空伏空人

「おにい、暇だよね。ニートだし」 　なかなか酷い言い草であったが、確かに僕は暇だったし、ニートだったし、お兄ちゃんだった。 　なにも間違いはない。 　椅子をくるりと回転させて振り…

「競馬やる暇があるなら小説を書きなさい」と怒られた結果できた罰ゲーム短編集。 もしリワードを稼げてしまった場合は競馬に使います

【第1回カクヨムWeb小説コンテスト】において特別賞をいただき、角川スニーカー文庫様にて、十二月一日発売となっております。 　ルーミア・セルヴィアソンは吸血鬼である。 　四百年…

私は殺人鬼である。本能で人を殺す殺人鬼である。 ある日、親友をうっかり殺してしまって、そろそろ死んでしまおうかと思ったとき、私と同じ殺人鬼である彼と出会った。

宇田さんという知り合いから聞いた話。 彼が住んでいた町にはお地蔵様がたくさんあって、幽霊屋敷があったそうだ。

世界中が揺れて、空も宇宙も揺れた地震が起きたその日。 僕の部屋の扉の下に高さ十五センチの空間ができていた。 そこからは、僕の部屋そっくり（よく見るとちょっと違う）な部屋が見えて、…

ゆきやまちほーの温泉宿。 ゲームが大好きで、ずっとゲームにしがみついているキタキツネに辟易していたギンギツネは「ゲーム勝負であなたが勝ったら、もう少し遊んでいていい。私が勝ったら…

ここはジャパリパークのじゃんぐるちほー。 ミナミコアリクイのコアリは、とあるものに驚いて逃げていたところ、赤い土をペロペロ舐めているアクシスジカに出会いました。 アクシスジカはな…

家の近くにある店の爺さんに、推理トリックを思いついたから聞いてくれと頼まれた。それは、死体の処理についてだった。

同級生たちが犬に影がないと騒いでいる。しかし、私にはしっかり影が見えていた。不思議だなあ。と思っていたら、急に靴紐が切れて、犬がバウ。と鳴いた。

親友の発明家が『異世界へと続く歪みを発見する機械』をつくった。 その実験に付き合った俺は、何個かの異世界を行き来し、三つ目の異世界で初めて異世界人とであった。異世界人は服を着てな…

　僕は昔『ヒーロー』というものに憧れていた。 　それこそ、日曜の朝にテレビでやっているような、強きを挫き、弱きを助ける『ヒーロー』に、年相応の男の子らしく憧れていた。 　それは自…