てるるさんはイラストと執筆を両方手掛けられており、語り口調はたまに講談師ですが、猫と古典をこよなく愛する現代人です。
多忙の合間を縫って、拙作『ぐちゃぐちゃ悪魔と文字使い』に登場する悪魔のティルを、蔵書票バージョンで描いてくださいました!
原作の描写通り、全然可愛くない絶妙に不気味なティルを再現してくださって、作者は大喜びです♡
てるるさんの近況ノートに飛びます↓
https://kakuyomu.jp/users/52te/news/16818093089124806381蔵書票というのは、本が貴重であった時代のヨーロッパで多く使用された、本の持ち主を示すための小さな紙片のことです。
裏表紙に貼り付けて使い、○○という文章は必ず入れましょう、というルールがあります。
小説の本文では「書き損じの羊皮紙の切れ端」を蔵書票っぽく扱っただけでした。
なんということでしょう。
それをてるるさんは匠の技で、悪魔が住みよいセキュリティも万全な空間に✨🏠✨
フラクトゥーアという伝統的なドイツ文字の書体が踊っていて、超カッコイイのです!!
本編未読の方にもぜひご覧いただき、16世紀ドイツ(当時は神聖ローマ帝国)の妖しい世界観を感じ取っていただけたら幸いです<(_ _)>
てるるさん、ありがとうございましたー!!
ついでに良い機会なので、悪魔ティルの名前についてちょっと語らせていただこう♪
彼の名は15世紀にドイツで出版された民衆本、『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』の主人公から頂戴しました。
本家のティルの正体は判然としません。放浪者、道化もの、もぐりの遍歴職人。
わかっているのは、行く先々でシャレにならない悪戯をしでかすということ!
例:奉公先で親方の奥さんの可愛がっている犬を煮て奥さんに食べさせたそうな。(本当にシャレにならない)
オチは下品でシュールで残酷なものが多いので、善男善女の皆々様はくれぐれもお読みになりませんよう。
元々は口伝で、当時の遍歴職人たちが実体験に基づいて伝えたものではないか、と言われています。
きっと行く先々の街の宿屋で出会った彼らが、酒盛りしながら情報交換したんだろうなあ。
やれ、あそこの親方はあこぎだ、こんな酷い仕打ちをされた、食事は犬の餌よりひどいもんで、あの犬焼いて食ってやろうかと思ったね…なーんて。
拙作『ぐちゃぐちゃ悪魔と文字使い』の悪魔ティルと、主人公の遍歴職人イェルクの旅も、いずれ他の職人たちによってあちこちの街で噂され、それを酒場の片隅でリュート抱えて寝ている時代遅れの酔いどれ吟遊詩人コヨミが耳にして、一つの物語にまとめ上げるのでしょう。
なんかメタ的な視点になってきたところで、今日はこの辺で♪
Schönen Abend!