どこに意見を持ってけばいいのよ。私、検索の仕方も怪しいのだ。「私の推し、異色短編紹介。こんな面白い作品読みました」なんてコーナーないんですか?それで読んでみて面白かったら、その作家の他の長編も読める。(自分PRはダメよ)
最後に、真木ハヌイさん、1ヶ月にも及ぶ調査の末、素晴らしいレポートをまとめてくれて、ありがとうございました。勝手に要約して勝手に載せてすいません。(コレ、著作権に引っかかるのかな?)ラブコメ・異世界転生ファンタジーについての考察は、原典『【カクヨム最強攻略】どういうタイトルやキャッチコピーだと読者が増えやすいか、実際にカクヨムの「注目作品」で計測して調べてみた PVやフォロワーの伸ばし方もわかった』真木ハヌイ著作、をご覧ください。読んだら、星つけてあげてね。