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Re:bright 新章開始 &ダービーに寄せて~それでも競馬は続いていく~

 どうもこんにちは。「Re:bright~もう一度、輝くために~」作者、川中島ケイです。

 ついに競馬の祭典、日本ダービーが終わりましたね。私の応援していた馬は2着に終わりましたが、それでも全ての人馬が事故無く終わり、どの馬もちゃんと死力を尽くしたうえでの決着でしたし、良い競馬を観られて個人的にはとても満足でした。

 という事で作品の話。こちらもいよいよダービーまでの騎乗停止期間が明け、トレセンに顔を出して調教を開始し始めます。ここからはリアルの時間軸を追い越して夏へ、そして秋へと話が進んでいきます。予定ではあと一週間ほどで連載終了なので駆け足になりますが、ここからの巻き返し(&ざまぁ展開w)、お楽しみいただけると嬉しいです。

https://kakuyomu.jp/works/16818093076658892450/episodes/16818093078125989023


 折角の機会なのでダービーにちなんでひとつ、思い出話などもさせてもらおうかなと(ここから先は作品とは関係ない雑談ですがw)


 今から20年前の2004年・日本ダービー、一頭の馬が出走していました。その馬の名はコスモバルク。

 地方馬が中央の重賞に出る事も困難だったこの時代、新たに始まった認定制度を利用してホッカイドウ競馬から中央のレースへ出てきた馬の第一号として2歳戦から中央の重賞に殴り込みをかけ2連勝、一冠目の皐月賞もあと一歩の2着と奮闘、ダービーも今度こそはと期待から2番人気に推されていました。

 それでも「地方馬がクラシック勝つとか夢物語だ」とか「ただの話題作りでしかない」と馬鹿にする者も居ましたが、そんな逆風に負けず、毎回北海道からの輸送競馬というハンデにも負けずに夢に立ち向かい続ける姿に当時、音楽という夢に賭けて田舎から上京してきた私は自分の姿を重ねて応援していたものです。


 しかしそのダービーで立ちはだかったのは規格外の名馬・キングカメハメハ。その馬が作るペースに自分の競馬を全くさせてもらえず、コスモバルクは8着と惨敗を喫します。ちょうどその頃、親が病に倒れて余命いくばくもないと言われた私も夢を断念して地元に戻らざるを得なくなったので、その夢破れたダービーを見届けてすぐ、私の東京生活も幕を下ろしました。


 だけど、夢破れたとは言っても私の命もそこで終わりでは無かったように、彼の競走馬としての挑戦もそこで終わりではなく、彼は色々なレースに挑戦し続けて2年後の5月、シンガポールの国際競争で見事G1を制して大きな大輪の花を咲かせます。その前年に応援していたゼンノロブロイもまた、4歳古馬になって天皇賞・秋でようやくG1制覇を成し遂げると、そのままジャパンカップ・有馬記念を制してテイエムオペラオー以来となる秋古馬三冠を達成しました。


 ダービーを獲る事は全てのホースマンの夢、と競馬関係者がよく口にする言葉があります。でも一人の競馬ファンとして言わせてもらうのなら、ダービーが終わったからって獲れなかった馬はそこで終わりなんかじゃない、競馬はずっと続いていくんだって、それは経過でしかないんだって私は思います。

 今年のダービーを勝った馬も、勝てなかった馬も、出走する事すら叶わなかった馬も、それに関わる全ての人々の競馬がこれからも続いていって大きな花を咲かせる事を願いながら、私もそういう話を描いていきたいなと思っています。

 Re:bright、完結まであと僅かとなりましたが最後までどうかお付き合いいただけましたら嬉しい限りです。

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