このノートを覗いてくださっている貴方、いつも読んでくださっている皆さま。
今年出逢えた方も、知り合えて数年経っても変わらず気にかけてくださっている方も。この一年、ありがとうございました。m(_ _)m
来る2024年が、皆さまにとって素晴らしい一年になりますように。
* * *
ユーリ 「……おい、気づいてるか?」
テディ 「んー? なにに」
ユーリ 「俺ら、今年まったく出番なかったんだぜ? ストーリーガイドとやらでお茶を濁しただけだ」
ルカ 「ああ、そういやそうだったな。今年は短篇集と、そこからのシングルカットだけで終わったんだっけ」
テディ 「気づいてないわけないじゃない。そーだよ。今年は俺らはまったくほったらかしで、金髪のシリアルキラー推しで終わったんだよ(ーー)」
ユーリ (まだ拗ねてたのか)
ジェシ 「一年で短篇集一作ですか。遅筆ですねえ」
ルカ 「いや、実際はそれほど遅筆でもないと思う。書き始めて、のってくれば速いんだよ……。あの人の場合は、書き始めるに至るまでのあれやこれやが時間かかり過ぎなんだよ」
ドリュー「そうだな。まあでも、いいじゃないか。バンドでまったく活動しない年があるくらい、よくあることだ」
テディ 「まあね。それに、新しいストーリーはなかったけど、俺らの“写真”は公開されてたし……」
ユーリ 「おう、なんだあれ。先に公開された二枚はいいとして、俺の三枚めのキッチンで隠し撮りされたやつ、いったい誰が撮ったんだ(怒)」
テディ 「俺じゃないよ?」
ジェシ 「僕でもありませんよ!」
テディ 「そんな、怒らなくてもいいじゃない。俺はいい写真だと思うけどな」
ユーリ 「別にキッチンに立ってるところはいいさ。ただ、パンツが後ろ前で……くそ、俺としたことが……(恥)」
ルカ 「いっそ穿いてなきゃよかったって?」
ユーリ 「まったくだ」
ジェシ 「そうなんですか!?」
ルカ 「相変わらず自信がお有りで(==)」
テディ 「そんなことより、こうして俺らを出しといて、カードの画像がアレっていうほうがむかつくんだけどっ!💢」
――そこへ、ばたばたとロニーが駆けこんでくる――。
ロニー 「聞いてみんな! やったわよ、来年、新しい写真集を出すわよ!」
ルカ 「なんだ、いまさら写真集くらいで大袈裟な」
ドリュー「これまでにも何冊か出してるじゃないか。なにか特別な企画だとか?」
ロニー 「ゾルト・ギャスパーよ! 映画スターやミュージシャンの写真でいま世界中で注目されてる、あの写真家のギャスパーが、バンドの撮影を引き受けてくれたの! 人気すぎてオファーが殺到していて、何年も先まで予約でいっぱいだって聞いてたのに……ジー・デヴィールには是非そのうち会いたいと思ってたとかで、スケジュールを調整してくれたのよ!」
ユーリ 「ゾルト・ギャスパー……、ああ、名前は聞いたことがあるな」
ドリュー「ギャスパーか、雑誌で作品を見たことがある。印象に残る写真だったな、ちょっとアニー・リーボヴィッツを思いだした」
ジェシ 「僕ももちろん知ってますよ! すごいじゃないですかロニー、よかったですね!」
テディ 「俺は知らないけど、ま、よかったね」
ルカ 「よかったな。……ゾルト・ギャスパー?」
ロニー 「ん? ルカ、どうかした?」
ルカ 「いや……」
――ルカ、顎に手をやりながらおもむろにテディの顔を見る。
テディ 「……なに?」
ルカ 「……なんでもない。(そうだ、なんでもない。きっと、そうだとしても考えすぎだ……)」