世界が十五センチズレたので

作者 空伏空人

69

27人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

のぞきはドキドキする。ましてや、SF的なギミックと組み合わされたときなんて、そりゃ…………。

のぞき穴は小さい。かの『沈黙の春』の中でレイチェル・カーソンが引いたジョージ・ウォールドの言葉を持ち出すまでもなく、小さなのぞき穴でも、近くに寄ればそこから広い世界が見える。

15センチしかないのぞき穴から向こうを覗き込めば、隣り合う世界が見える。隣り合う世界との危うい関係が、僕らを止まらないワクワクへと誘うのである…………。

★★★ Excellent!!!

興味深いSF設定であるのに、それを全面に押し出すことなく、もうひとりの自分という、誰しも一度は会ってみたい人間との関係を丁寧に、そして小気味よく書いてあるのは、読んでいて楽しかった。
最後のほうは泣きかけた。
そしてラスト、また新しい広がりを見せつつ終了する。

愉快だけど、少し切なく、愛らしい物語。好きです!